lockandgo65

美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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清澄白河の「il tram」で11月のコース。

今月はこの方とイルトラムさんへ。

最近は毎月違う方をお誘いして1対1でみっちりお話するのを楽しみにしているので、
普段一緒にいない方をお誘いしたりしていますが、
今月はよくご一緒するSさん。

なぜなら、豚だから!
メインが、豚だから!
メインが、マンガリッツァ豚だから!


お店の前で意外な方にお会いしたので一瞬豚から頭が離れましたが、
着席したら臨戦態勢でシェフにご挨拶。

「よろしくお願いしゃっす!豚だからこの人連れてきました!」
「よろしくお願いしゃっす!」
2人で鼻息フンフン言わせます。


フォカッチャがセットされて、いざスタート!
今回はお聞きしませんでしたが、イタリア小麦粉100%かな?


マッシュルームのズッパ 半熟卵 ペコリーノロマーノ
お店の定番のひとつですね。


クリーミーな中にザラッとした舌触り。
低いトーンで伸びのあるマッシュルームの香りにトリュフオイルで重層的なハーモニー。


塩気の強いペコリーノとまったりとした半熟卵は互いにバランスを取りながら、
個性を散らした主張を繰り広げます。

一皿目から大満足!


今月の「壺」は・・・


黄色!

ブッラータ 人参と胡桃のピュレ ディル。
花びらはパンジー。


人参のほんのりした甘み、ちょっと青みのある香り。
胡桃はちょっと脂肪ッ気とちょっと粒感で変化を付けます。

ブッラータはいつもより塩気と酸味を感じるイメージ。
シェフに確認したところ「いつものブッラータ」だそうでしたので、
他の素材との組み合わせで印象が変わって感じられたのだと思います。


真鯛のヴァポーレ リーキ 大黒しめじ ニョッキ。
定番のセロファン包み。

リーキというのは「西洋ネギのこと」だそうで、
「ポロ葱とも違うんですか?」
と確認したところ、
「ポロ葱のことですが、かっこいいので今回は"リーキ"にしました」
とのこと(笑)。


キク、セルフィーユ、コリアンダーイタリアンパセリ、チャイブ。
こちらは2人分。

草食系担当の僕が多めにいただいたのは、後半への伏線。


開く瞬間=香る瞬間を自分で決められるのは大きなメリット。
肺の中にある空気を全部出すように深く息を吐いて・・・

オープン!はいっ吸うっ!


ス~~~~~~~~~~ッ

いい香り!そしていい色。
淡く優しいクリーム色ですが、これが「ネギ」の色だと思うと鮮やかな黄色にも思えてきます。


リーキは甘さがなく、旨みと香りが濃厚。
真鯛の旨みも合わせて、"カッコイイ"味に。

大黒しめじも、クセのない風味でとても美味しかったです。


スペシャリテ、チコリの1時間ロースト ゴルゴンゾーラピカンテを添えて。

今月はやや小振りながら丸っと太ったベルギーのチコリです。


ナイフでカットするときほとんど崩れない、身のしっかりしたチコリでしたね

焼き目のところが苦くて甘い、キュンとくる味。


ポルチーニを詰めたトルテッリとそのブロード 柚子 タイム風味。
今月はコース全体にキノコが散りばめられているようです。

お皿が出た瞬間、柚子の香り。


葛でとろみを加えたブロード。
キノコだけでもある程度とろみは付きそうですが、酸味やクセが立ってしまいそうなところ、少し味をやわらかくしているのかもしれません。


ラビオリくらいのを想像していたら、結構大きなパスタでしたね。
頑張れば一口でいけないことはないと思いますが、無理せずカットしていただきたいサイズ。

ムッチムチにコシがあって、キノコに負けじと小麦粉も香ります。


何のカクテルが出てきたのかと思いきや、次のパスタに使う桜海老の出汁なのだとか。

2層に分かれていますが1種類の液体だそうで、濾していないので分離してしまうのだとか。

液体なのに焼きの香ばしさ、不思議な感覚。


桜海老 ブロッコリー ボッタルガ キタッラ。

桜海老推しで来るものと思いきや、ブロッコリーベースでこれまた意表を突かれました。


ひとくち口に入れると、ブロッコリーの香りが想像以上に濃厚。
そこからボッタルガの塩気と磯気、なだらかに桜海老の香りに広がっていきます。

キタッラは卵麺だという認識でしたがこちらは小麦粉麺だったので勘違いかなと思っていたら、
「今回は和風なイメージで卵なしにしました」とのこと。

トルテッリもコシがあって小麦粉の香りを強く感じましたが、キタッラはそれを遥か量がする濃度、パンチでした。


素晴らしかったです。


ついにメインが登場!

シェフから「さすがにこの量を2人では食べ切れないですよね?」と確認されたので、
「食べられますよね?」とSさんにお尋ねすると、
「1人でも食べられます」とのこと(笑)。

「65さんは軽めにしますか?」と気を遣っていただいたので、
そのようにお願いしました。


マンガリッツァ豚と柿のロースト ヴィンコット ワイルドハーブ。
その結果どのくらい軽めになったかはこちらと比較してご確認ください(笑)。

シェフも「足りなかったらお隣から分けてもらってください」と声をかけてくださったのですけど、
僕が半分ちょっと食べたところでチラッと見たら、もうなくなっていました( ̄▽ ̄)


バチッと跳ね返す弾力。
そこかしこに溢れる脂。

「出汁が濃いから薄味で十分な椀物」のそれのように旨みのボリューム超ド級なのですけど、
その上に脂の甘み、さらに塩して引き出すまた甘み。


本来イチジクのところでしたが、今回は柿のグリルを添えて。
焼き芋のようなデンプン質とキャラメリゼの甘みが出るのがちょっと面白かったですが、
柿らしい甘みや香りは薄れていて、これはそれほど惹かれなかったかな。

マンガリッツァ豚が美味しすぎて、
もう塩胡椒だけして焼いて「余計なものなど要らないよね?」と聞いてくだされば、
YES!とSAYしてしまいそうな、覚醒目の覚める抜群の美味しさでした。

食後はゆったりお話させていただきご迷惑だったかもしれませんが、
大変充実した時間を過ごすことができました。

シェフ!Sさん!どうもありがとうございました!

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