この日のお昼は以前から気になっていたフランス料理のお店へ。
やってきたのは麻布台の「レストラン・パトゥ」。
場所は以前「オー・グルマン」があった場所です。
何でも「コート・ドール」で修業したシェフが神戸で20年続けたお店を閉めて、満を持して東京に移転してきたそうです。
軽快に階段を駆け上がって店内へ。
2人掛けのテーブルが4つあって、オープンキッチンでシェフの一挙手一投足を見ることができる造りでした。
1品目はカリフラワーのムース、トマトのジュレ。
白いムースと淡い色のジュレで、儚げな色み。
ジュレは最近流行りの感じの甘さの強いものではなく、青みの強い風味。
味のしっかりしたムースと合わせたときにグッと甘みが出てきて、青っぽさと合わせてより輪郭のはっきりしたトマトみが感じられる仕上がりに。
タブレ、北海しまえび、ほたて、あおりいか、ぶり。
タブレというのはクスクスを使ったサラダのこと。
野菜はトマト、アボカド、紫玉ねぎ、ラディッシュ。
見た目華やか。
一見ありがちな前菜なのかなと思ったのですけど、魚介はそれぞれに合った具合に炙ってあってどれも大変いい味が出ています。
特にぶりは「炙り」というより「レア焼き」に近い感じ。
さらにマリネ液はクミンが効いているのが印象的。
普通に見えてシェフの腕がゴリゴリに出て、見た目以上に華やかな1皿でした。
ポロネギとじゃがいものスープ。
じゃがいものポタージュにポロネギの甘みのよく出たお出汁。
真ん中にあるのは稚鮎のペーストで、混ぜすぎないで食べるように説明があります。
独特の苦みの感じられる稚鮎のペースト。
マイルドなスープは確かに混ぜすぎると稚鮎を飲み込んでしまいそうなので、稚鮎ベースで配分を考えながらちびりちびりといただきました。
このスプーンも雰囲気があって好きでした。
お店に入ったときにクープを入れて焼き始めたパン。
焼きたてホカホカというかガチガチの熱々で提供されます。
いい香り、いい味。
ウスバハギのポワレ。
トマトとエシャロットの鮮やかなソースに、白菜添え。
ウスバハギはふっくらと火が入って、とろんとほぐれるとキラッと光る脂乗り。
ソースはトマトの酸味と旨みがよく出て、バターの乳脂と合わさってボルシチとかみたいな方向性。
白菜にじゅわじゅわとソースを絡ませていただきます。
天城黒豚のロースト。
大きな塊で焼かれた豚にシンプルなブールノワゼットのソース。
たっぷり添えられた野菜もそれぞれほどよく火の入った春の味。
バッチンバチンに弾力のある力強い豚肉。
ミニョネットもギラギラ効いて肉々しい食べ応えでした。
ジャスミンティーのブランマンジェ、バラのソース。
白と白の組み合わせで洗練されたデセールが登場。
最初に来るのはソースのバラの香り。
続いてアーモンドの風味が来てから、あとに残るのがジャスミンティー。
ソースがたっぷりかかっているので、最後までバラの香り多めで食べ進めます。
贅沢。
食後のドリンクはハーブティーに。
マリーゴールドとかだったと思います。
クラシカルなお料理の数々で、すっきり〆るのがいいかと思ってハーブティーにしたのですけど、ブランマンジェと若干被った印象だったのでこの日はコーヒーがよかったかもとちょっと後悔。
とはいえ、全体を通して気になったのはその最後の自分の選択ミスだけで、すべてのお料理が「こういうの大好き!」と思えるものばかりでした。
僕はやっぱりこういうシンプルに素材!調理!ソース!みたいなシンプルなフランス料理が好きなんだな~と思いながら、また伺うことを自分の胸に誓ってごちそう様でした!