ランチは池尻大橋へ。
Lien(リアン)。
パリの星付き店で修行経験もあるというシェフが、ご出身であるという青森の食材をふんだんに使った料理を提供。
カウンター内で動き回るシェフたちの動きによるライブ感と、出てくる料理の華やかな盛り付け、野菜が豊富で季節感もあり、リーズナブルなプリフィクスコースは料理を選ぶ楽しさも。
それだけでも「女性に大人気」という評判に首を縦に振るのに十分なポイントを重ねていますが、念のため申し添えるならば、シェフがイケメンです。
念のため。
メニューは噂通り、前菜・メイン共に圧倒的魅力のラインナップ。
"料理を選ぶ楽しさ"に"食べられない料理が決まるもどかしさ"がやや上回りましたが、「また来るから」と自分の胸に言い聞かせて目の前の料理に集中します。
今回はMenuA(前菜、スープ、メイン、デザート盛合せ、食後の飲物、ワンドリンク)(2800円)。
コースに付くワンドリンク、ここでさえ選択肢がありましたが、ブドウジュースをお願いしました。
熾烈な争いを勝ち抜いて選ばれた前菜は、フロマージュドテッド(黒豚1頭分の内臓の煮込み)ブリック包み。
随分火入れがしっかり、焼きというよりは揚げのような仕上がりで、パートブリック包みを例えてよく言われる「春巻き」まさにそのものという感じ。
マスタードのほか、ケッパーやらオリーブやら酸味を合わせつついただきます。
サラダの葉物野菜は厚みも味もしっかりあって、はっきりと美味しいものでした。
ではいざブリックにナイフを、ザクッ!
バリッ!
グニグニ、ブリッ、トロッ…
色々な食感の内臓、コラーゲンもたっぷりで、やっぱり印象は春巻きですね(笑)。
ブリックに関しては火が入りすぎな気がしないでもなかったのですが、食欲をそそる香りは少なからずありますし、バリッと強い食感、そしてたっぷりの内臓と満足感の大きな前菜でした。
バゲットはシニフィアンシニフィエさんのものだったかな。
バゲットとしては粉の味が弱い気がしますが、ひとつの食事パンとしては料理の邪魔をしなくてこれがいいのかもしれません。
新玉ねぎのスープ。
玉ねぎの甘み、クリームでリッチな仕上がり。
ペッパーの香りも強めで、残り香に締まりがありますね。
天然甘鯛の鱗焼き 根セロリのソース。
お店のスペシャリテの定番メニューのひとつなのだと思います。
鱗の香ばしさと、融け出した脂とで、甲殻類のような香りが膨らみます。
鱗の食感は、海老の頭を焼いたときに少し付いている「足」の辺りのイメージに近いかも。
小気味良く弾けます。
魚の火入れ自体は、個人的な好みでいうとやや行き過ぎ気味だったかと思います。
野菜は青森のものなのでしょうか?
水分が多くて、それぞれの野菜の香りが立っていました。
美味しい野菜だったと思います。
デザートは盛り合わせ。
ここに来てお皿が黒地に。
ライムのアイスだったかな?
青森の減農薬りんごのコンポート。
苺のムースグラッセ。
バナナのムースグラッセ。
ファーブルトン。
焼きが強め。
フルーツの香りがそれぞれ立っていて、メリハリのある盛り合わせでした。
食後は紅茶を。
目の前で繰り広げられるダイナミックだったり繊細だったりするパフォーマンスを見とれていると、あっという間に完成する華やかな料理。
エンターテインメントとしてとても楽しめました。
シェフはアツくてクレバーな方でオープンに様々教えてくださって、もっとお話を色々伺ってみたくなりました。
またお邪魔して、大いにメニューを前に頭を抱えたいと思います。
ごちそうさまでした!