この日はお誘いいただいてイブニングハイティーがいただけるということで椿山荘「ル・ジャルダン」さんへ。
勉強不足で、ハイティーってアフタヌーンティーの夜版くらいのイメージだったのですけど、この機会に少し調べたところ……
アフタヌーンティーはイギリスの貴族階級の文化がもとで、当時1日2食だった朝食の夕食の間に女性たちが楽しんだもの。
ハイティーはスコットランドの労働者階級の習慣がもとで、高級な飲料だった紅茶が安く手に入れられるようになったことで夕食と一緒にお茶を楽しむようになったもの。
ざっくり言って以上のような違いがあるようです。
これを知らずに行ったため後半とても驚くことになりました、というのが以下の話です。
三段のオードブルセット。
ケーキスタンドやお皿はアフタヌーンティーのときと同じものが使われていたように思います。
パッと見は一口で食べられそうなお料理が3段用意されていて、その違いは分かりにくい感じ。
1段目。
彩り野菜のクルディテ ブルーチーズのディップ、桜エビと菜の花のキッシュ、桜色のカッペリーニ セックサラミを添えて。
2段目。
ホタテとクレソンのサラダ ピンクグレープフルーツのドレッシング、塩レモン風味のレーズンバター くるみのキャラメリゼ、トリュフに見立てたビーフのパネとグリル野菜のピンチョス。
3段目。
パン・オ・ルージュとトリュフ風味の玉子のカナッペ、ローストビーフとセルバチコ キャロットラペのサンド トンナートソース、胡瓜とミント フェタチーズのケーク・サレ ヨーグルトのトッピング、天使のエビと帆立貝のポシェ アンチョビクリームとハイビスカスティージュレ。
まずは1段目から。
野菜をディップするブルーチーズのソースはあくまでも食べやすくチューニングされたもの。
キッシュは桜エビの香りが立っていました。
モンブランと見間違えた手前のお皿は冷製カッペリーニ。
細く刻んだサラミが添えてあって、しっかりした歯応えが加わっています。
2段目はさっぱりしたホタテとクレソンのサラダの他、手前のレーズンバター+くるみのキャラメリゼが安定の爆発力ある美味しさでした。
また面白かったのはトリュフに見立てたビーフのパネ。
肉団子みたいなことなのですけど、目を引くビジュアルでした。
3段目にサンドイッチが入っている辺りも、アフタヌーンティーと被るところ。
ハイビスカスティーのジュレが加わって小洒落た味わいになる海老と帆立のカクテルサラダ。
フェタチーズがゴロゴロ入ったテリーヌ。
もっちりほろりな食感が素朴でちょっと意外な感じでした。
シェフ特製ローストビーフ グレイビーソースとレフォール。
ケーキスタンドまではアフタヌーンティーみたいなものかと思っていたのですけど、メインのローストビーフがいい意味で想定外の凄まじいボリュームで出てきました。
ロ、ローストビーフってこんなのでしたっけ……という気持ち。
ワシワシ噛み締めるタイプの赤身肉かと思いきや、火入れの丁寧さが伝わってくるしっとり仕上げ。
この厚みからは想像のつかない柔らかさでした。
脂身もぶりんぶりんに付いて、味の濃厚さもばっちり。
意表を突かれる重いパンチを喰らったような衝撃のあるメインでした。
ハイティーが別名ミートティーと呼ばれるというのも納得です。
アールグレイインペリアル。
アフタヌーンティーほどではありませんが、見開き2ページにわたってラインナップの並んでいた紅茶からこちらをチョイス。
アールグレイでありながらダージリンの甘みを感じさせる、やわらかい口当たりが印象的です。
ホワイトチョコレートと赤桃のムース 桜あんクリームと花びら。
軽めではありますが、ここまで来てデザートも手の込んだ1皿。
下からジェノワーズ、赤桃のムース、ホワイトチョコのムース。
トップに桜あんのクリームを絞って、花びら型のチョコレートをあしらってあります。
桜あんとホワイトチョコ、ホワイトチョコと赤桃辺りはなるほど合いそうな組み合わせだなと思いましたが、桜あんと赤桃は少し意外な取り合わせでした。
合わせるとちょっと梅っぽい印象だったかもしれません。
というわけで初めてのハイティーでしたが、返り討ちに遭ったような満足感で、ごちそう様でした!