セテュヌ・ボンニデー。
覚えにくい上に、覚えていても正しく読めない店名です。
「デュヌラルテ」出身で「365日」オーナーの杉窪シェフがプロデュースされたお店だそうです。
ある程度パン好きな方でないと訳の分からない説明かもしれませんけど(笑)。
従来のパンとは別次元を目指しているかのような365日とは違って、こちらは王道を一歩先に進んだイメージ。
取っ付きやすいタイプの「良いパン」が豊富に並んでいます。
クロワッサン(150円)。
整った巻きが美しく、まずはサクッと軽い表面。
断面を見ても層の美しいこと。
薄いながらもモチッとした生地感をしっかり湛え、バターも粉も香ります。
これは美味しいです。
クロワッサンオザマンド(210円)。
アーモンドクリームがぽってり乗っています。
焼き込みすぎず、バター感を濃厚に感じさせる甘み。
クイニーアマン(160円)。
小振りですが、見るからに濃いです。
裏返すとちゃんと折り込んであります。
浮いた糖も濃厚さを期待させますね。
中心には蜜の層がたんまり。
表面に浮いたグラニュー糖に、キャラメリゼ、溢れる濃厚なバターが混じりあって立体感のある甘みが生まれます。
食感もジャキジャキもちもち。
小さくても満足感は大きいクイニーアマンです。
パンオノア(160円)。
しっかりあく抜きをして、甘みだけを残したくるみを使っているのだそう。
むっちりと引きの強い生地にたっぷりゴリッと入ったくるみは確かにすっきりとした甘みです。
が、くるみ好きとしてはあくも美味しく感じる気も(笑)。
「秋刀魚の肝の苦みを抜きました」と言われたら、秋刀魚好きが物足りなく感じるようなイメージ(笑)。
美味しいは美味しいですし、すごい技術だと思いますけどね。
あんクレーム(210円)。
注文を受けてからマスカルポーネと生クリームをブレンドして作った特製クリームを注入して仕上げてくださいます。
あ・・・、これは美味しいわ。
ほんのちょっとだけ残るマスカルポーネのチーズくささと純ミルク感を発揮する生クリーム。
両方にない部分を補い合って、見事なバランス。
甘みはあんに任せてあるのかなー。
生地もミルキーで、バター由来のものかちょっと塩気。
クリームパン(140円)。
普通のクリームパンより強い食感。
フランスパンほどはいかないものの、ムチッと引きがあります。
カスタードはほんのりやさしいバニラの香りとほどほどの卵の風味。
まあまあ甘いですが、バニラの風味にはこれくらいの甘味の方が合うかもしれませんね。
キノコタルティーヌ(310円)。
きのこのソテーにたっぷりのホワイトソースと仕上げのパルメザンチーズ。
きのこのソテーはガーリック風味かな?バジルも感じたと思います。
もしかしたら バゲット自体ガーリックトースト風にしてあるのでしょうか。
焼いて詰まった状態でちょうどいいくらいに仕上げたベシャメルがいいですねー。
サーモンとほうれん草のキッシュ(410円)。
サーモンは一本買いして自前で調理されているそう。
具材が多すぎてアパレイユは少なめ(笑)。
表面のチーズ、厚みはそれほどでもないものの見事な焼き色。
風味良いです。
よくあるパン屋さんで使われるサーモンと違って、本当にサーモンの味がするのが分かります。
アパレイユが少ない分ほうれん草がとろみの役割。
キッシュ、というより魚料理として成立しています。
店内にはその日使われている野菜の産地が表示されていたり、素材へのこだわりは細部にまで渡ります。
本格派系の生地は気持ちハードめなのが気になりますが、たまの贅沢に使いたいお店でした。