1月19日(火)、仕事帰りにパリの空の下へ。
このところ早めに会社を上がろうとすると「パン屋?」と聞かれます( ̄▽ ̄)
今月は予約で完売済みのガレットデロワがカウンターの向こうに積んであるので、もどかしいのですけど(^^;)
でも仕込みがしやすいのかタルト系が充実していて、さらに言うと予約していたガレットデロワだけ購入して帰る方もいたりするので結構色々残るのですよ♪
クロワッサン(400円)。
まずは定番どころから。
こちらのクロワッサンの焼きは確か「時間」や「焼き色」ではなく「芯温」での判断なので、日によって多少見た目にバラつきがあります。
単純に考えるなら、寒い季節は中心まであたたまるのに時間がかかりますから、自然表面はよく焼きになるのではないかと。
クロワッサンヴァニーユブルボン(550円)。
先日アナウンスのあったバニラは、タヒチではなくブルボンに。
5年前のシェフのブログを見ると、価格で言うとタヒチはブルボンの3倍なのだとか。
ちょっと間が空いたのではっきりとは言えませんが、風味はこちらの方が強いのではないかなあ?
タヒチは透明感のある香りでしたが、ブルボンは色鮮やかにフローラル。
あん肝のサンド白トリュフ風味(800円)。
一昨年辺りからあん肝は値段がかなり上がってしまって、お寿司屋さんでもあまり見なくなってしまいましたが、こちらは贅沢使い。
フランス産かな?
贅沢ボリュームのあん肝に白トリュフの香り付けと贅沢クオリティー。
あん肝というと、全てを飲み込んでしまいそうな濃厚な旨みの強さがありますからどうかと思いましたけど、食べてみるとトリュフが空気を読める程度に香る感じがいいですね。
勝ちにはいかないけど、負けない試合をする感じ。
以下はタルトです。
自分の番が来るまでは決して安心してはならないのがパリの空の下なので出来る限り残り商品を意識しないようにして待ちましたが、この日は結構残りましたねえ。
記事が長くてくどく思われるかもしれませんが、見る価値のある美しさだと思いますので写真だけでも見ていってください。
タルトフレーズ(あまおう)(850円)。
先日「さがほのか」のバージョンはいただきましたが、今回はあまおう。
あまおうの「お」、「大きい」を感じることができますね。
この日はピスターシュもマシマシ仕様なのだそうですよ。
実に美しい。
ゲイジュツのようです。
シェフの仕事が入った苺は芯の芯まで計算し尽くされたような食感のグラデーション、口に入ってから消えるまでが星が生まれて消えるまでのような煌めきです。
ちゃんと甘め、でも苺自体の甘さを消さないのが不思議。
ピスターシュはモチリと重みのある歯応えで、少しだけ杏仁のような香りも。
これ本当最高です。
タルトポアールパンプルムース(750円)。
こちらもシェフのスペシャリテのひとつなのだとか。
ピスターシュのタルトにパンプルムースのピンクとポアールの白が鮮やかに映えます。
期待以上にみずみずしいパンプルムースは、予想以上に苦みが走ります。
酸味と甘みを飲み込んだ苦み。
そこへとろりと溶け出すポアールのまろやかな甘み。
ピスターシュはタルトフレーズよりも杏仁の香りが強まっているように思いました。
意外性のあるいくつかの方向を組み合わせてバランスを取っているので、最初混乱しかけますがとてもしっくりくる味。
カシスの助けを借りたタルトレザン(750円)。
前回いただいたタルトレザンでは「若干ぶどうが負けている気さえしたりして」なんて書きましたが、やっぱりシェフもそう感じたのかこの日は「カシスの助けを借りた」のだとか。
これは見た瞬間から、なるほどなあな一手です。
やっぱりぶどうはちょっとぼやけます。
フレッシュで言うなら味、人気ともにトップレベルのフルーツですけど加熱調理には弱いのかも。
ドライフルーツにするといいですけどね。
カシスの働きがやっぱり素晴らしい。
赤ワインに寄るのかな、と勝手に想像していましたが、それとは少し違ってもう少しポップな印象。
まあワインのニュアンスに仕上げたいならワインを使えばいいわけで( ̄▽ ̄)
レザンを焼き込むことにちゃんと意味を持たせた仕事です。
タルトショコラ(600円)。
〆はタルトショコラ。
ショコラとアーモンドは見た目7:3か7.5:2.5くらいのボリューム比ですが、食べるとアーモンドの力強い味わいに驚きます。
ここでも杏仁な香り、というかここが1番杏仁の香りがした気がします。
タルト生地にもココアが入っていて全身ショコラを纏ったタルトなのですけど、アーモンドの味が主役になってくるほどの構成です。
ちょっとクセのあるアーモンドの感じなので違和感を感じる方もいるかもしれませんが、個人的には今年の元旦以来この味に魅了されているのでドストライクでした。
今回もいい夢見させていただきました♪
またよろしくお願いします!
ギャレットには手も足も出ませんが、それ以外のところで楽しませていただきます。