この日はスパイスの香りに誘われて西荻窪へ。
前から気になっていながら立地をちゃんと調べておりませんでしたが、
「西荻マイロード」という駅前のアーケード内にあるのですね。
恐る恐る歩みを進めていくと…、
ありました、大岩食堂。
「アーケード内の大岩食堂」と言ったら古き良き町の定食屋感が強いですが、エリックサウス出身のご主人が作る南インドカレーとスパイス料理のお店です。
1番乗りで入店して、カウンター席へ。
平日お昼ということもあって、穏やかな客入り。
手際よく準備される様子をカウンター越しに眺めて待ちます。
この日のランチは5種類のカレーから選ぶことができて、カレーの数によって値段設定が決まっていますが、カレーの種類によっては追加料金のものもありました。
僕は3種類で注文。
選べるカレーの他に、サンバル、ラッサム、パパド、バスマティライス、サラダ、そして食後にアイスチャイが付きます。
イラストで「食べ方」が紹介されたシートでは「大胆に混ぜる」ことが推奨されていました。
大胆にいただきましょう。
白魚のケララ風カレー。
驚くほど強い魚介感と、生姜の香りも強め。
爽やかながら鋭い印象のカレーですね。
「お前は煮干しか」と労いの言葉をかけたくなるほどの白魚の活躍ぶり。
出汁ガラにとどまらず、健気に食感を残した白魚の魅力を余すところなく堪能できる1品でした。
南インド風チキンカレー。
ビーフストロガノフにも通じるような旨みの強さ、トマトとギーかな?
マイルドながら、押しの強いマイルド感という趣き。
パリップ。
ざらつきの延長線上のとろみ。
濃厚なひよこ豆の旨みと、重たさからちょっと抜けるようなスパイスの香り。
サンバル。
こちらはランチプレートには必ず付くメニューで、紹介文には「インドの味噌汁」と説明されていました。
意外にもすべてのカトリ(カップ)の中で、1番さっぱりしていたのはこれだったという印象があります。
ラッサム。
少しとろみが舌に残るような質感で、酸味も甘みも抑えめ。
穏やかな味わいのラッサムでした。
サラダには自家製のミントソース。
ランチながらこの辺りまで力を入れてくださっているところがいいですね。
サービスで付くアイスチャイ。
ランチのサービスドリンクとは思えない"ちゃんとした"佇まいですね。
恐らく淹れ置きでキンと冷えているので、やや味気なさも感じましたが、最後に残る香りにスパイスを感じたかもしれません。
訪問前はカレーを5種類頼もうかなどと意気込んでいましたが、3種類でも十分にやや多いくらいの量でした。
カレーを選ぶ際に「コレとコレを選んだらイメージがかぶっちゃう、みたいなものはありますか?」とお尋ねしたら、ご主人に「全部まったく違うレシピなので、全部バラバラです」というご回答をいただいて、これは失礼なことを聞いてしまったな…と思っていたのですよね。
いざいただいてみると、なるほど。
同じトマト系のように見えて、スパイスで引かれる補助線の違いでまったく違った切り口で旨みや香りを引き出していて、"かぶる"と感じるところは微塵もありませんでした。
日替わりのカレーをチェックして、ぜひまた伺いたいと思います。