月替わりのコースを毎月逃さずに・・・と思っていましたが、9月は空けてしまいました。
今回も11月に入ってしまいましたが、まだ10月のコースだったので滑り込みセーフでしょうか。
予約してあったのでカウンターに席をいただきました。
この日も予約で満席の人気店です。
ランチでしたがこの日はディナーのコース(4200円)をお願いしてありました。
様々な茸のブロード コラトゥーラ すだち。
ブロードは出汁、コラトゥーラはイタリアの発酵調味料のことだそう。
袋で包んでオーブン調理でしょうか。
慎重に結び目を解いて開くと・・・
香り!香り香り!ねえほら香るよ!と誰かに伝えたくなるほどのきのこの香り。
袋で包んであるのはこのための演出なのかもしれませんね。
スープはすっきりしたコンソメに、オリーブオイルでこってりした感じも加えてあります。
オイルの膜で覆われているので、なかなか冷めなくて苦労しました。
後半すだちを搾るとたちまちポン酢のようにさっぱりした和風味に。
自家製のフォカッチャをいただきまして。
この葉野菜は何だったかなあ・・・名前を聞いたのですけど、ナスタチウムかな?
「ちょっと辛味があります」とのことでしたが、辛くなりそうで辛くはないひりひりした感じがありました。
ドライトマトは甘みは控えめで旨み推し。
パッと見は豆腐のようですが、これが玉葱の甘みの素敵なムース。
ミルキーな香りもあります。
自家製のフライドオニオンの甘みなど、全体に甘みが穏やかに広がっているので、バルサミコは甘めではありますが「甘酸っぱさ」として感じます。
野生エノキ 半熟卵 舞茸とイタリア米のソース。
たまたま手に入れたものを即興でコースに組み込んでから試行錯誤を重ねてここまで仕上げた一品だそう。
エノキがぷちゅっと瑞々しく弾けます。
半熟卵とソースのイタリア米が絡むとどうにも卵かけご飯が頭をよぎって離れなくなってしまいました(苦笑)。
となるとキノコも家庭的なものを想像してしまうのですけど、そういう意味ではちょっとキノコの香りが上品すぎた気がします。
あえてキノコ料理を重ねて、このタイミングで出す皿としてはちょっと弱かったような印象は否めません。
半熟卵が入るとマイルドすぎるのですよね(^_^;)
ちなみに、なぜだか白身がすごく美味しく感じられました。
新秋刀魚のインボルティーニ パプリカのピュレ オレガノ。
お店の定番長い魚を巻いたもの(笑)。
前2回はカマスでしたが、今回は大好物秋刀魚でございます。
まるで揚げ物のようにサクサクパリパリに焼き上げられた表面に、中は脂でじっとり濃厚。
巻いてあることで中に脂が残るのですよね。
今年は本当に塩焼き以外の秋刀魚当たり年だなあ♪
3枚に卸して巻いて焼いて、手間がかかりそうな調理ですが、その手間で美味しい1品です。
ちょっと甘めのパプリカのソースも秋刀魚の野趣ある脂によく合います。
秋刀魚と合わせる甘めのソースというとバルサミコのイメージはありましたが、このクリーミーなものもよかったですねえ。
チコリの1時間ローストとゴルゴンゾーラ・ピカンテ。
これをいただきたかったのでディナーのコースでお願いしたのですよ♪
ねぎ系の甘みは意外に少しだけで、苦味を中心に他エグみ、酸味など様々な味が掴みどころのない不思議な味を作り上げています。
オリーブオイルも「味」として機能していそう。
ゴルゴンゾーラが入るとさらに複雑に・・・!なるかと思いきや、これが驚いたことに補助線となって味がちょっと分かりやすくなります。
そんなこんなで読み解く手掛かりはいただけるですけど、もう一歩先までは進めずやっぱり不思議な味です(^^)
いただくのは2回目なので細かいところまでは分かりませんが、さすがにこの料理はいい意味でブレがありそう。
例えばオリーブオイルを変えるだけでもガラッと印象が変わりそうですよね。
これからも食べ続けていきたいです。
ポモドーロ バジルとリコッタのムース ブカティーニ。
1回目はショートパスタ、2回目は平打ちのパスタでしたが、3回目にしてオーソドックス系のパスタに当たりました。
トマト、チーズの酸味、旨み。
鉄板の組み合わせですが、イメージにあるポモドーロよりも味が重厚に感じられます。
パスタはやや芯が物足りなかった気もしますが、ここは好みの問題だと思います。
バジルとルッコラ、リコッタのムース添え。
ルッコラはあまり分かりませんでしたが、ポモドーロと相性がいいどころか呼応し合っているかのように食い気味で美味しいです。
リコッタも違和感なく味を発揮しています。
それぞれで美味しいので混ぜるのは躊躇いますが、間違いなく美味しかったです。
オーストラリア産 仔羊肩肉のロースト カリフラワー クミン風味。
カレーの香りを纏って登場、カレー粉かと思ったくらいですがクミンだそうです。
カレーの香り。
紅白のコントラスト。
クリーミーなソース。
肉汁。
ロゼ色。
感覚を刺激する要素に溢れています。
見事としか言いようのない火入れ。
何の違和感もなくスーッと入ってくる美味さです。
ジュジュジュジューっと肉汁が溢れます。
こぼれた肉汁はカリフラワーのソースでかき集めて余さず堪能。
ディナーのコースは食後のドリンクやデザートは付かないのでこれで終了。
いやいやいや、やっぱり最っっ高ですねここ。
この日は前日にあった不運のお話なんかも伺いましたが、ご主人のお人柄の良いことといったらもう!
ファンにならずにいられません。
この日はこの後美容室へ行ったのですけど、美容師さんにこのお店の魅力を語り始めたらいくら挙げても足らず、留まるところを知りませんでした。
もう11月のコースが始まっていますが、また今月も伺えたらいいなあ。