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美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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千駄木の「和菓子 薫風」でスパイスの白羊羹、ごぼうむ。

この日は少し天気が荒れていましたが、風に吹かれ、雨に打たれながら、美味しいものを求めて千駄木へ。
 
やってきたお店は「和菓子 薫風」さん。
どら焼きの持ち帰りで何度か利用させていただいていますが、喫茶でいただくお菓子も1度いただいてみたかったのですよね。
 
開店時間ちょうどに伺ったところ店主さんは奥で作業中でしたが、無事に案内してもらえました。
 
日本酒と和菓子のマリアージュを楽しむコンセプトのお店ですが、お酒が飲めない人用に中国茶も豊富に用意されているよう。
お菓子は一律500円で、特に飲み物の注文も必須ではないようでした。
 
スパイスの白羊羹。
数種のドライフルーツを混ぜ込んだ白羊羹、カルダモンとコリアンダーで香り付けしてあるのが個性的。
 
白地に紅、橙、紫…和とも洋とも取れる色合いが華やかですね。
 
スパイスはほのかな香り付け程度で、飲み込んだ後に爽やかな香りが鼻に抜ける程度。
クセはないのでどなたでも気にせず食べられると思います。
 
ドライフルーツの主張が強いので、オレンジピールのパート、クランベリーのパート、ブルーベリーのパートといったように、ひとくちずつドライフルーツを食べていくようなイメージでした。
 
スパイスとドライフルーツがギュッと詰まっていて、イメージとしてはシュトーレンに近いのかも。
あとはお酒が効いていれば・・・と思いましたが、お店のコンセプトが「日本酒とのマリアージュ」でしたね。
お酒と合わせるとまた香りが華やかになるのかもしれません。
 
素朴さと派手さ、両方備わった面白い1品でした。
 
ごぼうむ。
「む」と呼ばれるお店の定番のお菓子、季節によって旬の野菜が使われるそうでこの日はごぼうでした。
 
お野菜は地方の「味の強いもの」を使うのだそう。
 
当然気になるのは「"む"って何ですか?」というところですが、
 
「夢と書いて"む"です」とのこと。
地方から出て来た武骨な野菜を東京で和菓子にする。
例えるなら、田舎から出て来たあか抜けない少女が東京で華やかに着飾らせてスターに仕立てる・・・そんな「夢物語」をイメージしているそうな。
 
餡を焼いた「浮島」の生地に、寒天で寄せたごぼうを乗せてあります。
 
今回の浮島はクミン風味、寒天はコーヒー風味でした。
クミンの香りはやはりかなり印象的、対してコーヒーの香りはごぼうの土っぽさに飲み込まれていたように思います。
 
ごぼうはしっかりとした甘さを付けて、火入れも深め。
それでも土気の強い香りが力強く残っていたので、もともとの味の濃さが感じ取れました。
 
味のバランスとしては、甘さ一辺倒でちょっと掴みどころがなかったように思います。
甘さ以外だとクミンの香りくらいしかないのですけど、クミンも塩気や酸味が入って初めて香りが活きますからね。
 
ごぼうを塩気や酸味を効かせて調理してあれば面白かったように思います。
 
挑戦的なお菓子、こだわった素材、そして熱心な店主さんの説明がとても好印象なお店でした。
季節のものを使われているので、定期的に通いたくなってしまうのがよく分かりました。
 
またお邪魔します。
ごちそうさまでした!

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