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美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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阿佐ヶ谷の「パティスリー・タツヤササキ」でアマンディーヌ、ルバーブのタルト、洋なしのタルト、ピスタチオとグリオットのタルト、ミルリトン・ド・ルーアン、フィナンシェ、マカロン・ア・ランシエンヌ。

この日は阿佐ヶ谷でもう1軒。
 
シンチェリータさんのすぐそばに、僕の好きなお店の2号店ができたと聞きつけたのですよ。
 
パティスリー・タツヤササキ。
西八王子にある本店に行ったのが3年前。
フランスで修行して、本場の味を再現することにこだわっているご主人の作る自然体なお菓子は、個人的に結構好みだったのですけど。
 
さすがに距離感がネックになって再訪できずにいたのですよ。
 
「また行きたいなあ」とたまに近況を調べてはいたのですけど、このたび検索してみたら阿佐ヶ谷に2号店ができたと。
こちらから行けないうちに、向こうから来てくださるという(笑)。
 
西八王子のお店は「ル・リベラリスム・シーロー・パティスリー・タツヤササキ」という名前でしたが、こちらはシンプルに「パティスリー・タツヤササキ」にしたようです。
 
アマンディーヌ(260円)。
本店にもあった商品ですが、こちらの方がシンプルな構成でリーズナブルな設定になっているようです。
 
またシンプルなだけに「作り手の腕が出る」とも言えるかもしれません。
 
しっかり焼きなのは極々表面だけで、うっすら透けて見える黄金色のやさしい仕上がり。
 
ピュアなアーモンドの香りは、決して強い主張はないものの雑味なく感じられました。
見た目ほど焼きの焦げっぽさが幅を利かせていないので、アーモンドの香りがよく分かるのですよね。
 
ルバーブのタルト(380円)。
赤ルバーブと青ルバーブの2種使い。
 
「本場の味」を謳うだけあって、ルバーブのほかミラベルやクエッチェのようなあまり日本では見かけないフルーツも積極的に使われているようです。
細かいところを言うと、レシートはちゃんと「タルトレット」という表記になっていました。
 
タルトは浅い火入れ。
なかなか出会うことのない、僕の個人的な好みよりも浅い色です。
 
本店でも感じたことですが、タルトごとに焼き色は差を付けていらっしゃるかもしれません。
前回もルバーブが特に白んだタルトだったのですよね。
 
タルトの中はルバーブの水分が残っていて、ダマンドと分離していました。
この辺は好みが分かれるかもしれません。
 
ルバーブの酸味とアーモンドのまろやかな甘みは相性がいいはずですが、何だか噛み合っていないような味の印象。
勝手なイメージですけど、仕上がりにブレがありそうな気がする1品でした。
 
洋なしのタルト(380円)。
こちらもド定番の洋なしをチョイス、ダマンドとの相性に期待です。
 
ルバーブよりはやや火が入ったタルト。
 
洋なしへの絶妙な焼きが美しいですね。
 
食べてみると、洋なしの味が抜けてしまっている印象でちょっと物足りない気も。
ギリギリの火入れのように見えたので、そもそもの材料の質の問題なのかもしれません。
 
タルト、生地、洋なしの食感の組み合わせは全体にゆるめなレイヤーで一体感があって食べて心地よかったです。
 
グリオットとピスタチオのタルト(380円)。
ピスターシュのタルトにグリオット、トップにローストしたピスタチオをあしらってあります。
 
洗練されすぎない見た目が好み。
 
無粋なことを言わせていただくと、タルトの中では断トツでこちらの原価が高そうな気がしますが、一律380円で揃えていらっしゃいましたね。
 
ありがたくいただきましょう。
 
ピスターシュのクリームは目を引くほどに深い緑。
ややレアめに仕上がって、グリオットとの融け合い方も絶妙でした。
 
ただ、量のバランス的にグリオットが強くなってしまっていたのがちょっともったいなかった気がします。
本場だと日本よりピスタチオが一般的だから、こういうバランスの使い方でも文句が出ないのかもしれませんけど(^^;)
それに、フランスで使える質のピスタチオならもっと濃厚に香るのでしょうね。
 
ミルリトン・ド・ルーアン(240円)。
こちらもノルマンディー地方の伝統菓子。
 
パート・フィユタージュの生地の中には、オレンジウォーターで香りを付けたクレームダマンドが詰めてあります。
 
「ミルリトン」は形のイメージから「帽子」を意味する名前なのだそう。
上部はカリッと、下部は少し脆くサクッと。
 
見た目のイメージより重みがあります。
 
ズッシリとダマンドが詰まっていて、口に入るとしっかりした甘みの中にオレンジの香り。
 
フィユタージュ生地は焼き色の印象よりも「焼き」が強く感じられて、全体の味わいに香ばしさを加えます。
 
フィナンシェ(170円)。
基本的に焼菓子は個包装されていましたが、フィナンシェだけは焼きたてを裸売りされていました。
 
こちらもちょっと角のいびつな感じが逆に好み。
 
金塊を意味する「フィナンシェ」の名前にはそぐわない色味ですが、こちらもそれほど火入れが深くないように感じられました。
表面ギリギリだけカリッとさせて、中の生地はとろりとやわらかな仕上がり。
 
もう少しバターの香りにインパクトがあるといいのですけどねえ。
使っているバターの種類の問題でしょうか。
 
マカロン・ア・ランシエンヌ。
こちらはオープン記念なのか、サービスで1つ付けてくださいました。
 
よく存じ上げなかったので、メレンゲのカリッとしたお菓子かと思いきやマフッとソフトな歯応えが独特な食感でした。
なるほどこれはクセになる感じで、「とりあえず1度食べてもらいたい」というお店の狙いが理解できる気がしました。
 
本店に続いて2度目の訪問でしたが、やっぱりいい印象でした。
突き抜けるような素材は使っていないので、味や食感は少しダレて感じられるところもありますが、素直に本場のイメージを伝えているお菓子なのだと思います。
修行先の地方の特色なのか、+αの香りのようなものがなかったのは物足りない気もしましたが、こういうものと思って慣れていけばハマってしまいそうな気がしています。
 
また伺います。

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