8月最後の金曜日、すなわちプレミアムフライデーであるこの日(しつこく言い続ける)。
フライのデパート、八千代さんで目移りしながら豊富なフライメニューを端から端まで眺めます。
築地時代は早朝から大行列ができているお店だったので、移転直前は観光客ばかりが入るお店になっていたのですよね。
それが最近では、仕事を終えた市場の方たちがゆったり食事されていたりして、これはこれでいいなと思うところもあります。
本来は河岸の食堂ですから、快活な市場の方々の中に縮こまってお邪魔させてもらって、いなせな雰囲気を全身に感じるのも醍醐味だったりするのですよね。
全身で味わう市場メシ、という。
僕が通い始めてからの数年でも、市場のお店全体に接客は随分改善された気がしますが、市場メシのホスピタリティーとは何ぞやと思う日もあります。
かつアタマ。
肉体労働を終えた河岸のみなさんがやっぱりがっつりカツ丼を召し上がる一方で、朝=仕事後の1杯をたしなむアテにするためカツ丼の上だけ、すなわち"アタマ"としてメニューになっている1品。
市場に通い始めたころ、「アタマ」と注文するのに憧れたことを思い出します。
とんかつの他にお出汁という要素が加わることで、お店による個性がまた強く出るので、各店で食べ比べるのがより興味深いメニューでもあったのですよね。
お出汁を吸った衣も、衣から油の滲んだお出汁も両方美味しいという。
分かりやすい相乗効果です。
とんかつの写真は右から2切れ目の断面を出す、の法則に従って。
カツ丼にするお肉は案外薄めの方がバランスがよかったりもしますが、アタマでいただく分には特にバランスということもなくこういった分厚さが嬉しいですねえ。
卵とじは、生っぽさはあまり残さないしっかり火入れでありつつも、固くなりすぎない絶妙仕上げ。
八千代さんのアタマはやはり外さないなあ、ということを再確認しつつ、次は姉妹メニューの海老アタマが頭をよぎりながら、ごちそう様でした!