あとはお正月らしく家で和菓子でもいただきながら過ごしましょうということで、茗荷谷の「一幸庵」さんに寄り道をして帰ることに。
荻窪、阿佐ヶ谷から突然の移動にも思えますが、丸ノ内線で1本なのですよね。
このシーズンだけの人気商品「花びら餅」は当然のごとく売り切れでした。
十二支菓「寅」。
毎年お正月に登場するその年の干支にちなんだお菓子。
やや厚みのある生地で小倉羹をサンドした素朴なお菓子のようです。
生地の表面には、寅年のお菓子に相応しい虎柄の焼き色が付けられています。
「寅」の焼き印と金箔をあしらって、シンプルながらお祝い気分を盛り上げる仕立て。
カットされていることもあっね口に入れるまで気付きませんでしたが、これはほぼほぼどら焼きですね。
虎柄の生地であることを合わせると「とら焼き」ということなのかも。
まふっとした生地に、ぽくぽくと小倉の弾ける食感がリズミカル。
温かみのある生地の味わいがじんわりと余韻を残すお菓子でした。
薯蕷饅頭「初音」。
唇にぴとっとついて、へりへり剥がれるシンプルな薯蕷饅頭は、「一幸庵」さんのお菓子の中でもお気に入りのひとつなのですよね。
うぐいすがその年初めて鳴く声を意味する「初音」。
真っ白なお饅頭にうぐいす色がよく映えます。
中は、ほくほくしっとりしたこし餡。
日本酒錦玉羹「雪中梅」。
「一幸庵」さんが力を入れているお菓子のひとつである、日本酒を使ったもの。
雪中梅というのはお酒の名前かと思いますが、お菓子の造りで見事に表現されているのがさすが。
麹で雪が降っているのですよね。
寒天としてのコリッとした食感に加えて、少しもっちりした弾力と、舌に残る麹のほろほろした質感が印象的。
強すぎることはないものの鮮やかな日本酒の香りが残ります。
この日は定番商品のもなかも買って帰ります。
これは添付されていた説明書き。
「最中の皮には二種類あります」から始まって、この最中が食べる「直前に皮と餡を合わせ」ることで「歯触りと風味を楽しむ最中」であることを説明しています。
最中の皮は、餡と合わせると「直ちに水分を吸収し始め」「歯触りと焦がしの香ばしさの崩壊が始まります」とあります。
「決して数秒たりとも放置をしないで欲しい」。
心得ました。
最中は3つセット。
白い箱の中に餡が3セット分入っています。
「あざぶ最中用餡」というストレートな表記がいいですね。
餡を取り出したところ。
これで1セットです。
一瞬たりとも放置することのないように、何度もサッと挟んでパッと食べるイメージトレーニングを繰り返します。
袋から取り出す時点で割れてしまわないように、細心の注意を払って取り出しました。
気を抜くとパキッといってしまいそうな、極々軽い質感なのですよね。
餡子も取り出してスタンバイOK。
ここから一気にいただきます。
いざ!
カパッ。
いただきます!
噛もうかどうかのその刹那に、軽い質感から想像もできなかった力強い勢いでッッパーーーン!と皮が弾けます。
鼻から入る香りは軽いのですけど、口の中から鼻に抜けるのはお煎餅のようにはっきりした香ばしさ。
餡子は粒がはっきりしたもので、こちらも滋味の深い風味。
軽やかながら重層的な厚みと、色濃く刻まれる深みのある最中でした。
1人で3セットいただいたのですけど、全くもって足りなく感じるほどでした。
また食べたいし、色んな人に勧めたいなと思いながら、ごちそう様でした!