この日は夜に千歳船橋でカレーの予定でしたが、少し時間に余裕があったので下北沢でコーヒーでも飲んで行くことに。
というわけで久しぶりの「珈琲屋うず」さんへ。
夜に伺うのは初めてでしたが、照明が落とされてアナログレコードのジャズが流れる店内はとっても大人。
これが初訪問だったら緊張してメニューが頭に入ってこなかったと思います。
注文したのは、前回訪問時はまだメニューになかった「チョコレートセット」。
島根県の「ル・ショコラトリ・ナナイロ」というお店のショコラを使っているそうです。
ショコラ3切れと、左上の3粒はコーヒー豆。
「口直しに、よければ」とのこと。
いちごやラズベリー、アメリカンチェリーのような赤い果実にふわっと感じる夏みかんのフレッシュな果汁とりんごのコンポート、若いバナナに生クルミの渋み、心安らぐ金木犀の香りを感じつつ、生キャラメルをほおばった時の満足感。ミルクティーにほんの少しブランデーを混ぜて大人の味に仕上げたような、休日の夜に食べたくなるチョコレートです。
メニューに記載してあったこちらはショコラトリ側のテイスティングノートのようなものだそう。
随分詩的なニュアンスの表現だからか「私が書いたのではありません」とちょっと照れくさそうに笑っていらっしゃいました。
「りんごのコンポート」「ミルクティーにほんの少しブランデー」の辺りは、思わず膝を打つ秀逸さ。
ただ"りんご"で留めない何かを確かに感じるのですよねえ。
個人的に、チョコレートとコーヒーを合わせるのは難しい、という気持ちがあったのですよね。
最初にひと口コーヒーを飲んで美味しい、そこへチョコレートを口に入れるととても合う。
そこまではいいのですけど、甘く濃厚な"チョコレートの口"になったところへ再びコーヒーを入れると、どうしても酸味や渋みばかりが立ってしまって、以降はコーヒーが美味しく感じられなくなってしまうイメージが強かったのです。
ところがこちらではそうならなかったので、ご主人に伺うと、
「最初は強いコーヒーを淹れてチョコレートに勝たせようと思ったけど、そうすると浮き出る酸味や渋みも強くなってしまう。だから逆に弱いコーヒーに抑えることで、酸味や渋みが目立たないようにすることを狙ってみた」
とのこと。
とても納得のいくご説明をいただいてついつい調子に乗ってしまい、この後も時間の許す限り矢継ぎ早に質問をぶつけて、最後は「予定があるので」とお店を飛び出す無礼を働いてしまいましたが、何とも有意義で濃密な時間を過ごすことができました。
こちらのご主人は寡黙なコーヒーの探究者というイメージがあったのですけど、引き出しを引いてみたらどこまで引けるか分からないくらいに奥行きのある引き出しで、これはまた時間に余裕のあるときに伺いたいなと思った次第です。
勉強になりました。
ごちそう様でした!
コーヒーとショートケーキって相性が悪いと思うんですけど(苺がただ酸っぱくなる)、コーヒーがウリのお店でショートケーキを出していることもあってモヤモヤしていたので、思い切ってコーヒーのプロに聞いてみたら「合わせようと思ったこともないですけど、確かに難しい…」としばらく考えた後「いっそ
— 65 (@lockandgo65) 2019年3月15日
インスタントコーヒーの方がいいかもしれませんね」と言われて想像したら、鳥肌が立つほどしっくりきました。今度やってみよう。やっぱりプロはすごいなあ☕️🍰
— 65 (@lockandgo65) 2019年3月15日