この日は前日の「シャドレ」さんで伺ったコーヒー屋さんにお邪魔すべく、朝の中目黒へ。
東京の朝っていう感じがしてちょっとミーハーな高揚感。
周波数。
駅から歩いてすぐのところにお店はありました。
知らないとコーヒー屋さんとは気付かなさそう。
手前の看板に「珈琲屋」の文字、奥の看板には店名の「周波数」。
カウンター5席だけのこぢんまりとした店内ですが、照明が暗くて人影が見当たらなかったのですけど、真ん中にどんと構えた柱の向こう側から店主さんの声が聞こえてひと安心するやら、逆にそわそわするやら。
口頭でメニューを伺って、数種類のコーヒーから注文を決定。
朝であることを忘れるような薄暗い照明と、落ち着いたトーンながらも音量が小さくはないBGMで、外から遮断された空間になっていて、ぼーーーっと過ごすことができます。
左側が鏡張りになっていたので、鏡越しに店主さんのドリップを凝視。
ドリップの手元を見つめるのって恐縮してしまうのですけど、鏡越しだと店主さんの方に目を向けなくていいので気恥ずかしさが軽減されたのですよね。
イエメン。
シンプルさが潔いカップです。
軽量する際にチラッと赤みを帯びた茶色の豆が見えたので、そこまで深煎りではないのかとも思ったのですけど、甘みはぐいっと引き出されていてひと口目から舌全体をショコラのような風味が包み込みます。
一旦旨みに寄せたあと、鼻に抜ける香りはまたチョコレート。
バレンタインデーの前日だったので、もらえることのないチョコレートで頭がいっぱいだっただけかもしれません。
異国のホテルで夜明け前に寝覚めの1杯を飲んでいるような、特別な1日が始まりそうな時間を過ごすことができました。
ちょっとやんちゃそうな店主さんですけど、コーヒーを語る言葉が的確で、ずっと頭のどこかでコーヒーのことを考えていらっしゃりそうな焙煎熱を感じました。
コーヒー好きがギュッと詰まったカウンターの小狭い脇を抜けて、ちょっと明るくなった中目黒の街へ再び繰り出しつつ、ごちそう様でした!