この日は雨風のひどい日だったので家に引きこもろうと思ったのですけど、最近SNSのタイムラインでよく見かけたイタリア菓子のお店へ行って引きこもりのお供を調達することに。
お店は2021年1月に新富町でオープンした「Litus」さんです。
イタリアでの修業経験もあるという女性シェフが作る郷土菓子が、写真で見る限り気取りすぎず素朴でかっこよかったのですよね。
ババ。
ジャバジャバにお酒を効かせて、生クリームとピスタチオ。
かなりサイズがあって、重みもずっしり。
注文を受けてから丁寧に仕上げてくださいます。
家に帰って箱から取り出すと、ぷんとリキュールが香ります。
それ自体は少しボソッとしていそうな生地が、お酒を吸うと熟れた果実のように、尖りながらもやわらかい味わいと渾然一体となった質感に様変わり。
フォークを入れるとじゅんわりとお酒が噴き出します。
多くが口に入っていったはずのリキュールが、食べ終えると底にひたひたと溜まっていて「お前こんなにお酒を…」という気持ちになる食後感でした。
鮮烈なアルコールの強さですが、生地の味が結構しっかりしているからかキツさはそれほど感じない、バランスのいいババでした。
カンノーリ。
サクサクに揚がった生地の中に、リコッタチーズのふんわりクリーム。
紹介されるときは「サクサク」と表現されることが多いですけど、ちょっと湿気たくらいの食感が絶妙で好きです。
とはいえこちらも注文を受けてからクリームを詰めるところから察すれば、できたてをサクサクでいただくのが正解なのかもしれません。
さっぱりめのチーズのコクと揚げた生地、ということでいうと食事でもいけそうな組み合わせですが、仕上げにかけた粉糖でお菓子方向に引き寄せるようなイメージ。
こういう甘々ストレートな感じでないところも郷土菓子っぽさを感じたりします。
トルタクレモナ。
アーモンドのスポンジにあんずのジャム。
こちらは初めて聞くお菓子でした。
アーモンドのスポンジっていただいたことがなかったかもしれませんが、独特のふくよかでやさしい甘みを感じることができます。
質感はぽそぽそと素朴。
ガワは香ばしく仕上げてあって、この辺りで味に立体感のあるお菓子でした。
「こんな味があるのか」「こんな組み合わせ方があるのか」と、新たな発見や出会いを楽しめるお店でした。
また色んなお菓子をいただきたいな~と思いながら、ごちそう様でした!