お昼は三ノ輪の「ビストロ・ルミエル」さんへ。
前回訪問からあまり間を空けずに再訪となりました。
田町の「minobi」、五反田の「ビストロ・メランジェ」のサービスで人気を博したKさんが、メランジェの閉店に伴って期間限定でこちらで働かれると伺ったのですよね。
Kさんとこちらのシェフとは、minobi時代の盟友。
minobiさんでフランス料理の世界に初めて触れた僕としては、願ってもない機会でしたので、あっという間に埋まってしまった予約席を何とか確保しました。
いただいたのはコンビ復活特別コースでしたので、お店の通常のメニューとは異なっています。
まずはぶどうジュース。
こうしてカウンター越しでお2人とお話するのは、まさにminobiの再現ともいうべきシチュエーション。
Kさんが僕をイジるのを、シェフがニヤニヤ見守りながらたまにフォローしてくださる関係性が当時のまんま。
あの頃の僕は大学生でしたが、「今年で30になります」と伝えたら、時が止まったように唖然とした後、大笑いされました。
新ごぼうのポタージュ。
シェフ定番の季節の野菜のポタージュからスタート。
土気を感じさせながらも、どこか"新"ごぼうらしいみずみずしさをにじませる酸味。
バターとクリームのリッチな仕上げも違和感なく馴染みます。
自家製のフォカッチャ。
Kさんが熱々に温めたものを勢いよくザッ、ザッとカットしていく背中を見ていたら、これまたminobi時代のバゲットが懐かしく思い出されました。
当時はフランスから輸入した冷凍生地をお店で焼き上げて使っていたのですけど、「あの冷凍生地なくなっちゃったんだよね~美味しかったんだけど」とのことでした。
7年くらい経っていますから、色々変わりますねえ。
クープグラッセ(揚げ茄子、帆立、甘海老、うに、胡瓜、マイクロコリアンダー)。
そんな中変わらないシェフのスペシャリテのひとつ。
緑が印象的なジュレは、なんと胡瓜。
下から揚げ茄子のムース、帆立、小海老、ウニ、そして胡瓜のジュレの上にはピリッと刺激もあるマイクロコリアンダー。
見た目のインパクトに負けない強さで胡瓜胡瓜しています。
揚げ茄子の甘さにクリームの脂質が合わさったところに、どことなく中華みを感じる気がしますね。
ウサギのテリーヌ。
シンプルなテリーヌと思いきや、ウサギ肉とのこと。
ミンチせず包丁で叩いたウサギ肉とホロホロ鶏の白レバー。
ウサギは、雑な例えをすると「お中元系」のいいハムみたいなムッチンムッチンの食感。
ねっとりクリーミーな白レバーとの食感の対比がクッキリしていて、食べていてリズム感が生まれる感じ。
印象に残る個性のあるテリーヌでした。
牛タン元のロースト、タンの赤ワイン煮。
牛タンを2種の調理法で。
赤ワイン煮はシェフのスペシャリテですが、タン元のローストというのは初めていただくかも。
ワイン色が凝縮したようなのがワイン煮。
ほっくりほぐれる繊維質という繊維質にワインが詰まっています。
こちらがタン元。
ぱっつんぱっつんにハリがありますが、
「結構サシの入った部位」
とのこと。
断面は鮮やかなピンクでジューシー。
バツッと強い弾力があるのですけど、じゅわわと脂が溢れて味わいは濃厚。
食味の振れ幅が大きな食べ応えでした。
蕎麦の香りのブランマンジェ、塩のアイス、オリーブオイル。
香ばしさが鼻に抜ける素朴な風味のブランマンジェに、キレのある塩のアイス。
そこへ、辛みに似て非なる「キューッと舌が締まる」ような味わいのオリーブオイル。
ひと口ポーションですが、鮮烈です。
いちごのロールケーキ、ヨーグルトのソルベ。
満を持して登場した〆は、minobi時代の大人気商品・ロールケーキ。
あの頃は、ローソンのロールケーキがまさに出始めた頃で、
「1番人気のデザートはロールケーキでございます!注文を受けるたびにコンビニに買いに走ります」
という冗談がウケていたのですよね。
サイズ感に多少違いはあるものの、キメの細かい生地は当時のまま。
添えられたヨーグルトのアイスも変わらずですね。
しっとりモッチリ。
弾力が存在感のある食感を主張しつつ、スッと消える。
消えるのは、スッッッと消える。
ポップで儚いロールケーキなのですよね。
久しぶりに食べたいと思っていた前回食べ逃していたので、こちらもリベンジできて大満足でした。
食後にハーブティー。
ハーブティーを出しながら「紅茶とコーヒー、ハーブティーがありますが何にしますか?」と聞いてきたり、最初の新ごぼうのスープにしたって。「グリーンピースの冷たいスープです」と言って出してきたり、 当時と変わらず終始笑かしにくるのですけど、懐かしすぎて僕はこみ上げるものがありました。
こんな食べ歩きにハマるきっかけになった大きなターニングポイントになったのが、お2人との出会いだったのですよね。
といってもまたそれぞれとお会いする機会は作れそうではあるので、今後ともまた変わらずお世話になってまいりたいと思います。
美味しく、楽しかったです!ごちそう様でした!