lockandgo65

美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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表参道の「ラチュレ」で本州鹿のロースト、真鴨のテリーヌ、平目・筍・アーモンド・小松菜、ふきのとうのデセール、アナグマのリエット、蟹のタルト他。

お昼は2度目の訪問となる表参道のラチュレさん。
 
ジビエ時期にもう一度、という気持ちがあったのと、こちらのデセールの評判をあちこちで見たり聞いたり、気になってしまったのですよ。
前回と同じカウンター席、サービスの方がおひとり増えていましたかね。
 
サービスのおふたりと、シェフが気さくに話しかけてくださいます。
 
「小鳥の尻尾がバターナイフになっています」
シェフ自らジビエを狩猟されるお店とあって、動物感を出してきますね。
 
「前回とお料理変えちゃう感じでいいですか?」と確認していただけたので、そのようにお願いしました。
定番メニューも大変魅力的だったので迷うところではあったのですけどね。
 
カニのタルト。
タルトの中にアイヨリ系のソースで和えたカニのほぐし身。
 
一口でパクッと口に入れると、タルト生地は何やら海老せんのような香ばしさだったのですけど、組み合わせの妙でしょうか?
 
アミューズ2品目はこんな豪快なプレゼン。
 
アナグマを使ったリエットなのだそう。
 
ライスチップスに乗せて。
 
「こちらも一口で」と説明を聞きながら、アナグマって…確か第二次大戦のドイツの暗号機……ってそれはエニグマ…と考えていると、
 
「こちらがアナグマです!」
とのこと。
 
こ、こんにちは。
 
「どうぞ!」
 
……。
 
あ、いいですねえ。
甘さという面では随分すっきりしていますが、旨みが強くあって。
よくほぐれた繊維質は、一筋一筋に力強さを感じます。
 
食べ終わったところでアナグマも下げていただきましたが、何かの儀式のようでした。

生命に感謝です。
 
このタイミングでパン。

これはフランスの冷凍生地を輸入してお店で焼成したものかな?
 
フレンチに出入りするようになった当初の頃のお店がこんな感じだったので、結構好きなのですよね。
 
こちらは「シカブシ」とのこと。
鹿肉を干したものだそうです。

促されて恐る恐る手に取ってみたのですけど、驚くほどに軽かったです。
 
続いての前菜は、平目、筍、アーモンド、小松菜、鹿節。
 
外側を覆っているのは、こちらもお店で干したというドライ小松菜。
小松菜は中にフレッシュのものも入っています。
 
これ、お飾りかというととんでもない話で、ドライの方は口に入れてから水分を含んで味が出るまで時間差があるのですよ。
さらにドライの方がやや苦みに寄ったバランスになっているので、口の中で魔法のような変化が起きます。
 
ネットリした平目と、アーモンド・筍のコントラスト。
そして、アーモンド、筍の歯応えのグラデーション。
 
小松菜と鹿節の感じは、「おひたしに鰹節」みたいなイメージだったように思います。
旨み、香り、食感、どれも素晴らしい1皿でした。
 
真鴨のテリーヌ。
今年のラスト真鴨だそう。
しっかり熟成をかけてあるそうで「しっとり仕上がっていると思います」とのこと。
 
ほとばしる旨み旨み旨み!香り香り!
フォアグラも、ただ「マイルドにする」程度の添え物ではなく、しっかり香りを放っています。
 
ピスタチオの香りも強く立って感じられました。
 
プルーン、金柑、山芋のピクルス。
 
このテリーヌはとんでもなく美味しかったです。
珍しく「ひとりで来たこと」を憂えるほど、誰かとこの感動を共有したくなってキョロキョロしてしまいました。
 
また来年の楽しみにしましょうかね。
 
メインは鹿。
蝦夷鹿ではなく本州鹿なのだそう。
 
手前は浅葱、奥に根セロリのピューレ。
 
蝦夷鹿のじっとり融けるようなほぐれ方とは違って、より肉々しい食感だったと思います。
やわらかさ自体は近いものがありました。
 
肉の味も甘みより、より肉。
 
甘みは赤すぎるの甘酸っぱいソースで補います。
 
しっかり個性のあるジビエをいただけました。
さすがでございます。
 
さて、今回もう1つの楽しみにしていたデセール。
 
「ふきのとうのアイスです」
 
ふ、ふきのとう…?
 
冬の夜に月の光が差し込んだところに、雪から覗いた合間に芽吹くふきのとう。
 
の、ような。
 
アイス、シャーベット、クリームと3種ふきのとうなのかな?
大変失礼ながら説明をよく聞けていなかったですけど、"冷たいもの"は香りがよく分からず、クリームを食べたときだけふきのとうが香ったように感じました。
 
柑橘は苦みと酸味、ソースは甘みも。
 
ちらちらとしか写っていませんが、アーモンドの生地も合間合間の口直しに良かったです。
 
食後は紅茶を。
 
やさしい味わいの和紅茶。
 
ミニャルディーズはフィナンシェ。
 
今回はヒグマの脂を使用。
1食で2種の"クマ"をいただく日が来るとは…。
 
想像していたより甘さを控えてあって、ガッツリ脂の旨みを前面に出した仕上がり。
 
今回はメインとデセール目当てで来ましたが、なぜか逆にアミューズ・前菜に持っていかれてしましました。
真鴨のテリーヌはまたそれだけ目当てに再訪したくなるほどの絶っっ品でした。
 
スペシャリテの鹿の血のマカロンや、パテアンクルートも捨てがたいのですけど、それらを避けた今回もお料理も素晴らしかったです。
次回は大いに迷って伺おうと思います!
ごちそうさまでした!

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