体調の方も「いよいよ」というところまできたので高円寺駅でしばらく迷いましたが、せっかくなので中央線沿線の某ケーキ屋さんも伺っておくことに。
アニス、リカールのムース、5種のスパイスを効かせたキャラメルムースの2層仕立て。
周りはオレンジピールを入れたアーモンドの生地で囲ってあります。
商品名で分かるようになっていましたが「スパイス推しだけど主張は控えめ」なケーキ。
その分お酒の香りを華やかにしてあるのかと思いましたが、お酒もスパイスとバランスよく「おだやか」な印象でした。
キャラメルとスパイスのムースはちょっとチャイを思わせるような、こちらはすごくいいですね。
もったりとしたやや重めの食感でしたが、複雑に広がる味わいがよく舌に馴染みます。
アーモンドの生地は、ちょっとパサッとした舌触りからしっとりした口どけに変化しながら、ビターなオレンジの味わいと混じり合っていきます。
印象としては弱いのですけど、感じるところの多い繊細なケーキでした。
サバランもいただいておきましょう。
シロップをたぷたぷに吸ったブリオッシュの張りが、あまりに魅力的だったのですよね。
シンプルなのですけど、良いものってこれだけで十分に美しいですよね。
美しいというより「可愛い」の方が適切かな?
上に乗るのはシブーストクリーム。
さすがの軽さ、軽さの中にメレンゲの甘みの重さ。
そしてもっちりとした弾力もありますねえ。
シロップは不思議と強い甘さは感じなかったように思います。
お酒もパンチがあるというほどではなく、爽やかな風味。
フランス菓子としては甘さが弱くて浮付いた味にも感じましたが、感じられるそれぞれの味は雑味がなくストレートな伸びのあるものでした。
やはり生地、ムースの出来やスパイス、お酒使いは抜群ですね。
前回訪問時に比べてインパクトに欠けたのは、まとまりのある穏やかな2品を選んでしまったためかもしれません。
次回は、初訪問時の印象が強く残っているバタークリーム系や、まだ挑戦していないショコラ系やフルーツを使ったものなんか挑戦してみたいですね。