久しぶりに若林のパリの空の下さんへ。
行こうと決心したこの日に限って定時直前に仕事が次々浮上したり、向かう途中電車が止まったりして困りましたがどうにかお店に到着。
売り切れ覚悟で並びましたが、奇跡的にちょこちょこと色々なものを購入することができました。
くじけずにお邪魔してよかったです。
低温長時間焼きローストビーフのサンド(950円)。
読んで字のごとし、といったメニュー名。
お肉の断面の輝きからストレスのかかっていない火入れを感じ取れます。
パンはチャバタ、ソースはマヨ系のソース。
パリの空の下さん王道の組み合わせで、シンプルに牛の美味さを堪能します。
最初の一噛みでものすごくふんわりした仕上がりに感じましたが、それでいて不思議と歯応えもあることがジワジワ分かってきます。
肉々しいたくましさと、羽毛のような軽さと、両方を感じられる面白い食感。
噛むごとにチャバタに甘さが出て、肉の雄々しい旨みをほぐしていくような、極上の肉料理として味わうサンドでした。
牛スジの煮込み マルセイユ風(950円)。
煮凝り状になった煮込みをパンドミでサンド。
以前いただいたトリップ・プロヴァンサルのサンドと同系統と考えていいかもしれません。
僕の乏しい知識だと、「マルセイユ」と聞いてまず思い浮かべるのはブイヤベース。
トマト、ニンニク、ハーブを香らせた煮凝りのコラーゲンが融けてソースに、グリグリッと独特の歯応えが印象的な牛すじももう1段階コラーゲン。
またこれ系の煮込みはパンとの相性も折り紙付きですから、サンドイッチにももってこいな馴染み。
目が回りそうなほど美味しくて「これが"マルセイユルーレット"か・・・」としみじみ感じ入りました。
クイニーアマン(350円)。
前回いただいた際は塩気がギラッと効いていて、それと甘みの強烈なバランス感覚がまるで強風の中を一糸乱れぬ造作で綱渡りするような仕上がりでしたが、
今回は甘みとバターの香りの融け合い方、混ざり合い方が印象的でした。
パンオレザン(350円)。
久しぶりに購入。
シェフのブログによると、パリでの修行先「ジェラール・ミュロ」で作っていたパンオレ生地を使ったものだそう。
ちょっと淡い色のサルタナレーズン、皮が柔らかくて軽い甘み。
そして今回こちらを選んだのは、高騰するバニラを今のうちに堪能しておきたかったからで。
貧乏根性で申し訳ない限りですが(^^;)
ブリオッシュ・フィユテ・エクストラ・オルディネール(450円)。
数あるブリオッシュ・フィユテの中でも「プレーンなタイプ」とのこと。
バターの香りはもちろん、卵の甘み・旨みもまろやかな主張を見せているのが印象的。
しっとりなめらかながら、モッチンとキレのある弾力。
ルーロー・キャネル(550円)。
こちらはシナモンの効いたタイプ。
こちらの方がキツめの巻きに感じました、それでいて生地自体はふわっと。
生地自体の味がしっかりしているので、シナモンの香るところとメリハリのある味わいになっていました。
さくらんぼのクラフティー(650円)。
浅い色のタルトにさくらんぼの紅が鮮やかに映えます。
さくらんぼは酸味寄りの香りが鮮烈。
ナパージュやタルト、クラフティーの生地それぞれの甘みでさくらんぼの甘みが幅広く展開して、香りに昇華するイメージ。
軽やか、「軽い」わけではなくしっかり濃厚に軽やかな香りが吹き抜けます。
春一番、爽やかに強い風で桜吹雪が舞い踊りました。
ローズ・リュバーブ・フランボワーズ(750円)。
こちらも季節のリュバーブを使ったタルト、ローズの香りをまとったフランボワーズのコンフィチュールを乗せてあります。
まず先端のダマンドがふわとろで絶品でした。
リュバーブは外側はゆるめ、内側はしっかりした繊維を舌に感じる仕上がり。
水っぽさが生地に浸み出ることなく、一体にまとまった見事な火入れでしたねえ。
華やかな香りに、フランボワーズの種が歯に当たる感じが独特。
かなりパワーの強いコンフィチュールで、タルトの印象はやさしい味わい。
バランスはどうなのだろうと思いながらいただいたのですけど、食後感としてはダマンドやリュバーブがしっかりインパクトが残りました。
パンドミ(800円)。
6月は営業日が少ないので、ストック用にパンドミを2つ。
でもあっという間になくなってしまうのですよね(^^;)
バターの味と粉の味が、これほど芯強く、ガツンガツンと主張するパンドミって他には「ない」のですよね。
今回も色々購入することができて、大満足でした。
ついつい残っているものを満遍なく注文したところ、想定していた予算を越えてしまいましたが、
食べた感想としては、それぞれもう1つずつ購入しておけばよかったな・・・という感じ。
また次回伺う際も、後悔の残らないよう食欲のままに購入してきたいと思います。
ごちそうさまでした!