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美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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築地の「米花」で焼き鳥重、大根・がんも・厚揚げ煮。

3月21日(火)、月曜が祝日だったので、築地的には週頭のこの日。
寝坊しましたが、予定通り米花さんに伺います。
 
先日、某所で偶然Jさんとお会いした話で盛り上がります。
 
「ヘタなことできネェのナ!」
それはこっちも同じ気持ちです( ̄▽ ̄)
 
いきなり登場のメインは、焼き鳥重。
以前は焼き鳥丼でしたが、つい先日からお重に変わったのですよね。
 
個人的に米花さんの焼き鳥丼も重もいただくのは初めて。
 
みなさんの写真で拝見して、噂では伺っていましたが・・・
 
ご飯を隠してしまうボリューミーな鶏、を隠してしまう海苔。
 
トリ、ノリ、モリモリの盛りです。
 
ちょいと海苔を避けると、こちらは"身"と呼ばれるモモ肉。
 
ジャキッと強めの歯応えで、脂が濃厚な鶏の味を出します。
 
こちらはレバーとハツ。
レバーはふわりとろり、とてもソフトにとろける食感。
ハツはブチュッと生々しい食感で脂が炸裂。
 
濃厚です。
 
小付けは、よく煮汁の浸みた大きなカットの大根。
 
米花さんのこの手のお料理は「煮物」と呼ぶか「おでん」と呼ぶか迷うのですよね。
個人的にはこの日は「大根煮」と呼ぼうと思ったのですけど・・・
 
裏にがんもと厚揚げが隠れていましたね。
これを見てしまうと「おでん」のような気もしてきました。
 
というわけで、この日も楽しく美味しい朝ごはんになりました。
Jさん!また色んなところでお会いしましょう!その日まで油断せずに。

清澄白河の「il tram」で3月のコース。

3月19日(日)、すっかり春めいた日曜日だったこの日。
 
冬から春へと変わり目の3月のコースをいただきに清澄白河のil tramさんへ。
 
もちろんこの日も予約で一杯。
 
それも結構常連さんが多かったようですね。
もともと"おしゃべり好き"感がにじみ出ていたシェフですが、最近はあふれ出てしまっているように思います。
 
今月もよろしくお願いします。
 
外光のおかげか、カウンターがいつにも増して明るく感じられます。
 
最初にフォカッチャが登場。
最近定番のイタリア産の小麦100%のものだそうです。
 
香ばしさが立っていて、酸味や辛みに近付きそうなキリッとした旨み。
 
蕪のズッパ 菜の花 蛍烏賊。
器の中の枯れた蔓と合わせて、白い蕪は"雪"、菜の花は"芽吹き"、といったところでしょうか。
 
いきなり春ですね。
 
バターやクリームを使わない蕪のズッパ。
 
蕪の青っぽいクセがなくすっきりした味わい。
シェフによると、皮を厚めに剥いて使っているのだとか。
 
玉ねぎが甘みと旨みの深さを加えているようです。
 
蕪の葉っぱを粉末にして振りかけたのだとか。
この辺りの演出にシェフのセンスが出ています。
 
富山産だという蛍烏賊は「かなりミソが詰まってきました」とのこと。
旬の上物の蛍烏賊は、ミソはもちろんのこと、身の旨みも魅力的なのですよねえ。
 
続いて、壺が登場。
先月はお皿で提供されたのでちょっと久しぶりです。
 
さてさて、上から覗きこむと・・・
 
ブッラータ 寒締めフルーツ人参 アーモンド ディル。
 
雪の下で越冬させて、糖度を高めたフルーツ人参。
今までにもいただいたことはあったと思いますが、こちらは特に甘みが強く感じられました。
もちろんただ甘いだけでなく、人参のちょっぴりクセのある香りも。
 
il tramさんの使うブッラータは塩気がしっかりして感じられるので、甘いソースがよく合いますね。
 
グリーンアスパラガスの温製 ペコリーノ・ロマーノ 半熟卵 ボッタルガ。
il tramさん春の定番メニュー。
 
ズッパになかった分の温玉とペコリーノ・ロマーノはこちらで登場ですね。
 
昨年いただいたものは佐賀県産でしたが、今回はイタリア産だそう。
 
先日まで使っていた佐賀県産が細くなってしまって、「イタリア産がいい」と聞いてシフトしたのだとか。
イタリア産のアスパラってあまりイメージがありませんでしたが、そういえばナポリピッツァに乗っていたりしますかね。
 
火入れもあるかもしれませんが、ポキッと強めの歯応え、そして中から水分がジューシーに。
甘みは弱めですが、強い旨みとスモーキーな香りの、雄々しい味わいでした。
 
ひとくち、ふたくちアスパラだけでいただいた後は、温玉を割ってチーズ、ボッタルガと絡めていただきましょう。
 
言ってみれば、簡易カルボナーラを自分で仕上げていくようなイメージですね。
 
ペコリーノ・ロマーノが塩気の強いチーズなので、ボッタルガと合わせると強くなりすぎそうに思ってしまいますが、
濃厚な卵黄のコクと、アスパラの力強い味わいと相対するとバランスが取れているのですよね。
 
先にアスパラだけでふたくち食べてしまっていましたが、気付くと「ソース」がなくなってアスパラがひとくち残ってしまいました。
むさぼるようにソースを拭って食べてしまっていたようです。
 
鮮魚のヴァポーレ 春キャベツ 大黒しめじ 香草風味。
「今月も真鯛でごめんなさい」とのこと。
 
「でも今月は、いつもなら使わない腹身を使っているんです」とも。
ふむふむ、それは楽しみですね。
 
まずはフィルムを開くと、しめじの香りが強いですね。
 
もうさすがに旬からはズレていると言っていいと思いますが、それでも貫録の存在感です。
 
こちらが噂の真鯛腹身。
想像したよりは締まった身質でしたが、噛みしめると内から脂が流れ出て、口いっぱいに旨みが広がりました。
 
春キャベツは軽い甘み。
 
後半は、定番のハーブを合わせます。
 
今回はソースが黄色ですから、紫の菊花の方が映えたかな?
キャベツの甘みとコリアンダーの香りが面白い組み合わせでした。
 
チコリの1時間ロースト ゴルゴンゾーラ・ピカンテを添えて。
今回はベルギー産のチコリ、チビデブなサイズ感です。
 
最近は表面の焼きが強くて、内の方に水分を閉じ込めているような仕上がりに感じています。
その辺りをシェフに確認したところ、
「チコリ自体の個体差を活かすために、調理自体はあえて『全く変えていない』と言ってもいいほど」
なのだそう。
 
この辺りの苦味が、もともと複雑な風味にあってまた新たな神秘性を投げかけてくるのです。
とても美味しい。
 
今回のチコリは「水分の少ないもの」だったそうなので、そーゆーときはこーゆーふーになると記憶しておこうと思います。
 
今月も素晴らしい仕上がりでした。
 
グリーンピース レモン フェットチーネ。
 
最後に卸したレモンピールが、かなり酸のある香り。
果汁も搾ったのかと思ったほどでしたが、皮だけだそうです。
 
ちょっとザラつきのあるグリーンピースのソースは、青っぽい香りが強め。
しっかり甘みも感じられて、そこへペコリーノの乳感とレモンの爽やかな香りが合わさるので結構独特の風味になりますね。
 
全体的にはりんごとかバナナを思わせるフルーティーな感じといったところでしょうか。
 
残ったソースをいただく用に匙を出していただけました。
 
パスタを食べ進める段でそんな気はしていたのですけど、ソース自体にはさほど甘みはありませんでした。
他のテーブルからも「グリーンピースってこんなに甘かったっけ!」と声が聞かれたくらいだったのですが、
フェットチーネにかなり甘みがあったように思います。
 
食材の組み合わせ自体かなり新鮮なパスタでしたが、
そんな個性的な1皿の中にあって、モッチモチの弾力はもちろん、味わいとしても主張のあるフェットチーネだったと思います。
 
Maiale Nelo 干し葡萄とカシス ワイルドハーブ。
マイアーレ(豚)・ネロ(黒)で「黒豚」、何でも北海道で飼育されている黒豚のブランドなのだそうです。
 
黒豚というと鹿児島や沖縄の印象があって、僕はまったく知りませんでした。
ちなみにいつからか名称が変わったのか現在は「マイアーレ・エベツ」の方が一般的のよう。
 
とんかつを除けば、国産では外国の豚肉に敵わないと感じていましたが、これは・・・!
 
黒豚なだけあって、豪快にぶりっと入った脂のインパクトが強いですね。
 
塩胡椒をしっかりめにしてあるということで、そのまま食べて大丈夫とのこと。
 
甘酸っぱいカシスとバルサミコ酢のソースは別添えで、「お好みに合わせてお使いください」と説明がありました。
 
すごい厚み。
 
せっかくなので大きめのひとくちにカットしていただくと・・・やっぱり脂の味が濃厚。
食感は、外国産のものに比べるとちょっとゆるめで、跳ね返りが弱いという感じ。
 
やさしくほぐれる身やパンチの強い脂といった、黒豚の特徴がパワフルに出たお肉でした。
 
本当に甘酸っぱさ満点のソースも使って。
お肉自体で十分魅力があったので、使う前は蛇足かとも思いましたが、
使い始めると「ないと物足りない」と感じてしまうほど相性のいいソースでした。
 
今月もスタートからゴールまで寸分の隙もなく楽しませていただきました。
季節感、素材の魅力、組み合わせの妙・・・
挙げ出したらキリのないエンターテイメントに溢れたコースでした。
スタートからゴールまで・・・とはいっても、また来月のスタート地点めがけてワクワクする気持ちは既に走り出しています!
またよろしくお願いします―♪

築地の「高はし」で桜ます塩焼(シモ)。

お昼は高はしさんへ。
 
お店に到着したときは5,6人並んでいましたが、ちょうど入れ替わりのタイミングだったようでスルスルっと入店できました。
 
3代目によると「仲卸の見学は10時以降」というルールができて以来、10時以降のお客さんが減っているのだとか。
 
おかげで僕もほとんど待たずに入ることができたのかもしれませんね。
 
注文はこの日から始まった桜ます塩焼(シモ)(3000円)。
部位は身(3500円)、カマ(4000円)の3パターン用意されていて、この時点で身、カマは売り切れていました。
 
ちなみに、僕がお店にいる間にシモも残り1人前になっていたようです。
 
手前にひとひら散っていますが、"桜ます"という名前に負けることなく、春爛漫な魚ですよね。
 
淡くもあざやかな桜色に、さわやかな香り。
 
シモは脂乗りは1番控えめで、ボリュームは最重量級の部位と言っていいと思います。
 
過去にも書いていますが、個人的には桜ますはシモが1番好みなのですよね。
 
どのアングルで見ても素敵。
熱いうちに早速いただきましょう。
 
お箸を入れて断面を拝見、お花見とまいります。
 
アラ!きれい!
 
「桜ます」の名前の由来は、桜の開花と時期が被るからという説もあるそうですが、断面を見る限りはこの桜色からきているという説が俄然有力に感じられます。
 
ほくほくで、サケマスにしては軽やかな香り。
旨みと合わさると、その香りに力強さが加わります。
 
身やカマに比べると、シモの部位の中での味や食感の違いは小さいものの、
やはりかなり広いサイズで取られているので要所要所に違ったポイントもみつけられて楽しかったです。
 
桜ますは、お店イチオシの魚で、常連さんにもファンが多いのですよね。
来週、あわよくば再来週までこの活気が続きそうだなと想像しながら、ごちそうさまでした!

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