9月25日(日)、9月のil tramにこちらの方をお誘いしてやってまいりました。
いつもはランチタイムにディナーコースを注文していますが、今月の肉料理は10人前からでないと調理できないそうでお願いできず。
お肉大好きっこのSさんには申し訳ないことをしました・・・。
とはいえ昼にいらっしゃるのは初めてというSさん、何かと新鮮だったようです。
聞くところによるとカウンターも初めてなのだとか。
夜のムーディーな雰囲気も素敵ですが、カウンターや壁、小物の質感までくっきり見える昼トラムもまた別物の魅力があるのですよ。
特に写真をキレイに撮りたい方には明るいランチタイムがおすすめです。
カウンターだと、慣れるとおしゃべり好きになるシェフとも会話できる楽しみもあります。
まずはお店のこれからの時期の定番、様々な茸のブロード コラトゥーラ すだち。
最初「6種類の茸を使っています」と説明がありましたが、後から「数え直したら7種類ありました」と訂正が入りました。
結び目を解くと、フィルムを開くが先か香りが広がるが先か。
温かいものは温かいうちにいただきたいという気持ちもありますが、しばらくはこの心地よい森の香りに包まれていよう・・・
などと思いつつ湯気で曇ったカメラのレンズを拭います。
鮮やかな茶色、しかも澄んで煌めくスープ。
毎回微妙に違いは設けていらっしゃると思いますが、今回は特に「綺麗」な仕上がりに感じました。
味わいとしては椎茸が強かったのが印象的で、数種のキノコを使うときに陥りがちな「結局舞茸」な感じがありませんでした。
量のバランスによるものなのか、何か調理で気を付けているのか。
すだちを搾ると、安定のポン酢感。
フォカッチャ。
このところ基本的にイタリア産小麦100%にしているようです。
今月は、国産が混ざっているときのモチモチした食感に近付いたような。
ブッラータチーズ バターナッツ エディブルフラワー。
今年3月に初登場して以来すっかり定番になった壺ブッラータ。
乳脂のコクと穏やかな塩気に、鮮やかな色合いと甘みの印象的なソースを合わせます。
今月はバターナッツ!鮮やか!
ソースはクミンの香りを付けてある他、胡椒なのかピリッと辛みもあったように思います。
ソース以外にもトッピングにバターナッツが使われていて、ねっとり滑らかなブッラータがメロディーならコリッとした食感がリズムを打つよう。
牡蠣の温製 ボッタルガ 海藻。
フリッター系の揚げ方をした真牡蠣だそう。
器が独特。
カラスミは自家製なのだそう。
おひとりで営業して激務をこなしながら、カラスミの仕込みまで!
薄衣ながらちょっとネチッと歯に残る食感。
中の牡蠣はレアな仕上がりでちゅるん♪
大きさや香りの強さはまだまだこれからかもしれませんが、カラスミで磯の風味を加えて牡蠣の味も際立ちます。
秋刀魚のインボルティーニ パプリカのピュレ。
今までこの料理は「ロートロ(=巻いて焼く)」という名前で出されていましたが、今回は「インボルティーニ(包んで焼く)」となっていました。
言われてみると何か巻き込んであるのかな?
オイルに乗った秋刀魚の脂は、薄まるというよりはちょっとマイルドになってほどよい感じ。
パプリカの甘いソースがよく合っているのも意外性がありました。
ピチ・アリアータ。
今月の手打ちパスタはピーチ、一本一本手で延ばして麺にする手延べパスタです。
ただでさえ手間のかかる手打ちパスタの中でも特に手間のかかるパスタで、さらに通常よりやや細めに延ばしたということで輪をかけて手間がかかったことと思われます。
ソースはアリアータ、ニンニクとトマトのシンプルなソースです。
見た目にも鮮やかなトマトは、フルーティーな甘さだけでなくちょっと青っぽさも含んだフレッシュ感の残った仕上がり。
コシのある麺との絡みも抜群、またこの麺噛むたび小麦の味が出るので口に入れた後も一瞬たりとも気が抜けません。
舌の上でしっとり融けゆくペコリーノロマーノも絶品。
ピスタチオのジェラート。
以前パスタソースに使ったピスタチオの残った分で作ったジェラートを出したことがあるそうですが、僕は多分今回初めていただきました。
細かい粒感というか粉感というか、舌の上にザラッときます。
そして「ナッツの女王」とも呼ばれるピスタチオの上品な香りが優しくミルキーに広がります。
ドリンクは紅茶を。
珍しく食べ物の話以外にも流行りの映画の話などで盛り上がりつつ、まったり過ごさせていただきました。
Sさん!ありがとうございました!・・・とはならずに、2人でふらふら次のお店のエリアへ移動します。