とんかつ気分でこの日のランチは、常磐線を金町で途中下車。
気になっていたとんかつ屋さんへ伺います。
喝。
1984年創業ということで、31年目と意外に老舗。
強面のご主人が開店前に写真の鉢を出して水をやっていたのがちょっと微笑ましかったです。
広めの店内はテーブル席中心、それも壁で仕切られたボックス席なのが独特の雰囲気。
チェーンの居酒屋みたいな内装です。
席に着くなりお通しと雑誌を提供されます。
お通しはキムチ、高菜、オリーブ、ベビーチーズ。
どれも居酒屋にありがちな感じ。
特別コメントもありません。
こちらは低温揚げのお店で時間がかかりそうなもののこのおかげで口寂しくはなさそうですが、心的には満たされなさそうなので前菜を頼むことに。
ポテサラ日本式(470円)。
手前の葉っぱは何かと思ったらパセリでした。
たっぷりのマヨネーズにクリーム状になったポテトとゴロゴロカットのポテト。
他に具はハムとスライスの玉ねぎとみじん切りの人参。
見た目には分からないのですけど、結構スパイシーでした。
引きはほどほど。
カキフライ(340円)にタルタル追加(30円)。
冬季限定のメニューだそうです。
かなり大粒の牡蠣を使っていそう、小田保さんには及ばないものの拮抗しています。
揚げはやや浅めですが、衣がピンと立っていますね。
そして成型がかなり整っています。
網目と合わせて何だか幾何学的にすら見えてきます(笑)。
ジュバッとジュースが溢れてきます。
せっかくたっぷりのジュースですが、衣が厚めな上にあまり油切れしないタイプの揚げ方なので、牡蠣の旨みが揚げ油に押され気味だったのがちょっともったいなかったです。
使っている油自体主張の強いものではなさそうなのですけどねえ。
続いてとんかつ用のセットが登場。
お店イチオシの白醤油に大根おろしとおろし生姜用の生姜。
生姜、一人分には大きいですね。
いも豚ロースカツ(ロイン)(2130円)。
淡い色の衣が印象的なとんかつです。
千葉県産の銘柄豚いも豚を使用。
さつまいもやタピオカなどのでんぷん質の多いいも類を餌にするのだとか。
「豚ピオカ」になっていてもおかしくなかったですね!
もう1点このお皿で気になる部分と言うと・・・
野菜。
とんかつと言えばキャベツの千切りが定番ですが、こちらは数種の野菜のサラダを盛り付けてあります。
キャベツも少し混じっていたと思いますが、千切りではなく。
多くは白菜、他ベビーリーフやもやしなど。
味はありませんでした(苦笑)。
卓上にドレッシングが2種類用意されていたのでそちらを使うといいのかも。
とんかつは肉の色が衣に勝っています。
低温揚げのとんかつっていただいたことがなかったので、憧れだったのですよね。
何だか奥ゆかしくて、日本人の美意識を刺激される感じ。
カキフライはほどほどに揚がっていましたが、こちらが喝さんの真骨頂ですね。
じとっとした衣がぴたりと密着した身はサクッと噛み切ることができます。
ギュッとすぐ美味しさが広がります。
ロインは脂が少ない部位ですが、それでもロースなので円周上は脂が付いています。
脂の甘さが特徴の豚さんなので、十分にその魅力が発揮されていて物足りなさはありません。
冷めてくると身が固くなってきて旨みに角が立ち始めるので、ここらで白醤油に頼ってみることに。
衣が膨らんでしみ出た油をちょっと感じます。
これはそれほど面白味はないかな。
白醤油自体、想像通りに美味しくはありますがもう一歩必要性は感じませんでした。
食後に玄米茶と新しいおしぼり。
とんかつ屋さんだと食後のおしぼりは嬉しいですよねえ。
とんかつ専門店でとんかつをいただくのは久しぶりでしたが、やっぱり美味しかったです。
銘柄豚の特徴を感じることができたのも面白くて、個人的な嗜好にも合っていました。
この揚げ方は結構好きでしたし、低温揚げのお店は銘柄豚を使う傾向にあると思うのでまた狙って他のお店も試してみたいと思います。
喝さんは以前に比べて扱う豚の種類が減ったとかで、やや魅力が落ちた気もしますが、またときめくようなメニューが復活することを願っています。
とてもいい時間を過ごせました。
ごちそうさまでした。