続いて、ランチは予約してあったお店へ。
昨年そのお店のGWスペシャルランチをいただき損ねてしまったのですよね。
気になっていたディナー限定メニューを特別にランチタイムに提供されていて、非常に悔しい思いをしました。
というわけで今年はバッチリ事前にチェックして、無事にありつくことができました。
路地裏の一軒家ワインバー、tokiya(トキヤ)さん。
「みつけづらい」とは伺っていましたが、久しぶりに地図を確認しながらなのにグルグル同じ場所を回ってしまいました。
時間になって店内へ。
飛び込みでも多少は空きがあったようですが、7割くらいは予約で埋まっていたよう。
スペシャルランチコースは前菜、メニューを選択するプリフィクス形式。
珍しくほとんど迷わずに決めることができました。
バゲットは特にいいところはなかったかと。
チビチビかじりながら大分待ちましたが、ようやくコースがスタート。
鶏レバーと杏のクレーム・ブリュレ。
ゴーッというバーナーの音、パチパチとグラニュー糖が弾ける音、キャラメリゼが甘く香ってきて登場。
まだチリチリと音を立てるキャラメリゼをパリンッと割っていただきます。
鶏レバーのペーストが敷き詰められて、中央には杏ジャム。
レバーペーストは香り、塩気が強め。
砕いたキャラメリゼやジャムを合わせて、角を取りながら食べ進めます。
鯖と苺・パセリのテリーヌ 苺とトマト、サワークリーム、ソース・ピストゥ。
これ!これこれ!!これをいただきたかったのです!
写真で何度となく見惚れていましたが、目の前にするとさらに鮮やか。
実に鮮やか。
〆鯖と、苺を、ムース状のパセリ生地でまとめてテリーヌに。
苺は完熟したようにジューシーな質感で、もしかしたらヴィネガーでマリネしてあったかもしれません。
純白のサワークリームの他、ソースは赤、緑と統一感のあるカラーリング。
シェフの美的なこだわりが強く感じられますね。
鯖は強めに〆てありますが、腹身の辺りは脂がしっかり乗ってサクッと軽やかな歯切れ。
パセリ生地はまずスッと融けて生クリームとして鯖と苺の中を取り持ちます。
お終いにフンとパセリの香り、抜けのいい香りです。
苺のソースとサワークリームが鉄板の組み合わせ。
ソース・ピストゥは食感があって、バジルのドレッシングのような感じでした。
あと実は結構バルサミコが全体を網羅。
違和感がなさすぎて、却って意外性も感じなかったほどでした。
生クリームの感じとサワークリームと、マイルドに味がまとまっていたせいかもしれません。
ただ今こうして振り返っていると、鯖と苺の味、食感の組み合わせが案外クセになっていそうなのを感じています。
メインは仔羊もも肉のロースト キウイのカツレツ、シェーヴルとアンチョビと竹炭のピュレ。
こちらもロゼ色、緑の鮮やかなコントラストですが、ソースはちょっとびっくりするようなくすんだグレーですね。
緑はキウイ、ズッキーニ、アスパラソバージュ。
シェフの芸術性がズッキーニにも。
キウイのカツレツは、言葉のまんま。
加熱したことによる変化はキウイには感じられず、単に揚げ衣が付いたような感覚でした。
仔羊は肉質なのか、処理なのか、噛み切ることができませんでした。
こんな経験はちょっと記憶にないんですけどね(^^;)
お肉の下味、ソースともに塩気はかなり強め。
そもそもがワインバーということで、その方向性なのかもしれません。
慣れないランチ営業ということもあってか提供はかなり時間がかかって、前菜1皿メイン1皿のコースながら食べ終わるまでに1時間半以上経っていました。
手が回っていないというわけではなく、お店の方の動きは緩慢で、停止する時間も長め。
"ワインバー"ってそういうものなのかも、と考えることにしていただきましたが、帰り際「お時間かかって申し訳ありませんでした」と声をかけられたので、お店の方も本意ではなかったのかも。
決して嫌な印象のオペレーションではありませんでしたよ!
そして何よりお料理は、見た目の美しさが想像以上。
これは一見の価値が間違いなくあると思いました。
外光の明るいランチタイムなのも功を奏したかもしれません。
食材や調味料はカットするところはカットしていたと思いますが、価格がリーズナブルなのであとは好みの問題ですね。
とにもかくにも、何年か越しの念願だったテリーヌをいただくことができて大満足でした。
またランチでいただける機会があったら、人を誘って伺ってみたいと思います。
ごちそうさまでした!