続いてお誘いいただいていた入谷の洋食「香味屋」さんへ。
実はお誘いを一旦お断りしていたのですけど、やっぱり気になってしまってやってきてしまった次第(^^;)
快く受け入れてくださった幹事様はじめみなさんに感謝です。
色んなところに「香味屋」の文字をみつけてしまって三兎を追った結果の構図の写真がこちらです。
大正14年創業で90歳を超える老舗ですが、改装もされているようで外観も内装も清潔感があって上品な店内ですね。
テーブルクロスの長さにも「いいとこ」感が感じられました。
テーブル間も広くて、上質な雰囲気ながらも肩肘張らなくていいくらいのほどよい緊張感ですね。
豊富で魅力的なメニューにウンウン頭を悩ませて注文を決定。
以前にも来たことがあるというみなさんによると、
「水がすごく美味しい」
とのことで、楽しみに待っておりますと・・・
来ました。
確かにクセのない軟らかな口当たりのお水ですね。
思わずゴクゴク飲んでしまったところへ、すかさずササッと注ぎ足してくださいます。
海老フライ タルタルソース添え(1本)(1000円)。
「レギュラーサイズ(3本)(2300円)、2本(1600円)、1本から注文できます」とメニューに記載があったので、
何となく900円と推測して注文したところ、ハズレでした(^^;)
3本で頼んだ方がお得ではありますが、1本から注文できるのはありがたい限りですね。
言い方が悪いですが「作り物のように整った」海老フライですね。
サイズは"中くらい"と言うには少し大きいくらいで、衣の色もきつね色の1歩向こう側くらいでしょうかね。
テーブルに運んで来て「タルタルソースを添えてもよろしいですか?」と確認してからタルタルをたるたると乗せてくださいました。
ピクルスが効いて風味は強め、茹で卵がゴロゴロ入っていて、食後感はそれほどきつくないタルタルソースでした。
形から言って衣が厚いのは想像していましたが、食べると全然重さが気になりませんね。
チャキッと小気味良く弾けるような衣です。
海老はやや柔らかめの食感で、香りや甘みもそれほど印象には残りませんでしたが、衣と合わせてバランスのいい1品だったと思います。
カットしながらタルタルを拭い尽くしていだたきましたよ!
メンチカツ(2000円)。
1個食べたい場合はメンチカツ(小)(1100円)というメニューもありますが、今回はこちらをシェアしていただきました。
お店の代名詞とも言うべき1品なのですよね。
潰してはあるものの、かなり厚みのある円盤型。
細かいパン粉がみっしりと付いて、ボリューム感はありつつも端正な出で立ちですね。
断面はきれいにサクッと。
噂に聞いていたほど肉汁が"あふれ出る"ことはなかったものの、みっちり詰まった挽肉の合間にたんまりと蓄えられているのが見てとれます。
一口大にカットして、フォークを刺して・・・
この最中にも少しずつ漏れ出す肉汁をできる限り損なわぬよう、慎重に口へ運びます。
海老フライと同じく、チリチリッと衣が踊るような食感。
もっちりした肉に歯が入るとみるみるほぐれて、肉汁がじゅわーっと口いっぱいに流れ出てきました。
何か印象的な味わいがあるというわけではありませんが、
ちゃんとした洋食屋さんがちゃんとメンチカツを作ったらこうなります、といういい例としてぜひとも1度は経験したいメンチカツだったと思います。
タンシチュー(ハーフ)(2000円)。
ハーフとはいっても、完全に1/2のポーションというわけではなさそうでした。
値段もフルサイズは3500円なので、完全に半分という意味合いではないのだと思います。
マッシュルームを散らした大きな1枚のタンに、お店自慢のデミをさーっとかけてあります。
シチューって子どもの頃のイメージは「スープ料理」のジャンルだと思っていましたが、
本来は「煮込み」みたいな意味合いに近くて、デミグラスソースはあくまでもソースなのですよね。
この1皿の"タン煮込み"と"ソース"のバランスはまさにそんな感じ。
付け合わせは人参とブロッコリーのグラッセに、マッシュポテト。
グラッセはしっかりバターが入って、とてもジューシー。
ほどよい塩気に対して、野菜の香りと甘みがよく出ていました。
また印象的だったのは、このマッシュポテト。
ベシャメルを混ぜ込んで、チーズを被せてオーブンで焼き目を付けたような感じ。
このひと手間が、次回訪問時のグラタン系メニューへの興味をそそりますね。
商売上手!
まず、ソースをペロッとなめると、個人的に力強く感じたのはセロリ。
そして脇を固める人参や玉ねぎの甘み、トマトの旨み、酸味・・・、これら香味野菜の生命力の宿ったような味わいが鮮烈に感じられたのですよね。
ナイフを置くとスッと切れてしまうようなやわらかさのタン。
しっとりほぐれながら、時たまミチッと肉の繊維質が歯に付くような食感。
丁寧にしっかりと煮込まれていそうですが、お肉の香りも意識しなくても感じられる程度に残っています。
ソースの"香味野菜"のインパクトが強烈だったので、店名の由来もそこかな?と思いましたが、
お店のHPを見てみると、輸入品販売業として創業した当時、
"初代が大変“ハイカラ”で、香水が大好きだったことから、屋号に「香」の字を使用したと言われています。"
と書かれています。
"味屋"はというと、現社長さんとそのお父様と思われる先代の料理長のお名前に"宮"の字が入っているので、
そういった関係なのかもしれませんね。
以前も召し上がったことのあるみなさんに伺うと、結構印象が変わっているというような感想も聞かれました。
個人的にも、野菜の味が前面に出ているということは、その日の仕入や、また季節によっても野菜の味で振れ幅はあるのかもしれないなあという風には感じました。
他にも気になるメニューがたくさんあるので、また伺って色々楽しませていただきたいと思います!
ごちそうさまでした!