ハイビスカスティーの原料である植物「ローゼル」の実を市場で見かけて、面白そうだったので買ってみました。
丸っとした実を包んでいる部分が苞(ほう)、やや緑ががった苺のヘタみたいな部分は萼(がく)。
苞と萼を剥がしてポットに入れてお湯を注げばハイビスカスティーが出るのだそうです(商用のものは乾燥させてる)。
学名の「Hibiscus Subdariffa」にハイビスカスと入っている辺りがハイビスカスティーという名前の由来かもしれませんが、花のハイビスカスとは近縁種ではあるものの別種の植物なのですよね。
これが剥がしたところ。
なるほどあのハイビスカスティーの原料と言われて何の違和感もない鮮やかな色です。
生食もできるということで食べてみましたが、結構はっきりとした酸味がありました。
イメージとしては、梅干しと一緒に入っている紫蘇みたいな感じ。
ハイビスカスティー。
お湯を注いで3分ほど待ったらもうこの鮮やかな色。
写真では上手く表現しきれていませんが、実物はもっとピンクというかバラ色というか、鮮やかな紅色をしていました。
よく知っているハイビスカスティーの酸味、香りをしっかり感じることができました。
もうちょっと植物的な香りや、旨味みたいな味わいもあるので、商用のハイビスカスティーよりは少しマイルドな印象。
乾燥させると酸味に凝縮されていくのかもしれません。
苞と萼を剥がした後の実から取り出した種。
実の中身は固いオクラみたいになっていて、手でつぶすようにして開いてひとつずつ地道な作業で種を取り出しました。
かなりぬるぬるしているのもあって、当初想像したよりかなり時間がかかりました。
こちらを手網で焙煎すること8分ほど。
こんなに小さくなりました。
コーヒーを焙煎するときは、豆が弾けて大きな音のする1爆ぜ、2爆ぜという過程があるのですけど、1爆ぜはかなり明確にありました。
種が小さいこともあって2爆ぜはなかったかも。
挽いてみると、コーヒーらしくなりました。
とはいえ6gしかとれなかったので、50ccだけ抽出しました。
湯温は86℃。
この時点ではきな粉のような香り。
コーヒーというにはかなりやわらかい香り。
香ばしさはありますが、野菜をグリルしたときの香りに近いです。
見た目は結構しっかりコーヒーなのですけどね。
思い出したのは駒場東大前の野菜が美味しいフランス料理の店「tsu・shi・mi」さんで提供される野菜茶。
味わいは苦みはほとんどなく、旨味に偏ったバランスですが、玉ねぎやキノコを彷彿させる甘みを感じました。
やはり野菜茶に近かったと思います。
コーヒーにブレンドして使うといいような情報も見かけましたが、確かにその方がいい味になりそうです。
というわけであまり情報のない中、行き当たりばったりでやってみましたが、結構ちゃんとものになった気がします。
果たしてこれが正解だったのかは分かりませんが。
苞と萼は独特の酸味、食感なのでサラダなどに応用すると面白そうです。
ただし時間を置くと瞬く間にぬるぬるのヌメヌメになってしまったので、扱いは難しそうにも思います。
こういう慣れない食材に触れられるのは市場の魅力のひとつなので、また何か見かけたら積極的に買ってみようと思います。
一方で、買うときに詳しい人(お店の人)に扱い方を聞くことができるのも市場の利点なので、本来はその場で勉強してくるといいんだよなとも思いました。
以上です。