船橋の帰りに「船」つながりというわけでもないのですけど「船堀」に立ち寄りました。
「パーラー江古田」さん出身の方の出したベーカリー&ワインショップ&ワインスタンド「チェスト船堀」さんが気になっていたのですよね。
国産小麦にこだわって、パンごとに違う銘柄の小麦を使って作られているようでした。
どのパンがどの小麦かなかなか全部は覚えにくいのですけど、購入したパンの内容を袋に手書きで書き記してくださっていました。
これは嬉しいサービス。
パンの形状、紋様と小麦の名前が書かれています。
こういうの結構家に着く頃には忘れがちなので助かりますね。
こちらのお店ではそれぞれのパンを、それぞれ1種類の小麦粉100%で作るそう。
1つのパンと、1つの小麦と向き合っていただきます。
ローストチキンと野菜の煮込み。
まずはサンドを。
パンは恐らくキタノカオリのリュスティック。
パンのビジュアルや料理のボリューム、センスからどことなく「パーラー江古田」さんぽさが漂います。
ハードそうに見えて中の方はまふっとやわらかで食べやすい高加水のパン。
チキンが見た目通り存在感のある濃い味で主張します。
フォカッチャ。
小麦ははるきらり。
大きめの気泡が入ってふっかふか。
カリッとした表面にローズマリーがパチッと弾けて香ばしい香り。
小麦の旨みの後に、粗塩の塩気もビシビシと効いています。
そして何より印象的なオリーブオイル。
風味は穏やかですが、もともと高加水でもっちりした生地がジトッして逆に食感にボリュームが出ています。
味濃いフォカッチャでした。
ぶどうのカンパーニュ。
小麦粉は春よ恋。
水分を吸って大きくふやけたレーズンが印象的。
甘い香りが広がります。
レーズンの酸味とほどよく馴染む生地の酸味。
表面も比較的ソフトでムチッと引きのある質感。
中はもっちりソフトで、ジューシーなレーズンの水分で少しふやけています。
レーズンがとにかくジューシーで香り高くて、ある種ジャムを塗ってパンを食べているような感覚になるカンパーニュでした。
くるみのカンパーニュ。
他とは一線を画すオーラを放つ生地色のこちらの小麦はノア8ミッシュ。
複数の種類の種を混ぜて畑に撒くという独特の製法を展開する農家さんだそうで、こちらはライ麦を多く含むタイプということでこの色。
焼き芋のように甘い香りと、力強い旨み、ちょっと酸味。
味の強い生地の中にあって、パカッと割れるくるみにも特有の甘みが出ていて、ひと噛み毎に記憶に残りそうな鮮烈なパンでした。
「パーラー江古田」さんのパンと似ているかとも思ったのですけど、見れば見るほどお見かけしたことのない独特な質感のパンでした。
他の種類のパン、他の小麦粉のパンも気になりつつ、毎回このパンは買ってしまいそうだな!と思いつつ、ごちそう様でした!