タイは1泊だけだったので、夕食のお店は吟味に吟味を重ねて決定。
調べれば調べるほどいいお店があって随分迷いました。

Le Du。
2019年のアジアレストランランキングで20位に入る名店。
タイの伝統料理を再構築した料理を提供しているとのこと。
参考までに、同ランキングで「ブルガリ・イル・リストランテ」が18位、「茶禅華」が23位にランクインしています。

想像していたよりカジュアルな雰囲気。
広々としたダイニングに、若いスタッフがたくさんいらっしゃいました。
このお店を選んだ理由のひとつが、事前に連絡を取ったお店の中で頭ひとつ出て対応が良く感じられたのですよね。
実際お店でもみなさんとても親切でした。

まずはアミューズ。
フィンガーフードである点といい、器といい、浅草の「オマージュ」さんを思い出させるところがあります。

パインとピーナッツのキャラメリゼ。
ひとくちでパッと印象に残る風味。
それもタイっぽさを感じさせるところに、お店のコンセプトを提示する意味合いがあるのかも。

ビーツの酢漬けを花のようにあしらって、タルト生地の中には醤油とブイヨンのムース。
器の中に敷いてあるのは「ライスベリー」というタイ米だと思うのですけど、これもオマージュさんと同じ演出。

これもコース外サービスのアミューズ。
スモークしたバラクーダ(オニカマス)に、サバイヨンのソースとマルベリー。

英語が得意ではないので、正直恐る恐るではあったのですけど、バラクーダは冷燻になっていて引き締まった身質。
クリーミーなカルパッチョみたいなイメージでした。

前菜は、Khao Chae。
Khao Chaeというのは、タイの伝統的な宮廷料理で、ジャスミンライスをジャスミンの香りを付けた水に浸した"冷たいお茶漬け"のようなものなのだとか。

ジャスミンのアイスとおかず。
冷たいという要素を残しつつ、現代風の料理に合うよう作り直しているのがポイントですね。

豚肉、海老の揚げ団子。
他、魚のフレークや、切干大根のようになった青パパイヤ、ゴボウのフリット。
はっきりした味わいのおかずが少量ずつ盛られているのですけど、イメージとしてはお粥とトッピングみたいなバランスだったのかも。

魚料理、Ocean Cat Fish。
タイで魚といえば一般的だというナマズ。

見た目は蒲焼きみたいですが、スモークしてからフリットにし、スイートチリソースを絡めてあるそう。
添えてあるのは恐らく「ヤサイカラスウリ」の葉のフリット。

面白かったのはソースで、ナマズで取った出汁にコブミカンなどのハーブを効かせたものでした。
まあまあスパイシー、という説明を何とか聞き取れたので身構えることができていましたが、結構スパイシーだったので聞き取れていてよかったです。
魚の旨みがガツッと入っていて、素直に美味しいなあと感じるソースでした。

お肉料理はLocal Beef Short Rib。
Localというのはタイ産とかバンコク産とかいう意味で捉えればいいのでしょうかね。

ビーフはサシが細かく入っていてとても柔らかいけど、脂の重さを感じない味わい。
和牛とは違って軽さがよいですね。
下に敷いてあるのはバジルのペースト。
ソースはちょっと変わっていて、ストレートにグリーンカリーでした。
ほどよい辛さ。

メロンのピクルスに、ガーリックのソース。
やっぱり食材の組み合わせにタイの感じが出ています。
ガーリックのソースは「ルイユ」のことだと思うのですけど、聞いてもキョトンとされたのは違っていたのか、スタッフの方がご存知なかったのか、僕の発音が悪すぎたのかちょっと判然としませんでした。

アヴァンデセールの、コブミカンとのアイス。
もう一種類ハーブの名前をおっしゃっていたと思うのですけど、失念…。
さわやかなアイスでさっぱりメインのデザートへ。

Mango Panna Cotta。
パッと見ただけでもタイっぽさに溢れていますが、実際は細かく手の込んだタイらしさ満載の一皿。

マンゴーのパンナコッタにはスモークしたココナッツのアイスを乗せて。

向こうではマンゴーにジャスミンライスとココナッツミルクを添えるのが一般的なようですが、ドライのライスとココナッツファインが添えられていました。
そしてここにパンダンリーフの香り付け。

ミニャルディーズまでこの充実ぶり。

これ、失念してしまったのですけど、ピーナッツのお菓子とかだったように思います…。
ココナッツたっぷり。

こちらはパインのもっちりしたゼリーみたいな感じだったかと…。

フレッシュフルーツが出てくるのもタイっぽいところ。
マンゴー以外はあまり甘みがなくて、さっぱり。

食後はエスプレッソをいただいて、ごちそう様でした。
2時間限定の席と聞いていたのですけど、最後は「ゆっくりして!」とおっしゃっていただいてしまいました。

アジアレストランランキングで4連覇を果たし、2019年には世界4位に輝いたインド料理の世界的名店「ガガン」。
正直にいうとこちらが本命で、キャンセル待ちをお願いして、当日もお店まで行って空席がないか聞いてみたりしたのですけど、世の中はそんなに甘くなくて、ギリギリでLe Duさんに席をいただけたのですよね。
ただ結果として、1泊2日のタイ滞在には十二分すぎるほど食文化に触れる体験が出来たような気がして、大満足の夜となりました。
丁寧にご対応くださったスタッフのみなさんに感謝感謝です。