テイクアウトに慣れてきた反面、いつか気を抜いてカバンの中でひっくり返すような失態をするかも…と恐れていたのですけど、幸いそのようなことは未だ経験していません。
器のクオリティーもさることながら、お店の方が適切なポーションを適切に盛り込んでくださっているスキルの賜物だとも思うのですよね。
荻窪の「吉田カレー」さんから持ち帰った際は、帰宅後ちょっとこぼれている前提くらいの腹づもりでカバンを開けたのですけど、無事だったので逆に驚いたくらいでした。
無傷のカレーを前にしたときのこの勝ち誇ったような気持ち(フラグ)。
ふはは、全能感(フラグ)。
たっぷりたぷたぷのカレーの中に、ボリューミーな豚が隠れています。
ふはは、苦しゅうない。姿を見せよ。
ひよって甘口で注文した辛さも、家で食べるときはどうとでも誤魔化せることを考えれば「辛口にしてもよかったな!ふはは!」とどこまでも強気になります。
別添えでトッピングの中華アチャール。
このマリネ液もこぼしてしまわないか懸念材料でしたが、一滴も漏らすことなく持ち帰りました。
カレーに盛り付けた後、器の底に残ったマリネ液はあんなことやこんなことをして楽しむことができるので夢が膨らみます。
最大の難関だった生卵も無傷。
これは完全勝利。
キーマに乗せるのは卵黄だけでいいので、取り分けた卵白はぐびっとひと飲み。
荻窪からはるばる帰還した両足の傷ついた筋肉に、たんぱく源を流し込みます。
これが強い男、勝者の証。
アチャールを山盛り盛り付けたら、最後の仕上げにキーマの真ん中を丁寧にくぼませ卵黄を…
うあ゛あ゛ぴあえkgぱ:あぽgkれgr……!・・1!!
走馬灯のように蘇る荻窪からの道のり。
あの上り坂、あの二段階右折、あの黄色信号。
誤解されがちですが、黄色信号は「注意」ではなく「停まれ」。
一旦立ち止まって呼吸を落ち着けてから盛り付けるべきだったと悔やんでも悔やみきれません。
皮肉にも口に入れば味はいつもお店で食べるあの味で、脳裏にありありと浮かぶ吉田さんの優しい笑顔に「ごめんなさいごめんなさい」と懺悔しながら食べ進めます。
テイクアウトは最後のひと口を食べ終えるそのときまで油断しないと心に誓いつつ、次はお店で食べたいな!とも思いながら、ごちそう様でした!