この日は久しぶりに茗荷谷の「一幸庵」さんでお菓子を買おうかと思ったのですが、ご主人の娘さんが近くで営業されているというカフェが長期休業を経て再開されていることに気が付いてそちらに行ってみることに。
Cafe 竹早72。
"72"は季節を表現する"七十二候"からきているということで、 "竹早"の方は何かと思えば、普通にお店の住所のようでした。
素敵な住所ですね。
季節感を大事にされる一幸庵さんイズムを感じることのできる店名でもあります。
午前10時から営業されているのも個人的に嬉しいところ。
カウンターとテーブル席とありましたが、カウンター席に。
あんみつやおしるこの他、一幸庵さんの季節のお菓子もいただくことができます。
この日用意のあるお菓子を見せていただいて注文を決定。
あんみつ(粒あん)。
「お好みで」と黒蜜も添えられています。
粒あんとこしあんから選ぶことができましたが、今回は粒あんに。
立方体に積み上げられた寒天が印象的。
寒天はぽくぽく軽めの食感。
みかんではなくてオレンジだったり、ドライアプリコットがコンフィチュールになっていたり、定番とは一味違う仕上がりになっています。
塩気のびしっと効いた赤えんどうに添えられているのは柚子ピール。
黒蜜は良くも悪くもクセのない上品な香り。
すっきりした風味が、お店らしさに合っている気がします。
粒あんはこんな。
やややわめに炊かれた小豆が、ほろりほろりと柔らかくほぐれて、豆の香りがしっかり残っていますねえ。
続いて、季節の上生菓子も。
これまた、かわいいのを選んでしまいました。
ひなまつり。
ヨモギの上がり羊羹の上に、紅白の軽羹。
上からスーッと楊枝を入れてカットすると、イタリアの国旗みたい。
ヨモギの香りと、山芋の素朴な香りと。
軽羹の話を聞かせていただいたのですけど、材料に使う山芋は夏場にコシがなくなるので作らなくなるそうです。
軽羹に季節があるイメージはありませんでしたが、確かに野菜が材料ですからねえ。
大変勉強になりました。
あんみつを「粒あん」で注文した後で、一幸庵さんのこしあんを食べるべきだったな…と少し後悔する思いもあったのですが、上生菓子に添えられていていただくことができました。
口当たりが涼しく、濃密なのに重くない、極上のひと口です。
ひなあられ。
単体でいただいたことしかなかった気がしますが、こしあんなんかと合わせると香ばしさが引き立ちますね。
抹茶。
お濃茶も選ぶことができましたが、今回はお薄で。
最近、ブログに上げていないものも含めて、意識的に外でお抹茶をいただくようにしているのですけど、顕著に差があって面白いですねえ。
クリームかと見紛うほどきめ細かい口当たりが素晴らしかったです。
お茶碗はつくし。
春ですねえ。
というわけで、念願の初訪問を果たせました。
メニューが豊富なうえに、季節ごとのお菓子をいただけるということで、何回お邪魔しても楽しめそうです。
またお邪魔します。
ごちそう様でした!