お昼は11月のイルトラムさんへ。
日中は少し気温の上がった日和でしたので、ちょっと汗ばみながらも懲りずに歩きました。
今月もよろしくお願いします。
前月は久々にテーブル席でしたが、またカウンターに戻りましたね。
フォカッチャ。
もっちりして甘みがあるのは多分国産小麦の特徴。
今回のズッパは銀杏。
銀杏は、2ヶ月前にいただいたパスタソースも大変香りよく美味しかったので期待大。
"銀杏"は旬からはズレているかもしれませんが、"大銀杏"がメディアを賑わす今日この頃、ある意味タイムリーとも言える食材ですね。
お皿が出るとまず柚子の香り。
口に入ると渋みとコクのある銀杏の味わい。
そして底にはズッパに隠れているのがもったいないほど鮮やかな帆立と蟹のテリーヌ。
珍しく塩気が強めに感じられたのですけど、シェフに伺うと「いつも通りほんの少ししか使っていない」とのこと。
何でも相当ガッツリ昆布出汁を効かせてあるそうで、その辺りが舌に響いたのかもしれません。
ブッラータ トマトとバジル エディブルフラワー。
赤の鮮やかなトマトのソース。
il tramさんではこれまでにもイタリアのトマトだったり、ブランドトマト「アメーラ」だったり様々なトマトを紹介してくださいましたが、今回は、
「静岡の普通のトマト」
だそうです。
トマトだけの甘みだということが俄かには信じられない強さの甘み、トマトらしい青っぽさのある香りと旨み。
ブッラータは水牛のミルクながら軽めの味わいで、デザートっぽい構成にいきすぎないところが飽きさせないツボかも。
真鯛 ポワロー 大黒シメジ ニョッキ。
定番のフィルム蒸し。
フィルムを持ち上げて重力を利用するようにして開くと破れにくいということを発見しました。
ポワローは飴色になるまで火を入れて甘く仕上がったものをいただく機会が多かったような気がしますが、今回は浅い火入れで辛みの名残りとシャープな旨みが前面に。
真鯛は色々な部位に当たる可能性があると思いますが、今回は腹身っぽいトロッとしたゼラチン質のあるもの。
鯛の甘みが際立つ味の構成で、鯛を美味しく味わえる1皿でした。
ハーブはイタリアンパセリ、コリアンダー、菊花、チャイブ、タイム、チャービルだったかと思います。
ハーブを投入するとソースが拭い取られる形になって、案外ソースに飲み込まれていた真鯛が浮き上がってきます。
チコリの1時間ロースト ゴルゴンゾーラ・ピカンテ。
定番のチコリ、今月はカリフォルニアだったと思います。
やや小振り、水分の多そうな個体です。
定番、というとこのところの「定番」になっていたお皿に落書きメッセージがありませんでした。
味わいも随分さっぱりした印象。
軽めの味わいながら、独特の苦みをはらんだ香りを感じることはできました。
ゴルゴンゾーラとの不思議な組み合わせも健在。
軽めのチコリでも、ゴルゴンゾーラのピリッとした辛みに負けない味の深みがあります。
牡蠣 半熟卵 リゾット。
不意打ちでこちらのお皿に誕生祝いメッセージが。
il tramさんの冬の定番である牡蠣のソース、今回はリゾットで登場しました。
自家製のフライドオニオンとピンクペッパー。
うずらの卵は一口で食べてしまいましたが、黄身が半熟になっていた気がしました。
そういえばメニューは「半熟卵」という表記でしたね。
イタリアのお米を使っているそうですが、花が咲くまでしっかり炊いてありました。
お米の旨みは飛んでしまった感はありますが、ソースをストレートに味わうという意味においてはひとつの選択肢としてアリなのかもしれません。
マッシュルーム リングイネ トリュフ。
マッシュルームのソース、フレッシュマッシュルームにグレートリュフ。
フレッシュマッシュルームとトリュフは、霜の降りた冬の朝を歩くようにシャリシャリとした食感。
自家製リングイネは麺の味に主張があって、その粗をソースで落ち着けているイメージでした。
寒くなった季節にこそ沁み入る良き香り。
マンガリッツァ豚 うずら豆 カカオ。
メインは珍しく2ヶ月連続となるマンガリッツァ豚。
部位も変わらず肩ロース、調理も変わらず低温調理。
ただ、肩ロースの中でも脂のしっかり入った部位に当たったことや、焼き目のトリミングなしの提供だったことで随分印象の違う仕上がりに。
うずら豆のピューレの上に散らされているのは「深煎りのカカオ」とのこと。
先日コラボディナーを開催されたご近所のアーティーチョークさんにお願いしたものだそうです。
カカオニブみたいな感じでした(カカオニブを食べたときは「カカオみたい」と言う)。
マンガリッツァ豚、今月も大きく丸を付けたい大正解な仕上がりでした。
何でもマンガリッツァ豚の輸入業者は1社しかないそうで、そちらの方がil tramさんにいらっしゃって大変満足されて帰ったとか。
そんな縁もあって2ヶ月連続のマンガリッツァ豚の提供となったようです。
仕入れをしてくださるだけでも大変ありがたいところ、il tramへのナイスな営業までしただき心より感謝申し上げます。
今後も美味しいマンガリッツァ豚を楽しみにしておりますので、シェフへ営業の方何卒よろしくお願いいたします。