お昼は清澄白河のil tramさんへ。
前月は夜の訪問だったので"ヒルトラム"は2か月ぶり。
少し曇ってはいましたが、それでも段違いにお昼は明るいですね。
今月もよろしくお願いします!
近況報告などしつつ…
まずはフォカッチャ。
今月は食感に弾力が出て、味わいも角が取れた感じがしたので、伺ってみたら「久々に国産の小麦も混ぜてみた」のだそう。
少し国産が入った方が単体でも「食べやすい」フォカッチャになる気がしますね。
トマト・梅・大根の冷たいスープ。
前月に引き続き、の夏メニュー。
トマトと梅干し、大根の酸味や甘みをまといながら、それぞれの旨みがグッと主張する味わい。
トマトのソルベは不自然なほどに強い自然の甘み。
全体の印象としては甘みの強いスープになっていますが、それでも感覚としては「とにかくさわやか」。
ブッラータ 枝豆 ヘーゼルナッツ。
冗談か本当か分かりませんがシェフ曰く「ずんだ餅を意識」したそう。
本当にずんだ餅っぽく見えます。
粗ごしの枝豆もポイントかもしれませんね。
ただ、そのイメージに反してソースは塩気が強め。
反動でいつものブッラータがはっきりと甘く感じられました。
鰯のロートロ パプリカ オレガノ。
前月のカマスに続いて、今月の「グルグル」は鰯。
味の旬としてはもう後半に入っていると思われる鰯、夕方の海に沈みゆく太陽を思わせるパプリカのソースに浮かんで見える焼き色。
と思いきや、ぶっくり肥えて脂がギラギラ。
太陽はまだ燦燦と、ギラギラと照り付けているようです。
油で煎ったパン粉などを巻き込んでコクを加えるパターンもありますが、今月は何も加える必要はなし。
鰯がシンプルにブイブイいわした1皿でした。
チコリの1時間ロースト ゴルゴンゾーラ・ピカンテ。
定番のチコリ、今月はベルギー産。
「定番」とはいっても、シェフはあえて微調整をしないことで素材の違いを堪能させるという趣向。
今回はかなり水分の多いチコリだったよう。
酸味というか、アクっぽいというか、エグみのような要素が目立っている印象。
ゴルゴンゾーラと合わせると結構やんちゃな印象になりました。
豚肉と胡桃を詰めたラビオリ カボチャ クミン。
大判のラビオリが3枚、バターナッツのソースの陽気な色と、目の前に置かれただけではっきり感じるクミンの香りが印象的。
バターナッツは甘さのよく出たもの。
かぼちゃは「夏野菜」といっても熟成された(?)冬場の方が甘いイメージもありましたが、こちらは2度見してしまう甘みの深さでした。
もちろん、香りやコクもしっかりあるのでキンキンした甘さではありません。
ラビオリの中に豚肉とくるみ。
くるみ独特の香りにしっかり主張が感じられます。
もっちんと弾力のあるラビオリにコリッとくるみ、食感にも楽しさ。
ピチ・アリオーネ。
今月は豪華にパスタ2種でした。
アリオーネという名前からニンニク(=アーリオ)の効いたパスタだと予想はつきましたが、基本的にはトマトソースのようですね。
ピチは塩と小麦粉、水で仕込む太麺パスタで、うどんに例えられることが多いもの。
麺からストレートに小麦粉の味を感じることができて、強いソースとのバランスもばっちり。
シェフはイタリアへ行ったことすらないそうですが、こういうゴリゴリ系をいただくと現地で食べるパスタを彷彿とさせます。
鴨胸肉のロースト トウモロコシ サマートリュフ。
サマートリュフにトウモロコシ、夏らしさ漂わす1皿ですね。
"夏らしさ"という意味では、今月のコースはヘーゼル"ナッツ"にウォール"ナッツ"にバター"ナッツ"と、端々に"夏"が隠されていたのカモ。
赤身らしいグリグリとした強い歯応えのようでいて、噛んで緩んでくるときめ細かさが舌に馴れる食感。
味わいとしては鶏レバーのような濃厚な旨み。
トウモロコシはソースと粒とダブル使い。
お肉の旨みが強すぎてやや押され気味ですが、トウモロコシは香りが印象的。
サマートリュフと合わせて、素朴な乾いた香りが鴨に合っていて面白かったです。
脂身は厚め、ブリッと食感、濃い味。
というわけで、今月も美味しく楽しい時間を過ごすことができました。
お料理では特に鰯とピチが印象に残りましたね。
また来月も、新たなメニューを楽しみにしつつ、ご一緒していただける方をいち早くみつけたいと思います。