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美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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新富町の「鮨はしもと」でおまかせコース⑩。

清澄白河からふらっと築地まで散歩して、少し休んでから新富町の鮨はしもとさんへ移動。
こんな幸せが続いていいのでしょうか、な連食です。


今回もよろしくお願いします。

目に眩しい白木のカウンター、若い木の香り。


今回もお湯呑は漏らさず掲載させていただきます。
最初はシャープなフォルムで、持つ指にかかりのいいもの。


突き出しは銀杏。
スタートからケラケラと笑い声の上がる盛り上がり。
ついしゃべるのに集中していたらみなさんのお皿が空き始めていたので、慌てて口に運びます。
むにむに。


お醤油とわさび、塩。
ついに10度目の訪問を迎えたこともあって、定番のこのセッティングを目にするだけで何だか幸せな気分が立ち上ってきます。


利尻の平目。
恒例の朝締めのもの。
淡い味わいで最初は少し探しますが、1度みつけてしまえば瞬く間にくっきりとする旨み。
エンガワの方が濃い味で分かりやすいですね。


山口のクエ。
生っぽくない不思議な歯応えと旨み。
炙った皮目の香ばしさも旨みの中に融け込んでいました。


道満蟹。
汽水域の浜名湖で獲れる珍しい蟹なのだそう。
いただくのはもちろん、名前を聞くのすら初めてでした。


味付けの方向性もあるでしょうが、甘みよりも旨みの際立つ味という印象。

ご主人の話によると、まだ市場でもあまり知られていない存在なのだそう。
珍しい食材にありつけてラッキーでした。


気仙沼の鰹。
藁で燻して香りが酸味と共鳴し合って凄味の出そうなところを、和辛子のツンとくる香りでカモフラージュ。

脂の面では物足りなさがありますが、味の見せ方で楽しませてくださいます。


続いてのお湯呑はこんなずんぐりしたもの。
飲み口も分厚くなって、口当たりが随分変わります。


筋子味噌漬け。
比較的筋子自体の味がはっきりと分かるような漬かり具合ですが、口に入れるとどこかのタイミングで必ず味噌の甘辛な風味が前に出てきます。

筋子も味噌も「前に、前に」な自己顕示欲、いわば「筋子顕示欲」です。


茶わん蒸し。
毎回この具材は季節感や意外性があって楽しみですが、今回は穴子
前々回にも1度いただいていますが、かなりハマったので願ったり叶ったりの再会です。


プリンのカラメルさながらにあしらわれた甘いツメ。
中から出てくる旨みをたんまり蓄えた穴子と絡めながらいただきます。
わさびも合う合う。


鰤漬け。
マカジキ辺りかと思いましたが、脂のよく馴染んだ鰤でした。
さっぱりした酸味や漬けの味付けで最初迷子になりかけますが、じわじわ脂から鰤の香りが感じられるようになってきます。
魚の味の強さ。


焼き物は、秋刀魚!
ちょっと前から良い香りが立ち込めていたと思ったら!もう!

もう!


今年の秋刀魚は脂が弱いですよねえという話になった上、しっかり脂を落とした焼き上がり。
と言いつつも、腹側(端っこ)の揚げ物さながらのパリパリや、脂の溜まった背側(真ん中)や血合いのトロトロはしっかり見せ場を作ります。

そして何と言っても肝ソース!
いいとこ取りではなく強烈な苦みの部分も敢えて強調、詰めて詰めて絞り上げた超濃厚な肝の味です。
薬味のミョウガなんてハッキリ言って、あってないようなもの(言っちゃった)。


お湯呑は再びシャープなものに戻ります。
ここから握りスタートの合図のお茶です。


先ほどの秋刀魚の余韻をかき消したくはありませんが、やはり握りに向けて1度リセットしなくては。

余韻に浸りたい・・・でも握りにも浸りたい・・・欲しガリな心を落ち着けます。


天草の小肌。
脂が少なく、〆はしっかりめ、酸味を軸にまとまった香り。
いつもの先頭打者ホームラン級の突き抜け感はありませんが、先頭打者の役割を文句なく果たす会心の一打でスタートです。


すみいか。
2番目にいかを入れてくるのはちょっと意外。
酸味で引き締まった口を癒す甘えるような舌触りで、味わいとしては甘みと旨みが強調して感じられました。


大間のまぐろ赤身。
まだ夏のまぐろですが、角の取れた爽やかな香り。

食べ終わってから気になったのですが、煮切りを忘れられていたような・・・?(笑)


明石の鰆。
鰹と同じく藁で燻してありますが、握りに使う方が香りは優しくするそう。
鰆の面白いのは、絶頂期ではないなりにその時期その時期の融け方があるところ。
濃厚な脂もいいですが、この日の香りが奔放に吹きすさぶような鰆も悶絶するほどよかったです。


三重の鯵。
「網」にこだわる鯵は、弾力に似た歯応えがありながらスッと歯の抜ける独特の食感。
もちろん、いい味。

鰆、鯵辺りは定番でコースに入りますが、通年外すことの少ないネタ。
「定番」と油断しているとガツンとやられるのでくれぐれも気を抜かれぬように。


大間のまぐろ中トロ。
先ほどと同じ個体。
甘み、旨みとも総量としては弱いものの、バランスの良い中トロらしい味わいでした。
こちらは夏より一歩進んだ印象。


いくら。
今年いただいたいくらの中でも皮のやわらかさはトップレベルで、ただやわらかいだけでなくパチッと弾けるフレッシュな感覚が気持ちいいです。


車海老。
火入れがもう一歩足りない印象で、そのせいなのか、もともとのモノのせいなのか味も薄め。
次回に期待。


ここで最後のお茶を。
口当たりの厚みは、薄手のと厚手のの中間くらい。

ここから定番の〆に入っていきます。


ウニは2種類、礼文島壱岐のものだと聞いたと思います。
礼文島はあまりいただいたことがないかな?


あと穴子が出て、お椀と玉子で終了となりますが、その前に気になるのは追加ネタ。
ご主人がこの日出ていないネタを教えてくださいますが、みなさんご主人に穴が開きそうなほど真剣な眼差しで見つめながら聞き入ります。

僕は1貫追加することに。


今回は尾の方で、身が上。
別にどちらが好みということもないのでどちらでも美味しくいただきますが、5回くらい連続でこちらに当たっているのでたまには皮目が上のものも懐かしくなります(笑)。


八幡浜の白甘鯛。
追加分はこちら。
まだ寝かせが足りないのかぶりっとした食感が残っていて、脂も馴染みきっていないかな。
白身の脂としての力強さの片鱗は見られて、また次回いただくのが楽しみになりました。
出会う機会は少ない魚ですから、色んな状態のものをいただいて勉強できるだけでもありがたいことと思います。


しじみのお椀。
なんだかすごく身体にいいことしている気持ちになる一杯。


最初の頃より味噌を感じるようになった気がします。
分かりやすい美味しさですが、味噌は極々薄くて「しじみだけでこんなに美味しい」という衝撃の旨みも懐かしかったりして。


デザートの玉子。

今回は終始楽しくて楽しくて。
うるさいくらいに話し続けてしまってちょっと反省。
そして味わっているときは黙るので話しかけられても無視をするという不器用で身勝手な僕ですが、またご一緒していただければ幸いです。

みなさんありがとうございました!

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