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美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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清澄白河の「il tram」で4月のコース(マグレ鴨のロースト、ピチアリオーネ、アスパラのロースト、新ゴボウのズッパ他)。

さて、ランチは月に1度の清澄白河「il tram」さんへ。
 
思い付きの行動で練馬まで行ってしまったものですからどうなるものかと思いましたが、無事に間に合っていつもと同じ席へ。
 
お酒を嗜めない人種としては何とかしてお店に貢献したい一心でガス入りのミネラルウォーターを注文したりするわけですが、この日は「ガスなし」でお願いしてみたところ、
 
「ガスなしだったら、普通にお出しする水とそんなに変わらないから注文なしで大丈夫ですよ」
 
とのこと。
何でも通常のお水もハワイのアレなのだそうで…
 
「なめないでください!僕はあくまでもアクアパンナが飲みたいんです!」
「アクマデモ!アクアパンナ!」
と譲らず粘りのミネラルウォーター注文"(-""-)"
 
「小麦粉を、こねて、焼いてあります」
 
とのこと。
 
新ごぼうのズッパ。
 
シェフは鮮やかな色合い使いもお上手ですけど、こういう土っぽいお色も下品でなくコースの中に配されますよね。
 
ミルクの泡と新玉ねぎのフライ。
 
甘みとかコクとか、食べやすい味にまとめてくれます。
 
「もうひとつ、あるものを入れていますが分かりますか?」
とクイズっぽく問われて、デンプン質を感じたので「ジャガイモかな?」と思ってのですが、なんと「お米です」とのこと。
 
どうしてもごぼうだけだと繊維質ばってしまうところを滑らかにしてくれるのだとか。
 
「今日は白米ですけど、玄米を入れたら香ばしさが出るんですよ」
「おめでたい席ならお赤飯を入れたりですかね!」
「そうですね!…ていうかおめでたい席ならお赤飯を出しますね!」
 
定番のブッラータ、今月は空豆のソース。
 
爽やかにフレッシュなレモンが香ったのでてっきり果汁も搾ってあるかと思ったのですが、伺うと「皮をおろしただけ」なのだそう。
 
レモンの皮、侮れませんね。
 
お菓子なんかで火の入ったものをいただく機会はありますが、こういう使い方もまた方向性の違う魅力があるのですねえ。
 
佐賀県産のアスパラ。
 
前月より大分太さが増して、香ばしさも芯に太さが出た感じ。
貫録があります。
 
ペコリーノロマーノとボッタルガ、温玉。
 
温玉を割って適度に混ぜて、簡易カルボナーラ状のソースにしてアスパラに絡めていただきます、と書いているだけでお腹がなりそうな「間違いのない」組み合わせ。
 
これ、シンプルなんですけど…至高なんですよね。
 
毎年この時期は産地が北上しながら数カ月続くメニューですが、数カ月で終わってしまうのでそろそろ月を追うのが不安になってまいります。
 
スペシャリテのチコリの1時間ロースト。
 
今月は年輪の上で、たった1時間、されど1時間の深みを感じながらいただきます。
 
ベルギー産の、ちびっこくて丸っこい、みずみずしいチコリでした。
 
最近葉がしっかりしていて、ナイフが綺麗に入るのですがモノによるところなのか、火入れによるところのなのか分かりかねています。
 
鮮魚のフィルム蒸し。
今月のお魚は真鯛、ソースはカリフラワー。
 
定番の、ジャガイモのニョッキ、大黒しめじといただきます。
 
カリフラワーのソースはクリーミーでとろり濃厚。
独特の香りと甘みがいいですねえ。
 
そのままでも美味しいので忘れがちなハーブ、今月は忘れないうちにごそっといってみました。
 
熱々のソースで少しクタるところがまたいいのですよねえ。
苦みがちょっと丸くなります。
 
パスタはアリオーネ・ピチ。
シェフはイタリアンに執着心のようなものはあまりないそうで、以前は「トマトソースはやらない」「にんにくは使わない」(要約)とおっしゃっていたと思いますが、両方ガッツリ使って登場するようになったのがこのメニュー。
 
パスタはピチ、通称「うどん」。
イタリアンのド定番の組み合わせなのですが、シェフが作るとイタリアンチックではなくなるというか、何でしょうね。
 
トマト凝縮した旨みと甘みの一部になって、にんにくは香りの中の軽やかなところをデフォルメしたような上品な効かせ方。
 
素晴らしいですね。
 
メインはマグレ鴨、フォアグラを取り出した鴨のことですね。
 
フランス産だったかと思いますが、正確なところは失念してしまいました。
 
「1人前はここから、ここまでくらい」
と説明を受けていたのです…
 
全然、話と違うカットではありませんか!(笑)
 
むしろ見慣れない切り出し方で興味深いですねえ。
 
わさびを漬け込んだというオリーブオイルと、花山椒。
 
オリーブオイルの説明をしながらシェフがせきこんでしまい、
「味見しましたが、結構辛いです」
とおっしゃっていて説得力がありました。
 
鴨にしてはブリッとして弾力の強い身と、何といってもこの皮目!
 
皮目を強調しているように見せかけて、写真を撮る前にナイフとフォークを突き立ててしまったのを隠すアングルであることはここだけの話ですが、皮目!
 
皮目と皮目下の分厚い脂が素晴らしかったことは嘘偽りない心よりの感想でございます。
 
というわけで、今月は何とも味のある品々でした。
段々と暖かくなるにつれ、変化のあるメニューを楽しみにしたいと思います。
ごちそう様でした!

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