4月7日(土)、前日の夜は雨や風や、荒れに荒れましたが朝はすっかり晴れ。
暖かくなって新年度も1週間が過ぎ、土曜の朝は混むかと思いきや天気の影響もあってか意外に人が少なめ。
小田保さんも空き気味で、すんなり着席できました。
あっという間に混みましたけどね!
カツ煮(980円)。
この日は心に決めてきたものを、レギュラーメニューから。
透明感のあるお出汁と、卵の黄色と白の鮮やかなコントラストが印象的。
カツ煮はカリッとしたところが残っているところが命なので、写真撮影もそこそこに早速食べ始めます。
火入れのムラというのは一般的にはネガティブなイメージで、お肉然り、鰻然り、パン然り、いかにムラなく調理できるかというのが料理人の腕の見せ所になったりするわけですが。
では「美味しさ」において、何でもかんでも均質がいいかというとそんなことはなくて、「不均質」というのも味覚には重要な要素になるらしいのですよね。
極端な例えを言えば、美味しい料理1皿に載っているものを、ミキサーにかけて完全に均質な液状にしたら大抵は美味しくなくなりますよね。
結局は適材適所、ひとつひとつの工程、作業の目指すところの理解、そして実現する技術が"美味しい1皿"というのを作り上げるという。
秋の田のような、1面黄金色の揚げ色。
身はしっかり火を入れつつ、締まりすぎず。
端っこの脂身がブリッと付いたところも絶妙。
噛むと脂がしぶきを上げて弾けます。
均質な揚げ調理に対して、卵とじはメリハリ仕事。
勘所をつかんでいらっしゃいますよねえ。
「丁寧」とか「やさしい」とか言われることの多い小田保さんの調理ですが、改めて丁寧さ、やさしさを感じたカツ煮でした。
ごちそうさまでした。