買い物に回った後は、場外に出て長生庵さんへ。
7時の開店直後に伺いましたが、朝イチからテンポよくお客さんが回転していました。
この日食べようと思っていたメニューは"夜メニュー"だったようで、この時間は注文できず。
とはいえ4番打者級の代打要員がずらっと並んでいますので、目移りしながら何とか2品選びました。
桜海老と新玉ねぎと新ごぼうのかき揚げ。
登場の段から、桜海老の色みと香ばしさが際立ちます。
ただ近付いて落ち着いて吟味してみると、新玉ねぎと新ごぼうの根菜特有の甘みと土っぽい香りも感じられます。
"根菜特有"とはいっても、土っぽさの中に若さが感じられる春の香りです。
衣全体に桜海老の赤みが移っているようにも見えますね。
気のせいかな?
でもいただいて見ると、衣のあちこちから桜海老感が顔を出すのですよ。
ひょこっとね。
桜海老が顔を出すのですよ。
ひょこっと。
そして瑞々しい新玉ねぎの甘み、新ごぼうのククッと引っかかる食感と香り。
それぞれにほどよく"強い"主張あって、面白い組み合わせのかき揚げでした。
季節が変わった頃にまた別のかき揚げもいただいてみたくなりましたよ。
春キャベツと鴨挽肉の和風ロールキャベツ。
こちらも春らしさを香らせる一品ですね。
「辛子や山椒で」とのこと。
鴨の濃厚な脂が、お出汁の表面を覆うように見てとれます。
お蕎麦屋さんのお出汁に、鴨の脂が融け出して、春キャベツの甘みが賑やかす。
さらにそのお出汁が鴨とキャベツに還ってくるという好循環。
鴨挽肉自体はそれほど脂を感じず。
でも、この下敷きになっているキャベツがたんまりと脂を吸っていたようで、ドロリの濃厚なとろけ方をしていました。
絶品絶品。
辛子を合わせると、後味がキュッと引き締まります。
個人的には少し強すぎるようにも感じました。
気に入ったのは山椒。
全体の印象をサラッと爽やかにするのですけど、なぜだか鴨挽肉の香りだけはくっきりと残るのですよね。
上述した通り、挽肉からは脂が抜けている印象で香りもあまり残っていないように感じていたので、山椒が魔法のようでした。
長生庵さんらしい、季節を感じられるお料理2品でした。
ごちそうさまでした!