この日は「米花」さんに着くと、何やらパチパチ油の弾けるような音と凄まじく香ばしい香りが店内に充満していました。
客席側は何が出てくるのか知らされていないようでソワソワ。
僕も「なんだなんだ」と思いながら着席します。
と、いきなり出てきたのは…、
牡蠣バター焼き。
お皿の上でなお油がパチパチいって、磯の香りがむんむんに漂ってきます。
絶妙な火入れでぶりんぶりんに膨れ上がっていますが、表面はカリカリした部分もあるさすがの焼き。
牡蠣のこの手の料理は時間が経つごとにあっという間に身が縮んでしまうので、早めにぽんぽんと口の中に放り込んでいきます。
もうひとつの大皿は白貝とホタルイカと春キャベツの蒸し煮。
一瞬蛤にも見えますが、ちょっと扁平で独特な形をしたこの貝は「白貝」というそうです。
貝から溢れ出したさすがのボリュームの旨みが甘くさわやかな春キャベツの芯の芯まで浸みています。
キャベツで隠れて見えづらかったのですけど、ホタルイカもかなりたっぷり入っていました。
イカもいい出汁。
大皿2皿に加えて、さらにまぐろ赤身まで出てきてようやくこの日のひと通り。
これまた強い旨みの一方でさわやかな香りのある春のまぐろでした。
というわけで、冬から春に移り変わるところを海の幸で堪能しつつ、大満足でごちそう様でした!