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美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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スペイン・サンセバスチャンの「AKELARE」でARANORI。

この日のランチはこの旅行のメインイベントのひとつだった三つ星レストラン「AKELARE」へ。

サンセバスチャンが「世界一の美食の街」と言われる所以にもなっている、この小さな街に3軒ひしめくミシュランガイド3つ星レストランのひとつです。

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スペインを料理界の進化の中心たらしめた「ヌエバ・コッシーナ」。

その第一人者ルイス・イリサール氏がスペインで最初に開いた料理学校を任せるなど信頼を置いていた弟子ペドロ・スビハナ氏のお店です。
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お店は同名のリゾートホテルの中にあります。

上記写真右側のガラス張りのところにレストランがあります。

ホテルのフロントでレストランの予約をしている旨伝えると、ロビーで待つよう言われ、13時の開店時間ちょうどになって中へ案内していただけました。

この辺は事前に調べてあった通り。
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メニューはタブレット端末。

料理は以前はクラシカルとモダンなコースから選ぶスタイルだったようですが、現在はどちらも革新的な料理を楽しめるAranoriとBekarkiの2コースになっています。
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駆けつけ1杯は、やはりチャコリで。
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テーブルを飾るのは盆栽。

これは日本人客へのサービスというわけではなく、恐らくいつも全てのテーブルに置いてあるもののようです。
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Ham Ham。

最初のアミューズは生ハムにカリカリの衣を付けて揚げたもの。

中の生ハムは薄くスライスされているので、甘鯛の鱗焼きみたいな食感の衣のインパクトが強いです。
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Diabolic Butter。

店名のアケラレは山羊の種類の名前だそうで、山羊のミルクを使ったバターに山羊の絵柄を付けてあります。
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乳脂肪の旨みが濃くて、後に残る風味はさっぱりしたバターです。
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バターに添えられたパンは、赤の映える3色パン。

後から普通のパンも運ばれてきたので、これはバターを食べる用といった意味合いだったと思われます。
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バスク地方のとうがらしエスペレット、黒オリーブを練り込んで色を着けてあるそう。

薄くスライスしてサクサクにトーストしてありました。
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Macaron(Gilda)。

2品目はマカロン。
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オリーブ、アンチョビ、青とうがらしというバルの定番メニュー「ヒルダ」をイメージしているという1品でした。
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Potato "Ensaladilla"。

じゃがいもを摸したこの謎の物体は"ポテトサラダ"だそう。
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薄いチーズの膜でマッシュポテトを包んでありました。
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Comsome Gelee with Curry Chicken。

アミューズ最後はコンソメジュレ。

フランス料理の前菜の定番のひとつですが、こちらのお店が合わせているのはカレーチキンなのだそう。
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カレー風味の鶏皮やキャベツをカリカリに揚げたものがたっぷりとのせられています。

ジュレとカリカリの組み合わせが食べなれない感じで新鮮です。
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ここでたくさんの種類のパンが入ったカゴが運ばれてきて、好みのものを選んでいいということなので僕はサワードウに。

ここまでは2コース共通で、以下は僕の注文したAranoriのお料理です。

 

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Marinated Lobster in Garden Vegetable salad。

生のロブスターのマリネとグリーンサラダ。
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ロブスターの刺身って初めていただく気がしますが、身質が柔らかく甘みの強いものでした。
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中にはリキッドサラダと呼ばれる緑色の液体。

どろっとしたペーストではなく、シャルドネビネガーベースの透明感あるものでした。

それぞれの味は独立している感じ。
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Codfish Flower Brandade and Beetroots。

codfish(タラ?)をビーツでマリネして色をつけて、ブランダード(塩ダラ)のソルベの上に花のように盛り付けたひと皿。
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周りに散らしてあるのは赤と黄色のビーツのピュレ、それぞれのチップス。
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刺身のお花は塩気のある味わいですけど、全体に散りばめられたビーツの甘みでバランスをとっていました。

刺身のスライスは厚みがあって、そこに食べ応えを感じます。
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Portion of Fresh White Beans and Blood Sausage Sweet and Sour Pepper。

ここでチョコレートケーキ……
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と見せかけて、白えんどう豆とブーダンノワールのケーキ仕立て。

豆のペーストベースのところへ、ブーダンノワールの強烈な旨みも濃厚に味を重ねてきています。
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青とうがらしの素揚げと、パプリカのソース。
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バス方の伝統だという白インゲン豆のスープも添えられていました。

ここまでは素材の味(この場合はお豆)に塩気を強めに乗せて、甘みでバランスをとる、が常套手段なのかなという印象。
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続いては目の前で「Umami flavor」と呼ばれるソースをかけて完成。
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Iberian Pork's Belly and Cabbage's Chessboard. Pig's Trotters Intense and Spicy Reduction。

見た目では何に何が載っているのかさえ分からなかった1品です。
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聞くと豚バラとキャベツを合わせて焼いたものだそうで、つなぎの粉が入っていることもあって食べた印象はお好み焼きみたいなイメージでした。

Umami flavorには大量のベーコンが入っています。
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ごぼうの唐揚げみたいなものは結構固め。

ナイフやフォークでは切れず、そのままかぶりつきました。

ここまではかなり「難しい」お料理が続いて若干不安も感じ始めていたのですけど、段々と分かりやすさが増してきます。
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Hake in Seaweed steam. Plancton and Oyster Leaf。

魚料理はイシビラメ。
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皮を外して「とろろ昆布」を貼り付けてあるのだそう。

言われてみればとろろ昆布ってすごくテクニカルで面白い食材ですよね。

魚の身がとても柔らかく仕上がっています。
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葉っぱは牡蠣の風味がするオイスターリーフ。

わきのソースや添えられた粒状のものも同様でした。

魚に昆布、牡蠣のニュアンスを加えて、旨みが何倍にも膨れ上がっています。
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Red Mullet, "Zurrukutuna" and a Bun with it Crunchy Bones。

先ほどのが魚料理だと思っていましたが、もう1品出てきました。

魚は赤い皮のヒメジ。

シンガポールの「odette」でも出てきた魚です。
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魚はやや深めに火を入れている印象。

ソースはバスク地方の伝統的なスープ・ズルクツナをイメージしたものだそう。

タラの旨み、青とうがらしの香りやにんにくの旨み。
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プチクロワッサンとキャビア。

奥には尾っぽを使った骨せんべい。f:id:lockandgo65:20230831104933j:image

皮目に足りなかった香ばしさを右の2パーツが補って、3つ揃って力を増すお料理になっていたと思います。

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Barberie Duck and its Consomme。
メインは豚かアヒルの2択で、アヒルをチョイス。
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シェリー酒の香るコンソメを注いで完成です。
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こんな柔らかいアヒル肉食べたことない……!と驚いたのですけど、胸肉のスライスにモモ肉のミンチを詰めてあるのだとか。

コンソメの馴染みがよくなる調理でとても味わいよくいただけました。
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メインに添えられた小皿には再びたくさんの粒々。

こちらは説明を聞きそびれたのですけど、レバーだったように思います。

鶏皮のようなカリカリも。

余談ですけど、前半のお料理は時間が経ってからスタッフの方に「さっきのあれって……」と質問していましたが、後半はそのチャンスがなかったので聞けず終いのところが多かったです……。
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Pistachio Parfait and Peach sorbet。

デセール1皿目はピスタチオのパルフェとピーチのソルベ。
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ピーチのソルベを中心に、ピスタチオをヌガーやスパイスと合わせつつ色々な角度で楽しませてくれるひと皿でした。

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仕込みも盛り付けも、手間の多さを感じさせるデセールでした。
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Gin and Tonic Pie。

ジントニックパイ。
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上に載っているのはクリームかと思いきやメレンゲでした。
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火入れは浅めのパイ。

ジントニックはかなりギラギラに利いていて、メレンゲで和らげながらいただくような構成になっていた気がします。

食後のドリンクはなく、コースはここで終了。

前半はかなり難しい味が多くて、「これがスペインか……」とたじろいでいたのですけど、段々とシンプルに「美味しい!」というお料理が増えてきてデセールの頃には「美味しいー!美味しいー!」ばかり感じていました。

予習していた情報では、ねじねじ状のゼリーにソースを注入したような独特の食品を出していたイメージがあったのですけど、今回それはなく"粒々"が今のトレンドなのかな?と思いました。

サンセバスチャンの3つ星レストランには、客に出す料理を作らず新たな調理法を研究するだけの研究室があるらしく、日々の進化の一端を感じられた気がして満足でした。

またこちらのお店のお料理をSNSなどで見て進化を追いつつ、いつかもう一度いただける機会があればいいなと思いながらごちそう様でした!

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