この日は、前の日曜日ご一緒したみなさんをお誘いして気になっていたお店へ。
珍しく電車移動を挟んで、本郷三丁目というあまり近寄らないエリアをふらふらと迷いそうになりながら到着。
オリエンタルビストロ 桃の実。
インド料理専門店ではなくあくまでも「オリエンタルビストロ」。
メニューを眺めても何だか捉えどころのないラインナップでした。
お店は思ったよりもこじんまりした感じですが、窮屈さは感じさせません。
開店から2年近く経っているとは思えない清潔感のある店内でした。
前菜、メインの2つの黒板に分けてみっちり書き込まれたメニューを吟味して注文を決定していきます。
まずはアミューズとしてダールが登場。
レンズ豆のカレースープですね。
いきなり来ますねえ(*‘ω‘ *)
強い塩気がインド料理のそれというより「ビストロ」的に感じられたのが少し不思議。
そして上品洗練された舌触りなどはフレンチに近いほどですが、やっぱり生姜、にんにくといったベースやスパイスの香りがやっぱりインドチック。
塩気が強いのに喉が渇くでもなく、食欲が膨らんでいくのがはっきりと分かるスターターでした。
飲み物は烏龍茶(500円)をお願いします。
アミューズはいただいちゃいましたが、乾杯して改めてスタート!
ケララ風カボチャとココナッツのサラダ(600円)。
あまりインド料理は詳しくないのですけど、ケララ料理というととにかくココナッツをふんだんに使うイメージ。
これもココナッツだから「ケララ風」みたいなことなのかな?
想像と違って、スパイスが印象的に香るでもない結構普通のカボチャサラダですが、後にしっかり残るのはやっぱりココナッツ。
そういえばケララの風Ⅱに伺った後しばらくココナッツにハマったなあとしみじみ思い出しました。
ココナッツ使いが巧みなのですよねえ。
これはビストロチックですね。
ホタテメインで蟹とアボカドを纏っているイメージ。
ピンクペッパーとパクチーが清涼感×清涼感。
ホタテの甘みと蟹の旨み、アボカドでまったりとコク。
ビーツとオクラのサブジ(900円)。
サブジとは野菜に香辛料をまぶして、炒め蒸しにしたものだそう。
ビーツは細切りになっていて、目立つ大きさのものはビーツ色に染まった玉ねぎだったと思います。
玉ねぎの甘みに文字通り「色を添える」ビーツの甘い香り。
いくら香辛料を効かせようと、ビーツを使うとビーツ色に染まってしまいますね。
インドカレーでオクラはよく見かけますが、こちらは火入れが浅めなのかジャッキリねばねばした感じがはっきり残っていました。
玉ねぎとビーツはくたっと仕上がっていたので、オクラが浮いちゃうかと思いましたが、これがよく馴染んでいたのが意外でした。
魚のバナナ葉包み焼き(2000円)。
添えられた菜の花とカリフラワー、そして茄子かと思いきやバナナ!
海の幸やフルーツを使うのもケララ料理の特徴のようです。
この日の魚はコブダイ。
ソースはコンソメのような、動物系と野菜系の味がバランスよく詰まった濃い味。
さらに濃いのはコブダイの味。
ちょっと寝かせた感じの強い香りとブリッとした食感がかなり良かったです。
香りが強かったなあ。
地鶏のグリル~オリエンタルガーリックペッパーソース~(1000円)。
少し食べ足りなくなりそうなので前菜に戻って、肉を!肉を食います!( ̄▽ ̄)
キュウリが入っているのがちょっと中華系なイメージかなあ。
地鶏らしいギュッと詰まってザクッと強い弾力と歯切れのマリアージュ。
ソースは甘めでニンニクとペッパーが効いた感じ、そんなに目新しさはないかな。
驚きはないものの、地鶏の長所をしっかり引き出した火入れがさすがでした。
かなり豪快なサイズのローストチキンがドン!
焦げのビターな味わいも香辛料のひとつとして加わった、奥行きのあるカレーソースはビストロ風。
カレーというより「スパイス煮込み」に近い気もしますが、「スパイス煮込み」と言ってしまうにはかなり本格派なインドカレー仕上げ。
身離れのいい身は旨み強力、バリバリの皮目は凄味、破壊力。
訪問前ネットの情報で予習していて、どこに軸足を置いたお店なのかイマイチ分からなかったのですけど、伺ってみてもやっぱりイマイチ分かりませんでした(笑)。
ただひとつ言えるのは、思ったよりもビストロ寄りだったということ。
というわけでカレー欲としては満たされませんでしたが、肉、魚、豆、ココナッツ辺りの使い方にグッと来たのもこれまた事実。
もう何度か伺って色々いただいてみたいお店です。