lockandgo65

美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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湯島の「ties」でオリジナル、エムフロマージュ。

この日は築地を離れ湯島の"ties(タイズ)"さんへ。
 
前回訪問は・・・2015年の年末。
2016年はお邪魔せずじまいになっていたのですね。
伺ったときに満席で入れなかったり、
ケーキが売り切れていたり、
臨時休業日だったり、
 
なんていうことは何度かあったかもしれません。
 
この日は幸いカウンターに空席があり、狙っていたケーキも"最後のひとつ"が残っていました。
 
エムフロマージュ(390円)。
低温で長時間かけて焼き上げたというベイクドチーズケーキ。
 
僕の後に3組続けて、
「エムフロマージュで」
「申し訳ございません、そちらは先のお客さんで売り切れてしまいまして・・・」
というやり取りが聞こえてきて、僕も申し訳ない気持ちでいっぱいになったのは言うまでもありません。
 
やっぱり凄味の出やすいネルドリップのコーヒーにチーズケーキって合いますからねえ。
 
またこちらのチーズケーキの、スタンダードなベースに少し個性を漂わせてある造りも興味を誘うのですよね。
 
先端近くは粉糖が多めな上に、底側にもレーズンとバターの濃厚なビスケット生地が仕込んであって、
甘みと香りが豊かに彩ります。
周縁に近付くにしたがって華やかな風味が抑えられていって、粉が素朴に香っていた生地に意外にしっかりとチーズが蓄えられていたことに気が付きます。
 
しっとりしているように見えて、ぽそぽそと水分の少ない生地なのですよ。
これが粉っぽく、実際粉の香りを放っているのですが、決してパサつきが舌に嫌な感覚だったりはしないのですよね。
全体にムラなくこの絶妙な一線を保った仕上がりで、丁寧な仕事を見せていただけた気がします。
 
エムフロマージュの「エム」って何のことか説明はみつかりませんでしたが、
個人的には「mi-cuit(ミキュイ)」、つまり「絶妙に火入れされた」といった意味合いでも合いそうな気がしました。
 
全然関係なくて、人の名前とかだったりもしそうですけど(笑)。
 
オリジナル(700円)。
自家焙煎のジャンルから、オリジナルの"ブレンド"ということだと思います。
 
30gの豆で110ccの抽出。
僕も結構濃いめに淹れる方だと思いますが、それでも多くても25gくらいなので、こちらはかなり多いように感じます。
 
熟成した赤ワインのような、渋みのある紫色。
 
ちょっと本当に酔ってしまいそうな趣に恐る恐る口を付けると、
まずは舌の上の感覚の一切を蹂躙するかのような痛烈な味わい、
続いて、麻痺した舌を通り抜けて突然に鼻から抜ける甘い誘惑的な香り。
 
複雑な風味にゆっくりと舌を慣らしながら、要所要所でエムフロマージュの素朴な癒しと甘美な味わいを合わせて楽しみます。
 
恥ずかしい話ですが、僕も久しぶりにいただいたら結構びっくりしてしまうくらい強い味でした。
ただ、それに負けない主張のあるケーキを自家製で豊富に用意してくださっているので、
こちらではぜひぜひケーキと合わせて注文されるといいと思います。
 
また他のケーキ、他のコーヒーも様々な組み合わせで楽しんでみたいと思います。

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