1月7日(土)、2017年最初の土曜日だったこの日、月に1度の寿司大さんにお邪魔することに。
深夜から未明にかけてかなり冷え込んだ日だったので、相当に厳しく険しい時間を過ごしましたが、
その話は長くなるので割愛。
謹賀新年!
年は明けたものの、開店時間の5時にまだまだ夜は明けず。
ガクガク膝から震えながら満面の笑みで、
「あけましておめでとうございます!」
お店のみなさんの「長い時間お疲れさま!」とか「お待たせしてごめんなさいね!」とか、
労いと謝罪の温かい言葉に迎えられつつ入店。
2017年は拝むことはないはずだった「築地市場 寿司大」の文字。
お湯呑を両手で包むだけで、生き返るような心地です。
頭から浴びたいくらいの気持ちでしたけどね!
ガリをいただいてスタンバイ完了。
この日のネタを伺って、注文を決めます。
狙っていたネタは一通りあることが確認できたので、心もホッと。
1貫目が出るまでアラ汁で温まります。
「店長おまかせセット」を注文されるお客さんが多いので、お好み注文の僕はしばし「待て」。
またこちらのセットは序盤から「飛ばす」内容なので、余計にお腹が空く時間になるのですよね。
何だかめでたい金目鯛を愛でたりしつつ。
この日最初は、今が旬真っ盛りの・・・
鰤。
この日は佐渡のもの。
「水と油」よろしく、煮切りと脂が弾き合ってキラキラ。
ところがどっこい「水と油」とは違って、煮切りと脂は口の中でとけ合います。
さすが時期の鰤は脂が濃厚。
大振りな上に厚めのカットで口の中が「飲み込まれる」かのような味の広がりの勢いを堪能します。
玉子。
寿司大さんでは出来立てホヤホヤで提供されます、が大変恐縮ながら今回も冷めるのを待っていただきました。
卵の甘みと海苔の香りは、冷めて全体が落ち着いてからの方が感じやすい気がするのですよね。
ヒラスズキ。
壱岐だったかな。
冬場になるとスズキに代わって比較的定番でラインナップに入るネタなのですが、
どういうわけか僕の伺う日に限って「たまたまなかった」ことが妙に多いのですよね。
どちらにしても札は「すずき」と出ているので、お店に入ると真っ先に、
「今日のすずきは・・・?」
「ごめん!今日もただのすずきだ!」
というやり取りをするのがお決まりみたいにになっているのですよ(^^;)
この日は店長がほくそ笑んで「あるよ!」と一言。
塩とすだちでいただくヒラスズキは、すずきよりはむしろシマアジにも近いような歯応えと脂乗り。
香りの余韻も長く残る印象で、名残を惜しみながらよく噛みしめました。
鰆。
こちらも"寒鰆"と呼ばれる、脂のよく乗った旬真っ盛り。
ちょっと炙りも真っ盛り。
ちょっと温度のある脂がクリームのように濃厚。
皮目の香ばしさと、皮下にくちゅっと厚みのある脂の層も印象に残ります。
車海老。
"生"と"茹で"とあって、海老の味が濃く出る"茹で"でいただくことが多いのですけど、
珍しく"生"でお願いしてみました。
生だと頭を炙ったのも添えていただけるのですよね。
ビクンビクンと動いて登場。
ひと思いに噛みしめると、ほんのり海老の甘みと旨み。
火を通したものとはまた違った「プリプリ」感です。
パリパリに香ばしく炙った頭。
握りの合間に突然入ると、際立って異彩を放ちますね。
細魚(さより)。
時期で言えば珍しい気がしましたが、それだけモノが良いということかもと注文。
ご覧の通り、見るからに肉厚で全然「細」魚ではなさそうです。
カンヌキと呼んでいいサイズかも。
「もっちり」と「ちゅるん」を兼ね備えた、個性的なゼリーのような食感。
特有の香りがぐわっと広がる一方、他の光物にあるような濃密な脂はないのですよね。
光物の香りとポン酢でビシッと口の中が締まります。
鯵。
この日は京都。
時期は外れていますが、おまかせセットに入っていてカウンターのあちこちで輝いていたのですよ。
僕にも・・・僕にも鯵を・・・!( ゚Д゚)ノ~
寿司大さんの鯵のイメージから言うと、脂は控えめ。
ほどよい脂に乗った強い旨みが口に残るような鯵でした。
鯵はつくづくシャリと相性のいい味わいの魚ですね。
〆はネギトロ軍艦。
今回はこれでいこうと決めていたのですよ。
いざ目の前にしてみると、食べる前から「やったね!」という気持ちになる"大当たり"感。
寿司大さんのネギトロはトロをふんだんに使うことが多いように思うのですけど、この日も「特に」そんな感じ。
口いっぱい広がるまぐろの脂を、海苔の香りが受け止めるのが軍艦ならでは。
いやいや、2017年最初の寿司大さんということで、新年の出港を象徴するような勇ましい軍艦をいただくことができました。
また今年も楽しく美味しいお寿司を何度となくいただこうと思います。
よろしくお願いいたします!