ランチでかなり満足しましたが、続いてデザートを購入しに代々木へ。
気になっていたお店のケーキを予約してあったのですよね。
Bon.nu(ボニュ)。
美食の王様としてグルメ業界で活躍した来栖けいさんが、食べ歩き業?を引退して始めたプロデュース業の2店目。
美食に妥協なくこだわったフレンチレストラン、面白いのはパティスリーを併設していること。
パティシエはToshi Yoroizukaや渡仏してレストランで修行した後、和菓子の名店「一幸庵」でも働かれたという面白い経歴の方なのだそうです。
16時前の到着でケーキは完売。
予約しておいてよかったです。
お店には来栖さんご本人がいらっしゃいましたよ。
KURI(880円)。
栗の渋皮、鬼皮まで使ったというモンブラン風のケーキ。
見た目は上生菓子のよう。
マロンペーストは完全に和菓子の仕事。
しっかりした甘みと塩気、和のキャラメル的なコクのある味わいです。
生クリームは使っていなさそうでそのままだと重たい餡子のようになりそうなところを、空気感を含んだ形にすることで口当たり軽くしてあります。
ベースのタルトはじゃりじゃりザクザク。
全粒粉のような旨みの強い味わい。
ここにも栗の皮を使っているのでしょうか、「栗の全粒粉」的な。
タルトは空で焼き込んだ中へマロンペーストを絞ってありました。
これはバランスが微妙。
無糖?のシャンティはすっきりした中にミルクの旨みもあって美味しいです。
ホクッとシンプルな調理の栗が細かく砕かれて散りばめられていました。
どこをとっても和栗を味わえてこれは上手なアイディアだったと思います。
タルト以外は全く雑味がなくて、マロンペーストは塩気で変化が付いているものの栗の香りは引き出しきれていない気がしました。
マロンペーストとシャンティは結構相性がよかったのですけど、タルトがそのバランスを崩してしまっている感じがもったいなかったです。
でもそれぞれのパーツどれもスキのない仕上がり。
思わずにやけながら期待がどんどん膨らみます。
ノワール(780円)。
特別に調合した「ドモーリ」のショコラを使ったシンプルなショコラケーキ。
バターや生クリームを一切使わず水のみで仕上げている、とのこと。
んー?????シロップ打ってあるか?????
とまじまじと見入ってしまうほどフルーティーな香りが膨らみます。
多分ショコラ自体の味わいなのだと思うのですけど、キルシュのような香りが追ってきてフォレノワールのような印象。
とろり、まったり、こきんっと食感も変化があって飽きさせません。
ここまでシンプルにするまでには色んな試行錯誤があったのでしょうが、見事に広がりのあるケーキに仕上がっていました。
確かに結局これが正解のような気もしますが、ここまでシンプルで美味しいとちょっとアレンジした系もいただいてみたくなりますねえ(^_^;)
すごく美味しかったです。
エキュレ(330円)。
エキュレ時代から作っていたというフィナンシェ。
ネッチリとしたしつこさのある歯触りに、しっかりした甘みとそれに負けない香り。
リス(280円)。
こういうのって食感は被るものだと思っていましたが、こちらは打って変わってしっとり滑らかな口どけにフローラルな甘み。
ドゥー(260円)。
ふわふわほろほろ、そしてさらにしっとりしたマドレーヌ。
これは使っている砂糖なのかな?
表面はカシッとちょっと歯にかかる感じで、これは好みが分かれるかもしれませんが、味はまろやかに濃くて万人受けしそうです。
マロン(480円)。
わざとなのか、表面近くに栗が集まっていたように思います。
そのおかげで一口目からガツンと栗が香ります。
そうなると逆に中心部は弱くなるかと思いましたが、最後まで余韻が浸みているようなほどよい栗感が続きました。
食感もとてもよかったと思います。
焼菓子はどれも突き抜けたインパクトは残っていませんが、美味しかったという印象ばかり残っています。
生ケーキの方は、レシピはまだ完全でないような気もしますがキラリと光るところが多々ありました。
そしてその光り方がえげつない感じ。
こだわりやセンス、感性、このお店にしかできないことというのをギラギラと感じさせてくださった気がします。
また伺います。