この日は清澄白河でご飯を食べることになり、オープン以来気になっていたモダン中華の「O2」さんを予約してみました。
シェフは名店「トゥーランドット臥龍居」さんで15年働いたのち独立して地元のこちらに出店。
店名は酸素の化学式ではなく、シェフの名前である大津さんからとっているそうです。
ぶり、せり、はっさくのサラダ。
ソースは生姜とピーナッツオイル。
香り、酸味、コク、そして旨みと、欲しいところに必要なパーツがハマっている感覚のある完成度の高い味わい。
仕上げのパクチーがちょっとバランスを崩すところにも、その素材らしさが感じられます。
焼きたてチャーシュー。
客が店に来てから焼き始めるというシグネチャー料理のチャーシューです。
八角やシナモンといった五香粉の甘い香りが広がって、質感的には照り焼きのような焼き上がりでした。
あん肝最中。
花椒、大根とビーツの細切り、ソース代わりのパッションフルーツ。
お正月っぽいひと皿。
あん肝を最中に詰めてあって、レバーペーストとかリエットみたいな使い方をされています。
甘酸っぱい要素として何かジャムやコンフィチュールではなく、フレッシュのパッションフルーツを選ぶのもセンスのいいところ。
最中の軽やかさや大根の瑞々しさまで活かしきった1品でした。
京人参と中国ハムのスープ。
中国ハムの動物性の旨みでまとめた、甘いにんじんのスープです。
クミンが効いていて、結構とろみが付いているのでカレーっぽさも。
ミルクやクリーム、バターを使っていなさそうでポタージュとは全く違う感じ。
独特な粘りのあるスープでした。
お米とかを使っている感じ?
春菊餃子。
生姜の香る聖護院かぶのすり流しの中に、壺型の餃子が2つ鎮座していました。
すり流しは生姜が強めで、酸味にも感じられる辛み。
餃子は豚肉あんベースですが、春菊が香ります。
もっと春菊が強く出るかと思いましたが、案外しっかり豚が勝っていて食べ応えのある餃子でした。
中華ハムがワンポイントカラーでかわいい。
厚みがあってそれ自体モチモチな皮を、さらに食感が際立つような成型で仕上げてあります。
細部にわたる丁寧な仕事と繊細な味づくりの光る餃子でした。
杏露酒。
ソムリエの資格も持つというシェフこだわりのナチュールワインの他にも、バラエティ豊かなドリンクメニューが用意されていました。
サワラ春巻き。
鰆が魚偏に春なので、狙っているのか、春っぽいメニューですね。
絶妙に浅い火入れのサワラをパツパツに巻き上げて揚げてあります。
ヒレカツかささみかつみたいな淡白な揚げ物の香りがして、レモングラスで抜ける香りは爽やか。
余韻を濃くするXO醬と合わせつついただきました。
牛ホホ肉の豆豉煮込み。
八角の甘い香りが広がります。
ほほ肉箸で切れる柔らかさ豆豉旨いじゃがいも甘い
お箸で切れる柔らかさ、という説明がありましたが、その手の説明をされた中でも過去トップレベルに本当に柔らかなお肉でした。
じっくり時間をかけて蒸してあるようです。
見た目ほど味に重さはありませんが、お肉のコラーゲン質がとけ出しているからか、かなり粘度のあるソースになっていました。
じゃがいもも甘くて美味しい。
モダンチャイニーズという以前に、店主さんのせかい世界観が色濃く表現されたお店だという印象が1皿目から始まって終始変わることがありませんでした。
これが6000円というのは破格だと思います。
また間を空けず伺いたいなと思いつつ、ごちそう様でした!