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美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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新富町の「鮨はしもと」でおまかせコース16。

夜はお誘いいただいて、新富町の「鮨はしもと」さんへ。

 

昨年の11月以来なので、ほぼ半年ぶりになってしまいました。

 

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春も過ぎ行くこの頃は、淡い緑も若葉より新緑と映るあざやかな暖簾。

 

2014年秋のオープンでしたので、5度目の春ということになります。

 

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とはいえカウンターは未だに無垢な白木。

 

当初よりは穏やかになったものの、まだ独特の若い香りがする気がします。

 

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毎度季節を思い出させてくれる突き出しは、今回はそら豆。

旬でいうと終盤ですが、そもそもの香りに若々しさ。

しっかりめに火を入れて、青みから甘みに移った味わいです。

 

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はしもとさんでは楽しみのひとつにしているお湯呑。

 

訪問の間が空いたスキに、随分と器が増えていて、お湯呑も相当に楽しむことができました。

 

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まこがれい。

ひらめのときは「朝締め」だったかと思いますが、かれいは前日仕込み。

「その方が美味しくなるから」

とのこと。

 

ふわっと軽い口当たりに、強めのにおい。

 

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続いてアイナメとタコ。

 

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タコ。

柔らか煮か、白煮だったのかも。

 

周縁のゼラチン質がとろりとろけます。

 

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皮目を炙ったアイナメは、火が入って締まった身からも香ばしさ。

ちょっとコリッと。

 

かと思うと、ネットリ濃密な身質の身はしっかりとした脂乗り。

 

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ホタルイカ飯。

花わさび、ごま、シャリと和えて、ホタルイカを使ったイカ飯風に。

 

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ムニッと細かく刻んだホタルイカの弾力、ジャキッとさわやか花わさび、弾ける胡麻。

 

上品ではあるのですけど、どこかB級感のある美味さです。

 

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続いて初鰹は、おろし玉ねぎとうるいソースで。

 

初鰹としてはまあまあしっかり感じられる脂乗りで、酸のある香りとバランスのとれた味わい。

 

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ソースはニンニクっぽい香りにまとまって、どことなく中華風かも。

 

実は結構シンプルですが、また食べたくなるとても興味深い1品でした。

 

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茶碗蒸しは、菜の花とはまぐり。

はまぐりの出汁が、ずるいほどに良い香り。良い味。

 

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ネギを散らしてあるように見えるのが菜の花。

 

しっかり火が入って風味が淡くなっていますが、はまぐりの風味をメインにする意味でむしろよい塩梅に感じられました。

 

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黒い丸皿に、ドスの効いた肴三種。

見ているだけでお酒が進みそう。

 

ホタルイカの味噌漬けは、味噌とホタルイカのミソのせめぎ合い。

塩味と旨みに対して、ミソの甘みが立ちます。

 

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鱒子の塩漬け。

要するに鱒の卵巣で作ったカラスミということのよう。

 

ぷちぷちというより、ムチッと粘りの強い食感。

香りと旨みの境のない、力強い魚の風味が詰まっています。

 

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鮟肝は定番の甘く炊いたもの。

とろんととろけて、ほぼデザート感覚です。

 

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続いてシュッとした湯呑み。

こういう飲み口の器は個人的に、すっきりした味わいに感じる、もしくはすっきりした味わい向きな気がするのですよねえ。

 

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焼き物はのどぐろ。

皮目がパンッパンに張って、はちきれんばかりに脂が沸いているのが分かります。

 

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恐る恐る口に入れると、思わぬところの皮目が弾けて脂が溢れて、くちびるの先の方を火傷してしまいました。

脂の乗った魚あるあるですね。

 

橋本さんの焼き物は、塩気を強めにして脂をしっかり落とすイメージでしたが、今回は落としきらない脂の感じがやや好み寄りでした。

とても美味しかったです。

 

 

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ガリが出て、握りのスタート。

 

その短い間に、ポリポリとガリを食べ進めます。

 

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1貫目は橋本さん恒例の小肌から。

 

脂がほどほどな分、かえって酸のある香りがよく回っているのが分かる味わい。

酸味が尖ることなく、マイルドな小肌ですねえ。

 

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真鯛。

皮の付いた湯霜でしたが、部位的に皮目は小さめ。

 

ただ、結局皮目というのは食感として良くも悪くも主張が強くなってしまうので、純粋に身や脂の味わいを感じるのには好都合とも言えるのですよね。

ミルキーな脂がとても印象的でした。

 

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赤身。

まぐろは千葉勝浦のもの。

 

すっかり夏っぽさの出たさわやかな香り。

 

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見るからに脂の乗ったこちらは伊佐木。

噛むとジュッと脂が溢れて、とろりとした舌触り、そして強く残る旨み。

 

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三重のトリ貝。

記憶とかなり印象が違ったので伺うと、火入れを変えたそう。

より生っぽく、なまめかしく。

 

甘みはしっかり出しながら、磯の香りがさらに加わって厚みのあるテイスト。

 

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赤身とは違う個体で、塩釜の中とろ。

 

脂の甘みはありますが、軽めなので舌の脇を酸味が抜ける爽やかなまぐろ。

 

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蟹のような模様の印象的な、寸胴な湯呑み。

 

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出水の鯵。

脂が軽くて、ザクッと歯応え、青魚らしい骨ばった(?)香りも強め。

 

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中トロと同じまぐろで塩釜。

基本大とろだったようですが、僕に当たったのは剥がしの部位だったような気がします。

ちゅるとろっととけて消えました。

 

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青森の桜ます。

想像をはるかに超える脂乗り。

味わいとしてはほぼ脂という感じですが、そこへ燻製の香りを流してくどさを逃がすセンス。

 

とてもいいですね。

 

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車海老。

シャリとの間に仕込んだミソの風味に意識を集中させていただいてみましたが、いい意味でとても邪魔になる身の甘み。

 

ボリューム感も相変わらず最高すぎて困ります。

困った困った。

 

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ちょい悪なところが持てそうなお湯呑。

 

戦隊モノでいうブラックみたいな感じ。

 

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鹿島の蛤。

貝の旨みとか風味と、ツメや漬け込みの甘みのバランスが抜群ですね。

蛤で感動することってあまりなかったのですけど、これは「美味しいな!」と心から思いました。

 

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青森のムラサキウニ。

見た目は悪いけど味は極上、で有名なブランド・ダイセンのもの。 

 

今回は見た目はそれほど悪くなく、それでいて味は極上。

 

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穴子。

きしきしと身質の際立った仕上がり。

 

舌触りがザラリと出て、味も濃く感じました。

 

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コースはここまでですが、出していないネタを伺って追加分を注文します。

 

しじみのお椀は、しじみの出汁推し。

 

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浜中の青柳。

橋本さん的にはもともとあまり握りたくないネタだったそうですが、最近は出しているそう。

 

海苔を挟んで握っていたので、滑りにくくなるとかですか?と伺ったら、

「それもあるけど、ただただ味が断然よくなるんですよね」

とのこと。

 

確かに、甘みと磯の香りがいびつな感じになったりする貝ですけど、海苔の磯っぽさが輪郭をなぞるようにビシッと味が決まっていたように思います。

 

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玉子。

 

変わらない魅力はもちろん、進化した魅力も感じられて、橋本さんに魅了される夜でした。

冒頭でも書きましたが、器がグンと増えていて、一品一品出されるたびに期待感が高まるというか、ウキウキしてしまいました。

 

間を空けて訪問する楽しさを想いつつも、やはり次は間を空けずに伺いたいな!と思いながら、ごちそう様でした!

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