lockandgo65

美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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荻窪の「ねいろ屋」でひめルビー、煮込みみかんとレアチーズ。

脈絡なく移動してきて、荻窪へ。
ねいろ屋さんにお邪魔します。
 
前回柑橘狙いだったにもかかわらず、メニューの充実っぷりについつい柑橘を食べ逃していたのですよ。
メニューを眺めて「柑橘は1種類かな~」などと思っていたら、珍しく後ろの壁にも気まぐれメニューがあるとご主人に教えていただきました。
 
振り返ると…、おお2種類も!それも両方柑橘!
 
ということで「両方ください!」と食い気味に注文。
 
ひめルビー(1000円)。
ブラッドオレンジの「モロ」と「太田ぽんかん」をかけ合わせた、赤ぽんかんとも呼ばれる愛媛の品種なのだそう。
 
品種名は「エクリーク65」というそう。
親近感。
 
苺とはまた違った「赤」。
 
実は先にお召し上がりの方のが目に入って「今日の苺は変わった色だなあ」と思っていたのですよ。
そう勘違いする程度には、ガッツリ赤です。
 
ねいろ屋さん特有のとろみのある柑橘ソース。
 
これこれ。
 
これをいただきに来たのです。
 
イメージ的には、ピンクグレープフルーツにも近いかも。
それで言うと、酸味はあまり立っておらずビターな甘み推し。
 
グレープフルーツ系の柑橘って、もともと甘みに頼らず魅せる味わいなのでかき氷に合う印象がありますねえ。
いや、これはグレープフルーツではないのでしたね。
 
中までたっぷりソース。
 
愛媛、最高だなあと思ったところで「ひめルビー」の「ひめ」は愛媛の「ひめ」かな?と気が付きました。
 
煮込みみかんとレアチーズ(1000円)。
 
煮込みみかんは通常メニュー、レアチーズソースと相がけでスペシャルメニューになっていました。
 
のぞみみかん、温州みかんをこってり煮込んで、青切りいよかんをブレンド。
 
ひめルビーよりやや甘みが増えて、苦み・酸味はほどほどにして、旨みがしっかりめ。
 
レアチーズソースは、ちょっと乳臭さが目立ってしまいますかね。
乳脂の甘さは飛んでしまっていて、ただただマイルド。
 
煮込みみかん、素晴らしい。
 
ちょっと懐かしさもある味のバランス、すっきりしていて2杯目ですがスルスル進みますね。
 
レアチーズと合わせると、ややみかんが負け気味。
 
個人的には煮込みみかんはストレートでいただきたかったかもしれません。
 
このところねいろ屋さんで2杯いただくと、最後はちょっとお腹いっぱい気味になることもあったのですが(カレーの後のことが多いため)、今回は全く気にならずサラッと食べ切れました(フレンチの後にもかかわらず)。
 
柑橘の軽さですかねえ。
大満足でした。
 
ごちそうさまでした!

表参道の「ラチュレ」で本州鹿のロースト、真鴨のテリーヌ、平目・筍・アーモンド・小松菜、ふきのとうのデセール、アナグマのリエット、蟹のタルト他。

お昼は2度目の訪問となる表参道のラチュレさん。
 
ジビエ時期にもう一度、という気持ちがあったのと、こちらのデセールの評判をあちこちで見たり聞いたり、気になってしまったのですよ。
前回と同じカウンター席、サービスの方がおひとり増えていましたかね。
 
サービスのおふたりと、シェフが気さくに話しかけてくださいます。
 
「小鳥の尻尾がバターナイフになっています」
シェフ自らジビエを狩猟されるお店とあって、動物感を出してきますね。
 
「前回とお料理変えちゃう感じでいいですか?」と確認していただけたので、そのようにお願いしました。
定番メニューも大変魅力的だったので迷うところではあったのですけどね。
 
カニのタルト。
タルトの中にアイヨリ系のソースで和えたカニのほぐし身。
 
一口でパクッと口に入れると、タルト生地は何やら海老せんのような香ばしさだったのですけど、組み合わせの妙でしょうか?
 
アミューズ2品目はこんな豪快なプレゼン。
 
アナグマを使ったリエットなのだそう。
 
ライスチップスに乗せて。
 
「こちらも一口で」と説明を聞きながら、アナグマって…確か第二次大戦のドイツの暗号機……ってそれはエニグマ…と考えていると、
 
「こちらがアナグマです!」
とのこと。
 
こ、こんにちは。
 
「どうぞ!」
 
……。
 
あ、いいですねえ。
甘さという面では随分すっきりしていますが、旨みが強くあって。
よくほぐれた繊維質は、一筋一筋に力強さを感じます。
 
食べ終わったところでアナグマも下げていただきましたが、何かの儀式のようでした。

生命に感謝です。
 
このタイミングでパン。

これはフランスの冷凍生地を輸入してお店で焼成したものかな?
 
フレンチに出入りするようになった当初の頃のお店がこんな感じだったので、結構好きなのですよね。
 
こちらは「シカブシ」とのこと。
鹿肉を干したものだそうです。

促されて恐る恐る手に取ってみたのですけど、驚くほどに軽かったです。
 
続いての前菜は、平目、筍、アーモンド、小松菜、鹿節。
 
外側を覆っているのは、こちらもお店で干したというドライ小松菜。
小松菜は中にフレッシュのものも入っています。
 
これ、お飾りかというととんでもない話で、ドライの方は口に入れてから水分を含んで味が出るまで時間差があるのですよ。
さらにドライの方がやや苦みに寄ったバランスになっているので、口の中で魔法のような変化が起きます。
 
ネットリした平目と、アーモンド・筍のコントラスト。
そして、アーモンド、筍の歯応えのグラデーション。
 
小松菜と鹿節の感じは、「おひたしに鰹節」みたいなイメージだったように思います。
旨み、香り、食感、どれも素晴らしい1皿でした。
 
真鴨のテリーヌ。
今年のラスト真鴨だそう。
しっかり熟成をかけてあるそうで「しっとり仕上がっていると思います」とのこと。
 
ほとばしる旨み旨み旨み!香り香り!
フォアグラも、ただ「マイルドにする」程度の添え物ではなく、しっかり香りを放っています。
 
ピスタチオの香りも強く立って感じられました。
 
プルーン、金柑、山芋のピクルス。
 
このテリーヌはとんでもなく美味しかったです。
珍しく「ひとりで来たこと」を憂えるほど、誰かとこの感動を共有したくなってキョロキョロしてしまいました。
 
また来年の楽しみにしましょうかね。
 
メインは鹿。
蝦夷鹿ではなく本州鹿なのだそう。
 
手前は浅葱、奥に根セロリのピューレ。
 
蝦夷鹿のじっとり融けるようなほぐれ方とは違って、より肉々しい食感だったと思います。
やわらかさ自体は近いものがありました。
 
肉の味も甘みより、より肉。
 
甘みは赤すぎるの甘酸っぱいソースで補います。
 
しっかり個性のあるジビエをいただけました。
さすがでございます。
 
さて、今回もう1つの楽しみにしていたデセール。
 
「ふきのとうのアイスです」
 
ふ、ふきのとう…?
 
冬の夜に月の光が差し込んだところに、雪から覗いた合間に芽吹くふきのとう。
 
の、ような。
 
アイス、シャーベット、クリームと3種ふきのとうなのかな?
大変失礼ながら説明をよく聞けていなかったですけど、"冷たいもの"は香りがよく分からず、クリームを食べたときだけふきのとうが香ったように感じました。
 
柑橘は苦みと酸味、ソースは甘みも。
 
ちらちらとしか写っていませんが、アーモンドの生地も合間合間の口直しに良かったです。
 
食後は紅茶を。
 
やさしい味わいの和紅茶。
 
ミニャルディーズはフィナンシェ。
 
今回はヒグマの脂を使用。
1食で2種の"クマ"をいただく日が来るとは…。
 
想像していたより甘さを控えてあって、ガッツリ脂の旨みを前面に出した仕上がり。
 
今回はメインとデセール目当てで来ましたが、なぜか逆にアミューズ・前菜に持っていかれてしましました。
真鴨のテリーヌはまたそれだけ目当てに再訪したくなるほどの絶っっ品でした。
 
スペシャリテの鹿の血のマカロンや、パテアンクルートも捨てがたいのですけど、それらを避けた今回もお料理も素晴らしかったです。
次回は大いに迷って伺おうと思います!
ごちそうさまでした!

築地の「高はし」でほたて刺身、平貝刺身。

続いて高はしさんへ。
 
この日のお目当ては平貝。
せっかくなので帆立も追加して食べ比べることにします。
 
これは…帆立…!
一瞬どちらかと思いましたが帆立刺身でした(800円)。
 
定番メニューですが、注文するのは久しぶり。
 
ちゅるんとやわらか。
 
甘みが際立ちます。
 
平貝刺身(1500円)。
 
明らかにこちらの方が直径が大きいですねえ。
 
角が立って引き締まった印象ですが、表面はギラギラに輝いています。
 
ムッキュと歯に吸い付くような食感で、コリッと噛み切ると旨みと香りが口に充満。
帆立の直後なので、より旨み寄りの味わいに感じます。
 
せっかく焼き海苔が添えられているので…
 
挟んでパクリ。
 
弾けるような歯応えがなくなる反面、旨みがじんわり広がるようになりますね。
香りは海苔に持っていかれ気味なので、平貝は旨みに特化して感じられます。
 
というわけで、楽しく食べ比べできました。
 
特に平貝については、いつでもあるメニューではないので逃さずいただけて良かったです。
ごちそうさまでした!

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