カサブランカ空港からタクシーで駅まで移動し、特急列車で2時間かけてジブラルタル海峡を挟んでスペインと対面する港町タンジェへ、さらにそこから高速バスで3時間かけて最初の目的地シェフシャウエンにたどり着きました。その時間23時半過ぎ。
深夜のバスターミナル前でチップ狙いの男性に付きまとわれるなど早速洗礼を受けた感がありましたが、日が変わる直前に宿泊施設であるリアド「ラ・プティット・シェフシャウエン」に到着。
自宅を出てから部屋で腰を落ち着けるまで、実に36時間が経過する大移動でした。
泥のように寝てあっという間に朝を迎え、楽しみにしていた朝ごはんをいただきます。
リアドというのは、モロッコ独特の「古い邸宅を改装した宿泊施設」の呼称で、吹き抜けのある造りであること以外はリアドごとのオーナーのこだわりが色濃く出た施設なのだそう。
知っている言葉で言うとペンションに近かった気がします。
朝ごはんもそれぞれの特徴が出るということで、リアド選びのひとつの重要なキーポイントにしていました。
リアド到着時にオーナーから朝ごはんの時間の選択肢を提示され、決めた時間になったのでオーナーのもとに行くと、階段の途中にある控え室みたいなところに用意されたソファー席に案内されました。
ガイドブックを見て予定を立てながら待っていると、オーナーが階段上っては下りを繰り返して次々とお皿を運んできてくださいます。
モロッコ名物のひとつとも言うべき、生搾りオレンジジュース。
果肉がほろろと舌触りを生んでいて、ビターな甘みはもちろん酸味の爽やかさもほどよくて、暑い気候にぴったりなのですよね。
旧フランス領ということで独特なパン食文化が発展しているモロッコ。
朝ごはんには多様なパンと、そのお供がたっぷり出てくるのが定番です。
こちらのリアドでは、ジャムの他にピーナッツバターが用意されていました。
こちらはシェーブルなのか、酸味が印象的なフレッシュチーズ。
ムサンメン。
ここからパンが続々出てきます。
こちらはインドのチャパティにも近い感じの、クレープ状のもの。
ホブス。
こちらはモロッコの大定番のパンで、脂質の低いフォカッチャみたいなイメージ。
レストランで食事をすると添えられて出てくることが多かったです。
コーヒーは、今までの人生で飲んだコーヒーの中で最も濃かったです。
ハルシャ。
コーンミールのイングリッシュマフィンみたいな感じ。
個人的にモロッコのパンの中でこれが1番お気に入りでした。
スクランブルエッグは味が付いていないので、パンと合わせたり卓上の塩胡椒を加えていただきました。
もともと楽しみにはしていましたが、期待をはるかに上回る情報量とエンタメ感の詰まった朝ごはんでした。
朝ごはんの時点で「旅行先をモロッコにしてよかったな」と確信しながら、ごちそう様でした!