10月16日(日)、今月はMさんをお誘いしてil tramへ。
Mさんもいらっしゃったことがあるそうで、シェフもこのつながりは少し意外だったかもしれません。
今月は夜のコース(5000円)でお願いしましたが、少し趣向を変えて前菜が1品減ってパスタが1皿増えている旨説明がありました。
毎年恒例になっているパスタを外さずに新メニューも入れたい、というシェフの苦肉の策なのかも。
まずは季節の定番、様々な茸のブロード コラトゥーラ すだち。
今月の茸は「6種類間違いない」とのこと。
「天然」の茸なので仕入れによって種類にバラつきがあるのだそうです。
しめじがつややか。
とろん、ちゅるん、じゃきっじゃきっ。
ぷんと香るのはもちろんのこと、食感でも魅せてくれます。
フォカッチャ。
いつもと違う形でしたが、中か外かの違いだけだそう。
この形は恐らく初めてだったと思います。
今月の壺は、月初めに発表されたメニューでは「五郎島金時」とありましたがこの日は別だそう。
というわけで・・・
シシリアンルージュのソース。
シシリアンルージュはイタリア原産のトマトで、小粒で細身ながら甘みだけでなく旨みが濃厚な品種。
それも加熱することでよりコクが生まれると言われます。
バジルとの相性も抜群、ややバジルを飲み込み気味なほどに強いトマト感でした。
とてもさわやか。
秋刀魚のインボルティーニ カリフラワーのピュレ ボッタルガ。
前回宿題にしていた「インボルティーニ」たるゆえんを伺ってきましたよ!
やはり薄々感づいていた通り、パン粉と松の実のペーストなどを巻き込んで焼いているそう。
脂を吸ってちょっとトロッとした舌触りがありますね。
秋刀魚、ピンクペッパー、カラスミと主張の強い食材の組み合わせですが、「秋刀魚を軸にアクセント」というバランスを崩さないところがさすがです。
カリフラワーで全体がマイルドに。
チコリの1時間ロースト ゴルゴンゾーラ・ピカンテを添えて。
お久しぶりのチコリは、この日はオランダ産。
ちょっと小振りかな。
いつも何とも言えない複雑な味のするチコリですが、こちらは結構苦み寄りだったように思います。
イメージでいうとふきのとうとかそんな。
チコリの苦みに引かれて、ゴルゴンゾーラはミルクの甘みが現れます。
身厚で水分量の多い感じのチコリ、いつもと一風変わって面白かったです。
サルシッチャを詰めたラビオリ シャンピニオン レモン。
まずはパスタの1皿目。
このガラスの器、裏から中身を入れられるように作ってもらったそう。
今回は何かのツルでしょうか。
シェフが「今後も季節感を出していけたら」と仰っていました。
シャンピニオンはソースとフレッシュの2種使い。
ぽくぽくと独特の食感のあるマッシュルームが、ほのかに香りも感じられてさわやか。
ラビオリの中身はサルシッチャとマスカルポーネ。
言ってみれば「変わり水餃子(ワンタン?)」とかそんな感じでしょうか(適当)。
サルシッチャの香りが強めで、これだけでバシッと味が決まっていました。
そこへシャンピニオンの香り。
牡蠣のペーストで和えたピチ チャイブ。
パスタは前回と同じ手打ちのピチ、手間がかかるやつですね。
昨年は12月に登場した牡蠣のペーストですが、今年はこの時期に。
1皿当たり3粒を使用しているという濃厚なペースト、どろり、ざらりと舌に当たります。
チャイブが入るとどことなく和も感じられますね。
蝦夷鹿シンタマロースト 焦がし玉ねぎのピュレ ワイルドハーブ。
希少部位の内腿に当たる「シンタマ」を贅沢にいただきます。
丁寧な火入れで、断面のほとんどがロゼ色なのに1度目の驚き。
ひとくちカットして口に入れると、ストレスのかかっていないふわふわな焼き上がりに2度目の驚き。
ワイルドハーブで口をすっきりさせます。
食後は紅茶。
今回もどれも大当たりといった感じで、大満足でした。
毎月通って季節感を感じられる、そういうのってお寿司屋さんとか和食屋さんのイメージが強かったですけど、各ジャンルでこういうお店を持ってみたいものですね。