10月3日(木)、清澄白河の「il tram」さんで不定期イベントとなっている居酒屋営業「とらむや酒場」さんへ。
右にあるのはいつもの看板。
ドアには特別営業用のイタリア国旗カラーの暖簾がかかっています。
「イルトラム」のロゴがオシャレなのですよね。
いつものムーディーな店内に、角皿と割り箸。
初とらむや酒場だった前回からの改善点などをお聞きしつつ、メニューを見て注文を決めます。
ドリンクは炭酸水。
終わりの時間が決まっている席だったので、サクサク注文して、どんどん食べていく作戦です。
まずはポテトサラダ。
ゴロゴロ感とホクホク感をバランスよくもたせつつ、たっぷり具材が入っています。
とはいえシェフいわく「普通の、普通のポテサラです」とのこと。
「普通のポテサラにしたかったんですけど、ちょっとビビッてバルサミコ酢とピンクペッパーでオシャレにしちゃいました」
と自らの"弱さ"を恥じていらっしゃいました。
ピンクペッパーのアクセントは鮮烈ですねえ。
こちらは以前もいただいたことのあるメニュー、豚の煮こごり。
豚の頭肉のゼリー寄せ、すなわち「フロマージュ・ド・テット」と呼ばれるお料理ですね。
形作るという意味の"フロマージュ"に、頭を意味する"テット"。
紫芋のソースは、通常営業のパスタソースとしていただいたことがありますが、この組み合わせは初めてです。
ぷるぷるのコラーゲン質から、ワシワシした肉々しい部位まで、様々な食感、食味を楽しめます。
ゼリーはやや固め。
甘みと独特の香りが印象的なソース。
煮こごりとどちらがメインともつかないほど、存在感のあるペーストでした。
サンマのピリ辛煮。
「不漁」「今年は全然ダメ」とは聞くものの、旬とあって何だかんだ色んなお店で色んな出され方をしているサンマ。
モノがよくない年だからこそ、各店が創意工夫を凝らしていらっしゃったりするのですよね。
雑な言い方をすると、さんまの缶詰みたいな方向性のお料理。
唐辛子の辛さは、缶詰ではありえないビビッドさです。
ただやはり、さんま自体の脂の風味良さだったり、身の旨みだったり。
一段階も二段階も上の、上質のさんま料理でした。
メニューに書き忘れたという、ゆで卵入り豚大根。
シェフが「メニューに書き忘れたんですけど、こんなのもあります」と各テーブルで口頭の説明をするので、みなさん注文なさっていた気がします。
豚、大根、ゆで卵、どれもご覧の通り見るからに分かる味の染み。
醤油っ気がありますが、砂糖と豚の脂の甘さで角をとっています。
辛子はかなり辛いタイプ。
全体にとろみを強くさせている豚の脂や、固ゆでのゆで卵を一気にさっぱりした後味に追いやります。
鶏皮コンフィ串。
70gくらいとおっしゃっていたかと思いますが、普通の焼き鳥の1.5倍くらいのサイズがありました。
ちゃんと合羽橋で買ってきたという「かわ串」。
芸が細かいです。
厚みのあるボリュームたっぷりの鶏皮。
旨みの濃厚な脂を蓄えて、仕上げに炙った香ばしさ。
焼いて脂を落とさないところがこだわりのポイントでしょうか。
甘めの味付けで、脂が強めなので、これは確かに七味が欲しくなります。
焼き鳥1本、の感覚で注文すると返り討ちに遭う、ヘビーなメインとなりました。
〆に本気スパイスカレー。
家で趣味で作っていたスパイスカレーに自信がついてきたとのことで、試しに出すことにしたそう。
今回はラム・コリアンダーのすっぱいカレー。
クリーミーなカレーは爽やか系のスパイスが香っています。
家ではガッツリ酸味を付けるそうですが、お店では好みに合わせてもらうため別添えレモンで調整するスタイルにしていらっしゃいます。
個人的にはレモンをガンガン搾って、かなりすっぱくして食べるのがカレーに合っている気がしました。
今後も挑戦していきたいというようなことをおっしゃっていたので、また楽しみにしたいと思います。
出口でシェフの写真も1枚。
先日お仲間と開催したイベントでのTシャツだそうです。
店内でも結構聞かれたというか、シェフ自身もおっしゃっていましたが、居酒屋営業はめちゃめちゃ忙しそうなのに、シェフがとっても楽しそうなのですよね。
活き活きとしたシェフのお姿と、美味しいお料理の数々。
大満足しつつ、また次回を楽しみにしながら、ごちそう様でした!