2月5日(日)、前回訪問から半月ほど空いてしまったグリル佐久良さんへ。
トコトコ歩いてくるので動いているうちは温まっているのですけど、いざお店に着いて開店を待って止まっていると結構寒かったですね。
いつもと違うテーブルに案内していただきました。
テーブルクロスが違うとちょっと印象が変わりますね。
注文は決めてあったので、そのままお願いします。
チキンメリーランド(1900円)。
検索すると「チキンのメリーランド風」のレシピは結構出てくるので、そこそこ一般的な洋食メニューのようですが、
由来に関する情報がネット上にあまりみつからなかったのですよね。
ちょっと図書館で調べてみたので、その成果は文末に載せますね。
きっと長くなるので、ここで説明を始めたら料理が冷めちゃいますから( ̄▽ ̄)
今回も豪快にソースが沸きに沸いています。
さて、メインの方に目を移しますと・・・
まずトップに目玉焼き。
佐久良さんの目玉焼きは、新鮮で張りのある黄身が毎回安定の半熟仕上げなのですよね。
とはいえあまりのんびりしていると余熱が火が入ってしまうので、テンポよくいただきましょう。
チキンには少し衣が付いているようです。
はみ出ているのはベーコン。
目玉焼きの白身をめくって、その姿をしっかり覗いてみますと・・・
とろけるチーズまで登場!
チーズはとけて底面まで広がっているので、重なっている順番が分かりにくかったのですが、写真の感じだと、
下からチキン、ベーコン、チーズ、目玉焼きといったところでしょうか。
モーニングのサイドメニュー勢ぞろいという感じですね。
カットすると、中までしっかり火が入りつつとってもジューシー。
このメニューも、そしてこの日も安心の佐久良さんクオリティです。
ちょっと珍しいと感じたのは、皮目が下側にあった点。
たまったソースやら、流れ落ちてきた肉汁を吸ってしまうので、カリカリにはなりませんが、
B級な方面に爆発する美味しさでした。
黄身への入刀も、ちゃんと間に合いました。
ベーコンと目玉焼き、チキンとチーズ。
鉄板の上で、鉄板の組み合わせでしたよ!
佐久良さんのメニューの中でも、比較的ボリューミーに感じられた気がします。
ごちそうさまでした!
そして、チキンのメリーランド風なのですが・・・
まずは洋食の本を探してみたのですけど、フレンチやイタリアンと違って"洋食"の本って結構少ないのですよね。
そして洋食の由来に関する記述をみつけても、大抵はシチューとかカツレツといった横綱どころの定番のエピソードに留まっていて。
というわけでちょっと切り口を替えることに。
名前からして「アメリカ合衆国のメリーランド州」と関係していると踏んでいたので、
米国の食文化の本を探してみたら・・・それっぽい記述を発見!
「アメリカは食べる。」(作品社:東理夫)という斬新なタイトルのその本は、736ページあって心が折れかけました・・・(^^;)
関係しそうな部分を引用しますね。
アメリカ南部の名物料理に「サザン・フライドチキン」があると前にも書いたが、南部各州にそれぞれにフライドチキンの名品が存在する。メリーランドは南部の入り口に位置する州で、ここの「メリーランド・フライドチキン」はまた独特のうまさがある。大型の酢キリットの深さの三分の二ほどのたっぷりの脂――ベーコンドリップを加えた植物オイルかショートニングを熱し、小麦粉と塩・コショウを入れた紙かビニール袋に、適当にぶつ切りにした骨付きの鶏肉を入れて袋を振って粉をまぶす。これを熱くなったスキリットに入れて全体にいい色が着いたら火を弱火にして蓋をしてじっくりと揚げる。揚げ上がったら別皿にとって温めておき、スキリットの脂を大匙四杯残してあとは捨て、小麦粉を加えて色が着くまでかき混ぜ続ける。それにクリームとミルク、塩・コショウで味を調え、温めておいた皿の上のチキン全体にかけて供する。このグレイヴィの存在が、メリーランド・フライドチキンの白眉だろう。ここはもっと南部のルイジアナのケイジャン料理「ルウ」の影響が色濃い。(P.112の最終行からP.113の10行目まで)
要するに、アメリカ南部の州にはそれぞれ特色を持ったフライドチキンがあって(ケンタッキー州のはケンタッキー・フライドチキン!)、
メリーランド・フライドチキンは揚げ油にベーコンドリップを加える、のだそう。
このベーコンの香りを付ける、というのを「メリーランド風」として洋食のチキンソテーに取り入れたのが、
チキンメリーランドの源流なのではないかと思います。
と、この記事に間に合うように調べられたのはここまでですが、
「日本に取り入れた」タイミングのエピソードも気になるので、追って調べてみたいと思います。
とりあえずチキンメリーランドの肝は、ベーコンを一緒に炒めるなりして香りを付けるところにあるようですね。
さらに、できれば佐久良さんのようにチキンに衣など付いているとよりそれらしくなるということかもしれません。
長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました♪