lockandgo65

美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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代官山の「イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ」と心に静かに力を持ってしみ込むショコラ。

先日職場で話題に挙がって、頭から離れなくなったので代官山の「イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ」さんへ。
 
時期が時期なので女性客やカップルで溢れているかとも思いましたが、
こちらはそういう雰囲気でもなくお客さんで賑わっていらっしゃいました。
 
店内でもイートインできますが、窮屈そうな席しか空いていなかったので思い切ってテラス席へ。
 
この日は日中だいぶ気温が上がったのに加え、"すごい寒さに耐えられる服装"をしていたので、
ここに来るまでに全身から蒸気が上がるほど温まっていたのですよ。
 
心に静かに力を持ってしみ込むショコラ(620円)。
バレンタイン前ということで、ショーケースの中はややショコラ寄りなラインナップだったように思います。
 
その中でも特に"ショコラショコラした"お菓子を選びました。
 
ビスキュイショコラにガナッシュ、さらにガナッシュアグラッセをかけてある、
ショコラonショコラonショコラで言ってみれば「そこら中ショコラ」な1品。
 
こうして見るとザッハトルテにも似ていますが、ザッハトルテはそれとして別に用意されているので、
こちらは全く別の発想から結局ここにたどり着いたものなのかもしれません。
 
ビスキュイショコラは想像以上に水分が抜けてグググと詰まった生地で、口の中に馴染むまでに少し時間がかかりますが、
それを計ったかのように並行してガナッシュが口内の温度でなめらかなクリーム状に変化していきます。
 
『心に静かに力を持ってしみ込むショコラ』。
そこまで丁寧に説明されてしまうと、映画化のキャスティングを知ってから原作を読むときのようにちょっと想像力が限定されてしまう感もありますよね。
 
まあこちらのシェフは強い信念と、揺るぎない哲学をお持ちの方ですから、確固たる"表現対象"があって、
何か概念的な主題の付いた抽象画を読み解くような、鑑賞者の力が試されているような、そんな感覚で味わうのに近いかもしれません。
 
緻密に計算された構成、確かな技術、丁寧な仕事、全ての詰まったお菓子だったと思います。
 
ここから蛇足。
 
普段あまり好んでショコラのお菓子は選ばないのですけど、
個人的にこの半月ほどクーベルチュールのショコラを食べ比べ続ける生活をしていたので、
その〆というか、集大成的にお菓子の形になったものをいただいておきたかったのですよ。

 

幸運にもパリから買ってきたクーベルチュールチョコレートを分けていただいたので、

日本で販売されている同じパッケージのものも含め、全部で5種を食べ比べてみました。

パリからのが1.5kg、全部で2kgちょっとだったのでなかなかの経験になりましたが( ̄▽ ̄)

 

あまり話を広げすぎずに、パリと日本とそれぞれで購入した同じパッケージのショコラを食べ比べた感想に絞って書きますと、

 

日本のは風味が抜けている

 

感じがするのですよね。

ショコラの形にしてからの保存期間、保存状態もあるかもしれませんし、輸入食品を扱う本職の方に伺うと、

「使っているカカオが"同じもの"ったって、大量生産ならピンキリだから(フランスで)国内用と輸出用と作るなら、質の良いカカオは国内用に回すだろうな」

なんていう意見も聞かれたので、もともとからして差が付いているのかもしれません。

 

とはいえ、個人的に国内でも美味しいショコラや、ショコラを使ったお菓子はあると感じていますし、

それはショコラの個体差なのか、職人の腕によるものなのかまだ分かりませんが、

これからも興味深く味わっていきたいと思います。

 

あくまでも食べてみての個人の感想ですので、

「バレンタインの翌日に感じ悪い話しやがって、こいつチョコもらえなかった腹いせだな?」

くらいの気持ちで聞き流してください(笑)。 

 

とにかくこの楽しい勉強機会を与えてくださったAさんに大大感謝です。

ありがとうございました!

またお会いしたときにゆっくりお話できるのを楽しみにしています!

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