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美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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五反田の「ビストロ メランジェ」で加藤シェフスペシャル2017。

この日は五反田のビストロメランジェさんへ。
 
毎年この時期恒例の「加藤シェフフェア」が開催されるということで、
盛り上がれそうな皆さんをお誘いして早めに予約してあったのですよ。
「加藤シェフフェア」の説明は去年の記事で↓
コース内容はシェフの走り書きメモ書き手書きで用意されていたので、原文表記ままで記載してまいります。
 
加藤家みんな大好き小龍包をトリュフ香りで。
お家でも家族で生地から手作りされるのだとか。
 
この日は中華料理出身のスタッフがいたそうで、シェフが逆に勉強させてもらったとおっしゃっていました(笑)。
 
小籠包というと"針生姜"が乗っているイメージがあるので、メニュー名を見たとき、
「生姜の代わりにトリュフを乗せているのかな?」
と想像しましたが、肉餡にトリュフオイルを仕込んだのだそう。
 
他の方が食べ始めた瞬間にものすごいトリュフが香ってきてびっくりしました。
 
僕も慌てていただきます!
 
生姜はちょっと食感の残るカットで肉餡に入っていましたが、トリュフと生姜はケンカ気味な印象も。
 
とはいえアミューズに持って来いのユーモアと、印象抜群の風味。
俄然テンションが上がってきます。
 
パンはご近所にあるパンオフゥさんのもの。
コーンブレッド、バゲット、ゴマパンといった感じの3種。
 
ちょっと珍しいコーンブレッドが、甘みがあってよかったと思います。
 
ホタテのマリネと温かい蕪のオリーブ煮。
 
メイン食材はホタテと蕪で白が基調なところへ、鮮やかなお野菜で飾り付け。
 
イクラも隠れていましたね。
 
メリハリのある色味を残した火入れの野菜は歯ごたえよく、甘みがくっきり。
ホタテの甘みもしっかり。
 
蕪は"オリーブ煮"と説明がありましたが、オリーブオイル煮とかコンフィとかそういった感じでしょうか。
 
見た目は形がしっかりしているのですけど、「固体ではない」と言っても過言ではないくらいとろっとろでした。
蕪は意外に甘さ控えめ。
 
チキンブイヨンのジュレを絡めながらいただくと、素材がキラキラと輝きを増します。
 
トマトともち米のガレットとミノビ名物大根のスープ。
 
少しお米を入れてとろみを付けるminobi時代人気だったこちらのスープ。
大根の青みを少しだけ残した糖度の高い甘み、お米のでんぷん質をにおわせる穏やかな甘み、
そういう意味では"七草がゆ"のやさしさをイメージするといいかもしれません。
それでいてベースはキリッと塩気もあって引き締まった味わいで、やさしくてバランス抜群のスープなのですよ。
 
この日は品数の多さを考慮してひと口ポーションでの提供でしたが、加藤シェフのスープはやっぱりカップ一杯いただきたくなります。
 
トマトともち米のガレット。
 
たっぷり入ったチーズが焼けて、分かりやすく香ばしいです。
 
「リゾットを成形して焼いた感じ」だそうで、かなりイタリア寄りな一品でした。
 
もっちりカリカリとろーり。
食感も楽しいですし、何より手に持ってぬくぬくしながらいただくのがまたいいのですよね。
 
なんらかしらの魚ポワレ(魚屋おすすめ)春菊ノワゼットソース ゆずコショウアクセント。
 
この日の魚は平目でした。
 
minobi時代を思い出すパリンパリン皮目をエイヤッと割って、ふっくら白身をほぐすようにカット。
 
強めにしてある塩が、力強く魚の香りを引き締めて引き出して。
塩を"自分の腕"のように操って、味をコントロールした調理なのですよねえ。
 
春菊のソースは"ゆずコショウアクセント"と書いてあったのですけど、
フルーティーな酸味があって何なのかな?と思ったところ、写真でもうっすら見えるかもしれませんが、
柚子皮とか柚子果汁が入っていそうですね。
 
"柚子と胡椒がアクセント"という意味だったのでしょうか。
 
春菊の香りも強めに出ていて印象的。
お鍋で春菊とタラを合わせたときを思い出す相性の良さ。
思い当たるところがある味、という安心感を生むニュアンスというのも、料理の組み合わせを考えるうえで大事だそうですね。
 
メインはもち豚熟成塩豚のロースト リンゴカレーソース、牛ホホのパイ包み 赤ワインソース、のWパンチで。
 
シェフのスペシャリテともいうべき2品が盛り合わせで登場しました。
 
やわらかい、でもゆるくない肉質。
甘い脂に旨い身。
そんな豚肉のツボを押さえたブランド豚"もち豚"を、塩漬けにして熟成、さらに燻製とひと手間ふた手間・・・
と手のかかった1品。
 
多くの仕事をしてあるものの、ストレスの感じられない活き活きとした弾力とキレのある味わい。
 
リンゴカレーソースは、リンゴが一瞬香ったかと思うとすぐさまそれを拭い去るような強烈なカレーの香り。
カレーの隠し味でリンゴのすりおろしを入れても、リンゴそのものの香りはあまり分からない力関係から考えれば、リンゴが健闘していたと言えるかもしれません。
 
カレーは強めですが、燻製香や肉の味わいはかき消さない礼儀正しさ。
 
赤くピッと引いてあるソースは、アリッサというアフリカの辛味調味料。
ちょっぴりと付けて、ちょっとぴりっとアクセントに。
 
牛ホホのパイ包み。
Wパンチ2発目は、シェフのスペシャリテ"牛ホホ煮込み"をパイ包みにしたというちょっとフック気味とも言うべき1発。
 
小振りでかわいいです。
 
濃厚にとろける食感を生むゼラチン質が豊かな牛ホホ。
パイという、バターと小麦粉のねっとりリッチな鎧をまとい、赤ワインのソースで絢爛に飾ります。
 
マスカルポーネとイチゴのクープ あればタイム風。
 
季節のイチゴを使ったパフェスタイルのデザートが登場。
 
やや酸味も感じるイチゴ、香りはまずまず。
 
ちょっと意外なトマトのジュレとの組み合わせ。
トマトっぽさをそれほど感じさせず、イチゴの味わいを膨らませる面白い演出でした。
 
"あれば タイム風"とのことでしたが・・・
 
"あった"そうで(笑)。
 
ちょっと見えにくいですが、メレンゲの間に挟まれているのが飴掛けのタイムでした。
 
底にはマスカルポーネのムース。
 
イチゴとは鉄板の組み合わせですね。
 
食後のドリンクはハーブティーを。
最近は選べるときはハーブティーをお願いすることが多いですねえ。
 
特別理由はないのですけど、コーヒーや紅茶は家で飲むのですけど、ハーブティーは常備していないので、
せっかくなら、という気持ちになるのですよ。
 
メニューにはもうひとつデザートが書かれていたのですけど、まあもうドリンクも出ましたし、お茶菓子も出ましたし。
 
変更があったのでしょうね、としばし歓談。
 
なにがくるのかわからない お茶菓子 多め。
 
福豆の入ったココアクッキー、マドレーヌ、クッキー。
 
チョコレートボンボンにギモーブ。
 
どれもかわいらしいひと口サイズで、弾むお話の合間合間にあっという間に食べ終わった・・・ところへ・・・
 
とどめのデザートがドン!メニュー間違いじゃなかった!
 
そしてメニュー名は「一口サイズのシューモンブラン アプリコット パッション」。
全然一口サイズではありません!
 
トップのシュー生地で、まず中のモンブランクリームとパッションフルーツのアイスをすくっていただきます。
 
バターっ気の舌に残るシュー生地がいい味です。
 
というわけで、1品ずつはボリューム調整されているものの、全体的には超ド級のボリュームコースランチとなりました。
 
何でも、今回がシェフのスペシャルコースはラストだったそう。
"~と~"のようなメニューが多くて、シェフの「あれもこれも食べてほしい・・・!」という思いが伝わってくるようなメニュー構成でした。
 
これだけ色々いただけてもちろん大満足でしたし、やっぱりフルボリュームでいただきたくなるような、随所に光り輝きさんざめくお料理の数々でした。
スタートから小籠包、七草がゆ、リゾット・・・と世界を股にかけたようなラインナップで、
制限を付けずにアイディア満載で"美味しいもの"にこだわっていたような方向性だったと思います。
 
今後のシェフのご活躍がますます楽しみになりました!
ごちそうさまでした!またシェフのお料理をいただける日を、今か今かと楽しみの待っています!

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